中国のARグラスメーカーXREALは、ラスベガスで開催されているCESにて新型ARグラス「XREAL Air 2 Ultra」を発表しました。2023年9月に発売した「XREAL Air 2」シリーズの最上位モデルとなり、開発者向けに発売されます。機能としては、他の機種と異なり、6DoFのトラッキングを搭載。日本時間2024年1月8日よりXREAL公式サイトにて予約を開始しており、出荷は記事執筆時点で2024年3月を予定しています。日本での価格は99,800円（税込）。

XREAL Air 2 Ultraは、サングラス型のARデバイスです。左右のレンズの角に搭載された2基のセンサーで現実空間を認識し、移動しても表示されたオブジェクトが空間に固定される「6DoF」のトラッキングを搭載しています。

XREALは社名変更前のNreal社の頃2020年に6DoFのARグラス「Nreal Light」を開発者向けに発売していました。XREAL Air 2 Ultraはその実質的な後継機と言えます。

ディスプレイはソニー製のOLEDパネルを採用。片目フルHD（1920×1080）の解像度、視野角は52度です。また、XREAL Air 2 Proでも搭載された「調光機能」を搭載。透過しているレンズ部分の濃さを変化させることで背景と3Dオブジェクトが同時に見えるARらしいモードと、背景が真っ暗で目の前に表示されている画面等に没入できるモードなど3段階の調整が可能です。

またXREALのARグラスの特長でもあるファッション性を「XREAL Air 2 Ultra」でも追求。チタン製のフレームを採用しているほか、レンズの大きいサングラスのような見た目になりました。実機を見る限り、レンズが大きくなったことでデバイスの奥行きが相対的に短くなり、バランスがとれてよりスタイリッシュに見えます。

開発者向けには、発売と同時に専用SDKであるNRSDKの最新版（2.2）が提供され、Unityで開発が可能です。

（NRSDKで使用可能な主な技術構成）

ファーストタッチは良好

CESのメディア向けイベントである「CES Unveiled」で簡単に体験したところ、Nreal Ligjtではズレが頻発して課題の大きかった6DoFのトラッキング精度が大きく改善していました。

体験できたデモでは、机の上においてあるマーカーを動かすとコンテンツが変わるマーカー認識の機能も使われていましたが、視野の外（かなり下方）にあるマーカーを動かしても反応して動作はかなり安定。また、

ハンドトラッキングの精度も劇的に改善していたため、かなり安定して指で操作できました。

視野角は広がっていませんが、調光機能により周囲を暗くすると、表示されているものが際立って見えました。

予約はすでに開始も対応スマホに注意

「XREAL Air 2 Ultra」は日本時間2024年1月8日より予約を開始しており、出荷は記事執筆時点で2024年3月を予定しています。日本での価格は99,800円（税込）です。

なお、”空間コンピューティング”という機能名称でXREALが謳っている6DoFの機能は、Samsungのスマートフォン2機種でのみ利用可能です。記事執筆時点では、XREAL Air 2 Ultraの互換性のあるスマートフォンの追加予定はない、とのこと。2つのスマートフォンを持っていないユーザー向けには、カスタムコンピューティングユニットが発売予定とのことです。また、空間コンピューティングではなく、3DoFでスマートフォンやPC、ゲーム機等の画面を表示するだけの「ミラーリング」機能は、他の「XREAL Air 2」シリーズのデバイスと同様に各種デバイスで使うことができます。

スペック

公式サイトに記載されているスペックは以下の通りです。

（参考）XREAL Air 2 Ultra公式