VTuberブームを皮切りに爆発的な注目を集めた3D創作シーンは、今やメタバース、そして3Dアバターというジャンルを通じて、世界中のクリエイターがお互いに交流する文化を形成するに至っている。
2018年に「3D創作を誰でも楽しめるように」というコンセプトでリリースされたVRoid Studioは、ついに2021年に正式版をリリースするに至った。同プロダクトは公式が発表したインフォグラフィックからもわかる通り、海外ユーザーも非常に多い。特に今冬は正式版リリースへの注目も相まって、TwitterやDiscord、BOOTHといったSNS上でのクリエイターのアウトプットが加速し、ひとつの大きなカルチャーのうねりを形成している。
VRoidクリエイターシーンの大きな特徴となるキーワードは「ファッション」。同プロダクトの特徴である共通素体・共通パーツによって「創った服を、誰かに着てもらえる」という体験を手に入れたクリエイターたちは、メタバース上における巨大なファッション創作シーンを形成し、日々新たな作品を生み出し続けている。
本記事は、アバターファッション業界において、「VRoid WEAR」や「超人女子戦士 ガリベンガーV」等、さまざまな企画をプロデュースしてきた筆者が、”イマ”のVRoidのファッションシーンの注目アイテムを紹介する連載企画である。
今回は、実際に読者が手に取りやすいよう、VRoid Studio正式版でそのまま着用可能なアイテムの中から、買っただけでコーデが完成する「全身セットアイテム」に注目。なかでも自分のアバターの髪の色を問わず合わせやすい、黒～白のモノトーン基調のアイテムを中心にピックアップして紹介する。
Louhi ドレス [Kaamos]
SHOP: Hajurako Records
URL: https://koroppu.booth.pm/items/2600095
ドレス、インナー、ハーネスベルト、ショートブーツがセットになっており、これだけで全身コーデを完成させることができる。
それぞれのアイテムに、ブラック・グレー・ブラウンの3色のカラバリが同梱されているため、自分のキャラクターのトーンに合わせて「ドレスは黒で、ハーネスはブラウン」といった組み合わせも楽しめる。VRoid Studioプリセットのタッチとの相性もよい。「自分のアバターに着せる服を見繕って、似合うものを決める」という体験をするのにおすすめのアイテム。
秋のチェックスーツ
SHOP: 404階
URL: https://404floor.booth.pm/items/3423017
アバターのデザインに多い「ストリート系」や「アイドル系」。それ以外の「いつもの自分と違う格好」に着替えてイメチェンをしたい、という需要を満たすのにうってつけの、きれいめなセットアップアイテム。
スーツ上下とインナーがセットになっているだけでなく、それぞれがVRoid Studioのプリセットアイテムの「ローファー」や「ソックス」とも相性がよいため、これだけ買ってすぐコーデを成立させられるのもうれしいポイント。メンズはもちろんのこと、ウィメンズに合わせてギャップを演出しても楽しい。
YUHEI tactical collection “Forefront”
SHOP: YUHEI
URL: https://yuhei.booth.pm/items/1964820
驚くべきはその網羅性。ギア・ジャケット・コート・パンツ・スカート・インナーの6アイテムが揃うだけでなく、それぞれにデザインや仕様のバリエーションがあり、1カラーのアイテム数は合計で30アイテムにもなる。さらにカラバリが4種類あるため……このコレクションの総アイテム数は120。コレクション名の“Forefront”の通り、あらゆる”最前線”への対応力を備えたタクティカルアイテムだ。
各アイテムごとのバラ売り購入も可能だが、力強くおすすめしたいのは全アイテム全カラーが同梱されたフルセット。VRoid Studio正式版対応の.vroidファイルには全カラー・全バリエーションがレイヤー分けされた状態で同梱されており、テクスチャデータのインポートの手間ゼロで組み合わせを直感的に楽しめる。
クロスリボンJSKコーデセット
SHOP: Chocolat Ruban
URL: https://chocolat-ruban.booth.pm/items/3473739
アバターを纏うなら「いつもと違う自分」になってみたい。そんなあなたの夢を叶えるアイテム。ワンピース、ペチコート、ドロワーズ、靴下、靴、そしてネイルまで同梱。まさに全身着替えることができる。
このショップがリリースするアイテムのいちおしポイントは「どんな写真でもかわいく映れること」。足先や手首、胸元などさまざまな部分にフリルやデザインがあしらわれているため、全身が見えないバストアップ構図はもちろん、身体を動かしたポーズもかわいく映える。
お気に入りの服を愛でる楽しみと、実際に着て街へ繰り出す楽しみの両方を味わえるアイテムだ。
トレーナーコーデセット
SHOP: 妄想洋品店
URL: https://nknvak.booth.pm/items/3478125
トレーナーとシャツのレイヤード、プリーツスカート、レッグカバーの3セットが同梱。
モノトーン×カジュアルは、どんなキャラクターデザインにも合わせやすい魔法のエッセンス。萌え袖によってビッグシルエットが強調されたデザインは、身長やバストサイズを問うことなく幅広いアバターが着こなせる。
胸元のクロスやレッグカバーのベルトなどのシルバー要素がうれしい。このコーデを軸にして、ボトムスをロングスカートにしたり、トップスをTシャツにしたりと、日常のワードローブを探すための最初の1コーデ目にするのもいいだろう。
有料版を購入すれば簡単に着せ替えが可能な.vroidファイルが手に入るため、もちろんそちらの選択もおすすめする。
ブラウスとスカートのセット
SHOP: ムミヨ商店
URL: https://mumyo.booth.pm/items/3232475
トップスが18、ボトムスが12パターン。どの組み合わせでもかわいくなるので、必ず自分のアバターの気分にあったコーデが手に入る。
シンプルかつ瀟洒なデザインは、ポーズの小さな静かな写真の撮影や、立ちポーズが多くなるデスクトップモードでのログインの雰囲気にも合う。オールブラックのコーデはシューズやソックスなども揃えやすく、他アイテムとのコーデも楽しめたり、重ね着機能でアウターを羽織ってもいいだろう。
同ショップのリブハイネックインナーやケーブル編みニットとの組み合わせもおすすめだ。
記事冒頭のビジュアルは、筆者のアバターに「Louhi ドレス [Kaamos]」の黒ワンピースと黒インナーを着用させた上で撮影した。少し大人しい身振りをしている自分をみて、着用する服によって動きや振る舞いにも影響が出るのは、リアルもメタバースも同様であることを改めて実感した。
自分のための装いと、誰かに見せるための装い、どちらのファッションも楽しめるVRoidの創作世界を読者各位もぜひ楽しんでみてほしい。
執筆：イトッポイド（HYPERLINK）
（参考）BOOTH “VRoid” 検索ページ
