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メタバース 2022.11.26

「メタバースとは何か?」 何も分からない一般の人向けにやさしくQ&Aで解説

ビジネス系のニュースなどではよく見かける「メタバース」というワードですが、そもそも何のことなのかよく分からない人も少なくないはず。今回はメタバース初心者の方が抱きがちなよくある質問に回答する形式で解説します。

――そもそも、メタバースって何?

メタバースの定義は特に定まっていません。しかし、それでは話が進まないので、この記事では各サービスの共通項とも言える「誰もが現実世界と同等のコミュニケーションや経済活動を行うことができるオンライン上のバーチャル空間」「三次元のインターネット」と定義します(出典はこちら)。有名なサービスでは、VRChat、Cluster、バーチャルキャストなどがあります。


(写真はバーチャルキャストで開催された「MIKU LAND 2021 SUMMER VACATION」)

より定義について深く考えたい方は、下記のインタビュー記事が参考になるはずです。

――ゲームとは何が違うの?

(フォートナイトで行われたTravis Scottのバーチャルライブ)

「何をメタバースと呼ぶか」には色々な意見がありますが、マルチ参加できるオンラインのゲームを「メタバース」に含めることもあります。

例えば、マルチ対戦ゲームの「フォートナイト」やユーザー自身が様々なワールドを作ってゲームを体験できる「Roblox」、ゲーム内世界を冒険したりクラフト要素を楽しめる「あつまれ どうぶつの森」「原神」などをメタバースと言うこともあります。

ただし、サービス提供側がメタバースという言葉を使っていないこともあるので、ご注意ください。

――メタバースとNFTの関係は?

たしかに、昨今のニュースサイトでは、「メタバース」とブロックチェーンを活用「NFT(Non Fungible Token)」を結びつけて語るものが多く見られます。「メタバースにはNFTが必須」と思ってしまう人もいるかもしれません。

そもそもNFTは、デジタルデータ(3Dアートやカードなど)の購入者を自分であると証明するために発行されるもので、「データなのに複製できない」という希少性が注目されている技術です。この技術がメタバースと相性がいいと考える人もいるので、例えば、海外の「サンドボックス」や「ディセントラランド」といったメタバースでは、NFTを仕組みとして導入。NFTを利用して土地や建物の売買が行われているという実例もあります。

ただし、誤解してはいけないのは「メタバースにNFTは必ずしも必要とは限らない」ことです。現在、NFTを巡っては暗号資産が関係するため投機的な動きも大きいほか、技術的、法的な側面でも様々な議論が行われており、懐疑的なユーザーも少なくありません。

またVRChatなどのように、そもそもNFTをサービスに取り入れないことを表明しているメタバースも多くあります。

――Second Lifeみたいに失敗するんじゃない?


(画像はSecond Lifeのショッピングの様子)

そもそもSecond Lifeが失敗したと言えるかは分かりません。なぜなら現在もサービスは継続しており、コミュニティ内でのイベントも行われているからです。ショッピングなどの機能も現在利用可能で、アイテムを販売しての商業活動もあります。

またSecond Life全盛期の頃と現在のメタバースでは大きく状況が異なっていることにも注意です。現在では処理能力が大きく向上したほか、VR関連の技術が進化しており、また年を重ねるごとに「メタバース」に慣れてバーチャル空間で遊ぶ人が増えています。

Second Lifeの詳細については下記の記事をご覧ください。

――個人でもメタバースでお金を稼げるんですか?

企業のビジネス的な面での話や先述のNFT関連でのお金の動きはさておき、現状メタバースに関わって商売をしている個人の方も少なくありません。例えば、メタバースに入るために参加するアバターやアバターの服などデジタルファッションをBOOTHなどで販売している人もいます。

また企業から依頼されたバーチャルのワールドを作成して、イベント開催をサポートする個人クリエイターも現れており、その仕事の種類は多岐にわたっています。そのため、3Dモデルのデザインやプログラミングなど、さまざまな基礎的な知識が必要となりますが、これまで学んできたことをメタバースにうまく活かせれば、それが金銭に繋がる可能性もあるといえます。

――メタバースでユーザーは何をしているの?

多くのユーザーは、友達と会って会話したり、ゲームを遊んだり、バーチャル空間を探検したり、買い物したりといったことをやっています。またアーティストの開いた音楽ライブに参加したり、スポーツ大会に出場したりといった機会があることも。


(VRChatのゲームワールドでフレンドと対戦)


(日産自動車による「日産サクラ」のバーチャル試乗ワールド)


(VRChatで開かれる手話教室


(バーチャル音楽ユニットYSSによるVRChatの生演奏ライブ)

また無理にイベントに参加せずとも、ワールドをじっくりと眺めてみたり、いろんなところをのんびり散歩してみたりといった楽しみ方もOK。中には、ワールドそのものを制作したり、アバターのファッションにこだわってみたりと、バーチャルなモノを制作すること自体に楽しみを見出す人もいます。

――メタバースに友達は必要?

うーーん……。人生の価値観の問題なので一概には言えませんが「友達がいると楽しいこともある」かもしれません。メタバースで遊んでいるユーザーの中には、同じ空間で出会った人とフレンドになったり、イベントに参加している同士でコミュニティを作ったりといった経験のある人も少なくありません。

ただし1人で遊ぶのが好きな人も、もちろんいるので、楽しみ方は人それぞれ。中には、猫になったり、電柱になったりと、人外のアバターを使って、誰とも言葉を交わさない遊び方をしている人たちもいます。

――メタバースをやってみるには何が必要?

ざっくりとですが、メタバースを体験できる機器としては、スマートフォン、PC、VRヘッドセット、ゲーム機などがあります(メールアドレス、安定した高速のインターネット回線などもあると良し)。なかでもVRヘッドセットで体験できるメタバースはクオリティの高いものが多く、メタバースに本当にいる感覚があって没入感も圧倒的に高いため、おすすめできます。

詳しい方法はこちらの記事を確認ください。

――だいたい、どれくらい予算があればいい?

お手持ちの機材によるので、いちがいには言えませんが、例えば、代表的なメタバースのひとつであるVRChatを快適に遊ぶ場合、グラフィックボードを搭載してアプリの推奨スペックを満たしたPC(20万円前後)と、VRヘッドセット(6、7万円以上)が必要となります。

気軽にVRでメタバースを体験してみたい人は、Meta Quest 2などのようにPC無しでも遊べるもの(120GB版で5,9400円)だけを購入して利用するのもおすすめです。またPCやスマートフォンだけで遊べるメタバースを探して、ログインすると、より価格は抑えられます。基本的に、よりリッチなメタバース体験を目指そうとすればするほど、それだけ予算が上がることを押さえておくと良いでしょう。

――どのメタバースがおすすめ?

さまざまなメタバースがありますが、ここでは3つのみ紹介します。

・VRChat

「VRChat」は、国内外問わず非常に人気が高いメタバースです。クオリティの高いワールドが数多く公開され、アバターも様々な種類のものを選べます。滞在しているユーザーが多いため、皆で集まってコミュニケーションを取りやすいのも特徴。VRヘッドセットを利用して入場すれば、身振り手振りなどをよりリアルに表現でき、没入感のある体験が可能です。英語サービスのため、日本語には対応していませんが、下記の記事などで操作方法などを確認できます。

・Cluster

「Cluster」は国内発のメタバースで、日本語にも対応。スマートフォンやPC、VRヘッドセットなど、どのデバイスからでもアクセスできる点でとても便利です。またアプリ内で直接ワールドを作成できるモードなどもあり、手軽にバーチャルワールドを作成できるのもポイント。設定や機能が他サービスと比べるとかなり分かりやすいので、初心者におすすめできます。

・フォートナイト(クリエイティブモード)

「フォートナイト」は武器を使ったサバイバルゲームとして有名ですが、「クリエイティブ」というモードでは、自作のマップを作成して、いろんな人達に公開できるため、メタバースのひとつとして注目を集めています。なかには、釣りをしたり、ミニゲームに挑戦sたり、アートを鑑賞したりといった自由な遊び方ができるワールドもあります。さらに、米津玄師さんや星野源さんといった大物アーティストによるバーチャルライブが行われていることも大きな特徴です。

その他のメタバースについては下記の記事などを参考にしてください。


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