フェイスブックがMetaに社名変更して以来、ニュースで「メタバース」という言葉を耳にする機会は大きく増えました。しかし「メタバース」がどのようなものか、何があれば体験できるのか、イマイチわからない人も多いはず。
この記事では、様々なデバイスごとに、どのメタバースへ行くことができるか、具体的なサービス名を紹介します。お手持ちのスマートフォンや、自宅にあるPCで行ける場所から、ゲーミングPCやVR機器があればより楽しめるものまで、まとめました。
目次
事前に押さえておきたいポイント
1.スマートフォン
2.ふつうのPC
3.ゲーミングPC
4.Meta Quest 2
5.PICO 4
6.VRヘッドセット+ゲーミングPC
7.仮想通貨ウォレット(仮想通貨口座)
8.オススメは?
事前に押さえておきたいポイント
・メタバースはスマートフォンやPCだけで体験できるものもある!
・現状で最高のメタバース体験を楽しむなら、VRが一番オススメ!
・メタバースを始めるために仮想通貨は必須ではない!
1.スマートフォン
スマートフォンからアクセスできるメタバースは増えつつあります。iPhone、Androidともに、アプリから手軽に訪れ、世界中の人と出会えるメタバースの最初の魅力に触れることができます。
(韓国発メタバース「ZEPETO」のバーチャルワールド)
(「REV WORLDS」のバーチャルワールド)
(「Roblox」のバーチャルワールド)
とりわけ、利用者の多い国産メタバースの「cluster」や、海外で大きな人気を得ている「Roblox」や「Rec Room」などは、人でにぎわうメタバースの楽しさを感じやすいでしょう。また、バーチャル配信アプリながらメタバースとしても発展している「REALITY」や、バーチャルな三越伊勢丹で買い物を楽しめる「REV WORLDS」など、バリエーションも豊富です。
行けるメタバースの一例
アプリ |
cluster、Roblox、ZEPETO、REV WORLDS |
Webブラウザ |
2.ふつうのPC
PCからアクセスできるメタバースは、「cluster」「Roblox」「Rec Room」といった専用アプリから行くことができるものと、「Vket Cloud」などWebブラウザからアクセスできるものがあります。スマホよりも大きな画面で体験できるのが大きなメリットでしょう。
(「Cluster」のバーチャルワールド)
ただし、専用アプリが必要なものは、PCの要求スペックが若干高めです。古いPCだと性能が足りない可能性があるため注意しましょう(体験前に推奨スペックを確かめておきましょう)。また「Rec Room」はWindowsのみ対応しており、Macではプレイできません。
行けるメタバースの一例
アプリ |
|
Webブラウザ |
3.ゲーミングPC
「ゲーミングPC」は、ゲームで遊ぶことを前提に設計されたPCです。特に「グラフィックボード」と呼ばれる、画像や映像をより高画質で映すためのパーツが内蔵されているのが特徴です。予算は12万〜25万円が標準的なラインです。
ゲーミングPCがあれば、よりハイクオリティなメタバースへ訪れることができます。特に「VRChat」や「NeosVR」などは、VR機器がなくてもゲーミングPCだけでアクセス可能です。没入度はVRに劣りますが、人との出会いは問題なく楽しめます。
また、メタバースの先駆けとも言われる「Second Life」や、メタバースとして発展を遂げているバトルロワイヤルゲーム「Fortnite」、メタバース的側面もある「原神」なども、ゲーミングPCならば快適にプレイできます。スマホでは体験できない、よりリッチなメタバースの入口をつかむにはもってこいです。
行けるメタバースの一例
アプリ |
cluster、Roblox、Rec Room(Windowsのみ)VRChat、NeosVR、ChilloutVR、AltspaceVR、Second Life、Fortnite、原神 |
Webブラウザ |
4.Meta Quest 2
MetaのVRヘッドセット「Meta Quest 2」は、様々なメタバースの入口になります。「VRChat」「cluster」「Rec Room」など、人がたくさんいるメタバースにも、これ一台で行くことができます。仮想世界に「飛び込む」体験を、もっとも手軽に楽しむことができる「メタバースへのチケット」と言えるでしょう。
また、Metaオリジナルのメタバース「Horizon World」を体験することもできます。まだ日本には上陸していませんが、オンラインアバター会議ツール「Horizon Workrooms」で近いものを体験できるため、こちらもチェックしてみるのがオススメです。本体価格は、128GBモデルが税込59,400円、256GBモデルが税込74,400円です。
行けるメタバースの一例
アプリ |
VRChat、Cluster、バーチャルキャスト、Rec Room、VARK、Spatial、Horizon World(日本未解禁) |
5.PICO 4
10月に発売されたPicoの最新VRヘッドセット「PICO 4」は、軽量かつ高画質な期待のデバイスです。しかし、これ一台で行くことができるメタバースは、10月時点では「Rec Room」のみ。これから行き先が充実するかもしれませんが、現時点ではメタバース目的で「PICO 4」を購入することは、あまりオススメできません。
一方で、メタバースプロジェクト「Project Pico Worlds」も発表されており、独自のアバターを活用するメタバースプラットフォームが展開されるかもしれません。「Meta Quest 2」より安価なこともあり、今後「メタバースへのチケット」となるか注目したいVRヘッドセットです。本体価格は、128GBモデルが税込49,000円、256GBモデルが税込59,400円です。
行けるメタバースの一例
アプリ |
Rec Room(インストールは専用アプリのみ) |
6.VRヘッドセット+ゲーミングPC
VIVEシリーズや「VALVE INDEX」など、PCに接続して使うVRヘッドセットは、ハイクオリティなグラフィックによってメタバースの魅力をフルに引き出します。「VRChat」「cluster」「NeosVR」「バーチャルキャスト」「Rec Room」など、なんでもござれ。仮想世界にどっぷりと没入したい人に、最もオススメな装備です。
難点は敷居の高さ。VR機材をフルセットでそろえる場合は10万〜20万円、それを動かすゲーミングPCは12〜25万円が、おおよその相場。金銭面でのハードルは高めです。なお、上記の「Meta Quest 2」と「PICO 4」はPCに接続して使うこともでき、導入コストは少しだけ小さくなります。
行けるメタバース
アプリ |
VRChat、Cluster、バーチャルキャスト、Rec Room、VARK、Roblox、Rec Room、ChilloutVR、AltspaceVR |
7.仮想通貨ウォレット(仮想通貨口座)
メタバースの一部には、ブロックチェーン技術を活用し、アカウント登録時に仮想通貨のウォレットが必要なものもあります。さらに、プラットフォーム内でNFTなどを購入する場合、仮想通貨の口座を開設し、実際に仮想通貨を「入金」しておく必要も生じます。
仮想通貨を土台にした経済活動を行うこともできますが、仮想通貨の取り扱いは金銭的な損失も考慮する必要があります。知識がない状態で手を出すのは大きなリスクを伴うことに注意しましょう。「Decentraland」では、ウォレット不要でアクセスできるゲストアカウントがあるので、興味がある人はそちらを利用するのもアリです。
行けるメタバース
アプリ |
8.オススメは?
多くの人にオススメできるのはVRヘッドセット「Meta Quest 2」を利用したメタバース体験です。数多くの活気あるメタバースに、ヘッドセット一台でVRで飛び込むことができます。仮想世界へ没入する上で、最もハードルの低い選択肢です。
次点で、ハードルこそ高いものの、VRヘッドセットとゲーミングPCの組み合わせがオススメです。なぜなら、宇宙にも等しい「もう一つの世界」へアクセスするような、最もハイクオリティな没入体験ができるからです。
ちなみに、「Meta Quest 2」を最初に買っておけば、ゲーミングPCを追加購入するだけで、VRヘッドセットとゲーミングPCの組み合わせになるので、その点でもオススメです。
「PICO 4」は単体の場合、現時点では未知数です。まだ「Rec Room」しか対応していないため、「PICO 4」だけ買っても行き先は少ないからです。なお、「PICO 4」も「Meta Quest 2」と同じように、ゲーミングPCにつないで使うことができるので、将来性を期待して一緒に買うのはアリかもしれません。
スマートフォンやふつうのPCは、メタバースへ手軽にアクセスできる手段です。スマートフォンでしかアクセスできないメタバースも一定数存在します。ただし、モニターを眺めるだけなので没入感は少なめ。「よりよい体験をしたい」と思ったなら、VR機器の購入をオススメします。仮想通貨ウォレットと口座は、ある程度の金銭的リスクが伴うため、慎重に扱いましょう。
メタバースは、それ自体が「スマートフォン」のような巨大な概念です。よって、どのようなものか理解するには、実際にサービスに触れてみることが大切です。行ってみたい場所に合わせて最適なものを準備し、メタバースの世界に飛び込んでみてください!