ソーシャルVR「VRChat」では、様々な芸術作品を楽しめるワールドが多くあります。絵画、イラスト、写真、VRアートなど、ジャンルは様々。そして、自由な空間を作れる特性を活かし、展示会場それ自体が芸術作品のようになっており、現実離れした体験ができるものもあります。
本記事では「VRChat」の美術館・ギャラリー系のワールドをピックアップ。「芸術の秋」にぜひ訪れたい、オススメのワールドをご紹介します。
目次
VR Art Museum 西洋絵画美術館
ICHIRO TSURUTA VR MUSEUM
AquaGallery=shi-ro
A trip down tako lane
Re˸collection – リコレクション –
リアアリス怪文書美術館
VR art ‘New place’
Museum-of-Vrpainting
Shader Fes 2021
The Dinosaur Bone Gallery Muesum․
坪倉仮想美術館 – Tsubokura Virtual Museum
Exhibition˸ 1% of Virtuality(「1%の仮想」展)
Yokosuka Museum of Art -横須賀美術館-
VR Art Museum 西洋絵画美術館
「VR Art Museum 西洋絵画美術館」では、原寸大の西洋絵画150点を鑑賞できます。日本人でも知っている人が多い古典絵画から19世紀頃の作品まで、幅広く展示されています。
展示されている絵画の画質はいずれも4K以上で、中には16Kの絵画も。また館内には持ち運びできる動画プレイヤーもあり、絵画の関連動画を閲覧しながら鑑賞して、より深く絵画を知ることができます。建物自体もガラス張りのおしゃれな外観で、中も外も見て楽しい美術館です。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/40ssb4te
https://www.moguravr.com/vrchat-vr-art-museum/
ICHIRO TSURUTA VR MUSEUM
画家・鶴田一郎さんのVR展示会「ICHIRO TSURUTA VR MUSEUM」では、鶴田一郎さんがこれまで描いてきた作品が一挙に展示されています。現代美人画を中心に高い知名度を誇る画家の作品を、いつでも眼前で見られる貴重なワールドです。
作品だけでなく、テーマごとに大きく姿を変える展示室も見どころの一つ。絵の世界観を展示空間として表現する、VRならではの絵画展示は必見です。
ワールドへのアクセスはこちら(Meta Quest 2、またはPC接続型VRヘッドセット、高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/2y30z7e3
https://www.moguravr.com/ichiro-tsuruta-vr-museum/
AquaGallery=shi-ro
「AquaGallery=shi-ro」は、「水中」をテーマとしたイラスト展示会です。総勢29名のイラストレーターの作品が見上げるほど大きなサイズで展示され、現実でもそうそう味わえないイラスト鑑賞を体験できます。
なにより最大の特徴は、会場全体が水中であること。魚が泳ぎ、光がゆらめく水中空間は、それ自体が展示会のコンセプトを表現しています。現実では難しい会場を作ることができる、VR展示の醍醐味を体験できるワールドのひとつです。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/vwxu0gxs
A trip down tako lane
「A trip down tako lane」では、ホロライブEnglishのNinomae Ina’nis(にのまえいなにす)さんが描いたイラストの数々が展示されています。登録者数100万人を達成したVTuberでありながら、プロレベルのイラストレーターとしても知られるNinomae Ina’nisさんの作品を、細部までじっくりと鑑賞することができます。
中には、CGのように立体的に見える作品も展示されており、奥行きのある空間で絵を展示する可能性も示しています。ほかにも、Ninomae Ina’nisさん本人によるオーディオガイドや、ちょっとした隠し要素もあります。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/nhrcbzm4
Re˸collection – リコレクション –
「Re˸collection – リコレクション -」は、総勢16名のフォトグラファーによる「VRChat」上で撮影された写真が展示される写真館です。第一線で活躍するVRフォトグラファーによるベストショットが、会場に余すことなく展示されています。
フォトグラファーによって写真のコンセプトも様々。鑑賞する楽しみはもちろん、自分で「VRChat」で撮影をするときのインスピレーションになるかもしれません。円形状のシンプルながら美しい会場も見どころの一つ。ぜひ最上階まで登ってみてください。
ちなみに、本ワールドは「VRChatワールド探索部」による主催のrocksuchさんと制作担当の柚葉さんへのインタビュー記事、柚葉さんによる解説記事も公開されています。そちらも合わせてチェックしてみると、さらに深く写真とワールドを堪能できるはずです。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/bvf8037r
リアアリス怪文書美術館
「リアアリス怪文書美術館」には「リアアリス怪文書」と呼ばれる作品群が展示されています。「リアアリス怪文書」とはVRChat向けアバター「リアアリス」の写真に、思い思いのテキストを添えた作品フォーマット。「怪文書」と聞くと物々しいですが、その本質は「リアアリスを愛する人々のファンアート」と言えるものです。
導線もしっかり作り込まれた美術館には、様々なユーザーから寄せられた「リアアリス怪文書」がたくさん展示されています。中には見せ方に一工夫あるおもしろい作品もあります。いずれも、リアアリスへの愛情を感じる作品ばかりで、ひとつずつ見ていると、やがて自分でもリアアリスになりたくなるかもしれません。
……と考えるのを見越してか、順路の最後にはリアアリスのサンプルアバターが置いてあり、その場で「リアアリス怪文書」にチャレンジできます。アバターへの愛を通してアバターへの興味を生み出し、そして実際に体験できる、アバターファンワールドとしても秀逸な美術館です。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/0uxtj89a
VR art ‘New place’
「VR art ‘New place’」では、VRアーティスト・Jaehyuk Leeさんが、VRペイントツール「Tilt brush」で描いたVRアートが展示されています。
ワールドは一見するとただの平面の絵が展示されたふつうの美術館。しかし展示された絵にふれると、VRアートが描かれた空間へワープするという仕掛けが用意されています。文字通り「絵の中に入り込む」体験ができます。
展示されているVRアートの作風は様々ですが、壮大なファンタジーを想わせる幻想的な作品が多いのが特長です。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/esxhe382
Museum-of-Vrpainting
「Museum-of-Vrpainting」は、VRアーティスト・せきぐちあいみさんが描いたVRアートが展示されている個展ワールドです。
順路に沿って様々な作品が展示されており、一部は小さなイラストのような状態から、ボタンを押すことで大画面の絵画に変化します。
さらに、絵の中へ歩いて入ることも。絵の中は広大なVRアートの空間となっており、様々な角度から鑑賞可能です。
一部のVRアートは展示順路を兼ねているのも大きな特徴です。「会場の順路を巡る」から一歩進んだ「作品の世界を巡る」という形の個展鑑賞を体感できます。現在も第一線で活躍するせきぐちあいみの世界観を堪能できる、オススメのワールドです。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/hr7teu0w
Shader Fes 2021
3Dオブジェクトの見え方を設定する「シェーダー」を利用した作品をテーマとした展示会ワールドです。80人のクリエイターによる200点以上の作品が展示されており、作品数と規模に合わせて、広大かつ細部まで作り込まれた展示会場が特徴です。
「VRChat」において「物や世界の見え方」を司る技術を活用した作品は、実用的な技術もあれば、まるで魔法にしか見えない圧巻の作品まで様々。「いったいなにが起きているんだ!?」と驚かされ続けることでしょう。「Unity」で制作したものを自由に投稿し、共有できる「VRChat」だからこそ実現した展示会として、ぜひ体験してほしいワールドです。
ちなみに「誘導灯つきの消防設備」といった現実感ある会場も、投稿作品に引けを取らない見どころの一つです。「VRChatワールド探索部」によるインタビュー記事も合わせてチェックしてみてください。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/6vnjrxxy
The Dinosaur Bone Gallery Muesum․
「The Dinosaur Bone Gallery Muesum․」は、映画「ナイトミュージアム」を連想させる暗めの会場に、一から手作りされた等身大の恐竜の化石が展示されています。一部の化石は生きているように動き、まるで本物の恐竜のような迫力を眼前で体験できます。
化石の3Dモデルのクオリティはもちろんですが、かなり暗く会場を探索するように順路を進む緊張感はひとしお。歩いている中で突如動く化石に鉢合わせると、思わず驚いて声が出てしまうかもしれません。作品鑑賞だけでなく、会場内を歩く体験そのものも得難いものがあります。
現在、2022年のヴェネツィア映画祭に向けてさらに更新が進められているようで、今後もさらなる発見に出会えるかもしれません。
坪倉仮想美術館 – Tsubokura Virtual Museum
メディアアーティストの坪倉輝明さんが、これまでの作品の数々を展示したワールドです。作品は現実に展示したものから、「VRChat」向けに作成された製品まで様々。これらが専用のワールドに一挙に展示されている光景は、「歩いて体験できるポートフォリオ」のようでもあります。
「会場まるごと個展」を実現できるメタバースの可能性を示すと同時に、直近では本格的なバトルロイヤルFPSを遊べるワールド「VERTEX˸ VRCBattleRoyale」の制作者としても著名な坪倉さんが、これまでどのような足跡をたどってきたのかを知るきっかけとしても、訪問の価値があるワールドです。
https://www.moguravr.com/vertex-vrcbattleroyale/
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/f8mcfn02
Exhibition˸ 1% of Virtuality(「1%の仮想」展)
壮大な体験型ワールド「PROJECT: SUMMER FLARE」を生み出したクリエイター・ヨツミフレームさんが制作した、メディアアート展示会場です。ヨツミフレームさんが制作した作品の数々が展示されており、多くが実験的で、中には実際に手にとって動かすことで「完成」するインタラクティブな作品もあります。
見て、触って、おもしろい作品が並びますが、ワールドおよび企画展の名に冠せられた「1%の仮想」というキーワードを念頭に置くと、数々の展示が示したいものが見えてくるかもしれません。複数人で訪れて、目の前に見えるものについて考え、話し合ってみるのがオススメの楽しみ方です。
同じくヨツミフレームさんは、「PROJECT: SUMMER FLARE」の前日譚的とギミックデモ紹介を兼ねたワールド「Exhibition˸ The day before the Summer begins․」も制作・公開しています。「Exhibition˸ 1% of Virtuality」とは趣向が異なりますが、こちらも体験として非常におもしろいのでオススメです。鑑賞後、もし未挑戦であれば、ぜひ「PROJECT: SUMMER FLARE」にも挑んでください!
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/y28h0rn9
Yokosuka Museum of Art -横須賀美術館-
「Yokosuka Museum of Art -横須賀美術館-」は、神奈川県横須賀市の観音崎公園内にある実在の美術館「横須賀美術館」を再現したワールドです。オーシャンビューが美しい自然の中に建てられた、特徴的な建物を「VRChat」で体験できます。
白色と木目、そしてガラスをデザインの中心に据えた美術館は、明るく開放的。横須賀美術館にまつわる展示もいくつかありますが、それ以上に「美術館という建物そのもの」をひとつの鑑賞作品として体験できるでしょう。
ご時世的に少し行きにくいリアルの美術館に行く体験を再現しつつ、現実の横須賀美術館へも行きたくなる、リアルとの接点も作り出すワールドです。
ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/c4af0qz3