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業界動向 2016.12.31

2016年、VR元年に起きたことを振り返る【7~12月編】

Mogura VRでは、VR元年と呼ばれた2016年の振り返り特集を行っています。1~6月編に続いて、7~12月編です。

この半年で、2年弱続けてきたMogura VRの全記事中半数以上を占めているほど。ビジネスでもエンタメでもあらゆる側面でVRの情報が爆発的に増加した半年間となりました。

前編はこちら

7月

NVIDIA、VR対応GTX1060を発表、ノートにも搭載でPCの敷居が下がる(7/7)

グラフィックボードメーカーNVIDIAは、7月に新型のGPU「GeForce GTX1060」を発表しました。5月には既に上位モデルとなるGTX1080、1070を発表していましたが、このGTX1060は249ドル(国内価格3万円弱)。2014年に登場していた前世代のフラッグシップモデルGTX980と比べて半値以上安くさらに高性能でした。さらにGTX10番台(1080、1070、1060)はほぼそのままの性能でノートPCにも搭載可能になりました。デスクトップPCであれば10万円以下でも、またノートPCでOculus RiftやHTC ViveのハイエンドなVR体験が可能になりました。PCメーカーによっては2kg以下で薄型の持ち運びやすいVR対応ノートPCも登場しています。

NVIDIA、VR対応のGTX1060を発表、GTX980相当の性能で価格は249ドル

VR対応のGeForce GTX10番台がノートPCに

『ポケモンGO』国内配信開始(7/22)

海外で7月6日にリリースされ社会現象になっていた『ポケモンGO』が日本でもリリースされ、同様に社会現象となりました。注目したいのは、「現実には存在しないポケモンを巡って多くの人が動き、社会に影響を与えた」ということ。実にポケモンを合成するARカメラ機能も搭載されていましたが、ARという言葉がポケモンという誰もが知っている存在とともに一般層にも伝わるようになるきっかけとなったのではないでしょうか。

『ポケモンGO』(Pokémon GO)が国内配信を開始

お台場の東京ジョイポリスで6人同時VRゾンビシューター『ZERO LATENCY』がオープン(7/23)

東京ジョイポリスでは、オーストラリアのZERO LATENCY社が開発したVR体験『ZERO LATENCY』を7月23日から常設展示しています。『ZERO LATENCYは体育館のような広い部屋で6人がVRヘッドセットを装着し、手に銃を持って自由に動き回ってゾンビを撃退する体験です。HTC Viveのルームスケールなども比にならない広い行動範囲が特徴的。まさに現実ではない世界にチームで行って、闘っているような体験が可能になります。

ジョイポリスの6人同時VRゾンビシューター「ZERO LATENCY VR」体験ガイド&レポート

VRアトラクション運営のコツ セガが語るジョイポリスの事例

その他の出来事

HTC Vive向けVRアクション『Raw Data』公開初日にSteamの売上1位に

HTC、VRシステムViveの店頭販売を開始 体験予約も可能に

iPhoneに装着する199ドルの360度カメラ「Insta360 Nano」登場

・ドコモ、VR視聴専用スマホアプリ「dTV VR」をリリース

8月

VRストリーミングのNextVRが8,000万ドルの資金調達(8/10)

VRデバイス向けに360度のライブストリーミングを行っているNextVR社が8,000万ドルの資金調達を行いました。NBAなどアメリカのスポーツや音楽業界とも提携を進め、360度撮影から配信までを一手に手がけています。2016年10月からはNBAのバスケットボールの試合を毎週VRライブストリーミングしています。

投資には日本からソフトバンクも参加。NextVRとの提携も進め、日本でのVRライブストリーミングも視野に入れています。

VRストリーミングのNextVR、ソフトバンク等から8,000万ドルの資金調達

インテル、スタンドアローン型VRヘッドセットを発表(8/17)

インテルは、同社主催の開発者向けのイベントでPCやスマートフォンを使用しない一体型のVRヘッドマウントディスプレイ「Project Alloy」を発表しました。このVRHMDだけで駆動するだけでなく、外部センサー等を使わない“位置トラッキング”が可能です。インテルは「Project Alloy」を2017年に各メーカーにリファレンスモデルとして提供予定です。

同様に一体型のVRHMDはスマートフォン向けチップセットメーカー・クァルコムも9月に発表しています。

インテル、一体型モバイルVRヘッドセット「Project Alloy」発表 位置と手のトラッキングが可能

Qualcomm、視線も位置も手もトラッキング可能な一体型VRデバイスを発表

その他の出来事

マインクラフトWin10版がOculus Riftに対応

盛り上がりは日本以上?中国最大のゲームイベントのVR展示

PC・スマホ不要のVRHMD『IDEALENS K2』中国で9月発売

ブラウザ上でVRアプリを簡単に作成できる「InstaVR」2億円の資金調達

グリーとアドアーズ、VR専門アミューズメント施設の開設へ

・CEDEC2016が開催、VRに関する知見が多く共有される

CEDEC2016のVR関連講演のレポートはこちら

9月

アップルはVR/ARに関する新製品を発表せず(9/9)

フェイスブックやグーグル、マイクロソフトがVRへの取り組みを強める中、アップルは2016年の新製品発表会でもVR/ARに関する発表を行いませんでした。

特許の取得や社内のチーム構築は進めている形跡があり、2017年に何か動きがあるのかどうか注目したいところです。

今回も発表せず アップルはVR/ARに取り組んでいるのか

東京ゲームショウ2016が開催(9/15)

9月15日から4日間開催された東京ゲームショウでは、数多くのVR展示が設けられました。その総数は100以上。男性向けの体験だけでなく『とうらぶ』や『キンプリ』など女性向けの体験も多く出展、また中国や台灣などのVR体験やデバイスが展示され、注目を集めました。

TGS2016のVR関連の関連記事はこちら

その他の出来事

SIE、PSVRの体験も向上するPS4 Pro発表 価格は44,980円で11月10日発売

NHK、パラリンピックを体験できるVR映像を公開

国立科学博物館、スマホでVRツアーできる360度コンテンツを発売

狙うのは次世代のコンピューティング 筋電コントローラーMyo開発元が1.2億ドルを資金調達

Snapchat、カメラ付きサングラスSpectaclesを発表

ソニー・ミュージック、360度動画アプリ「Littlstar」日本版を配信開始

「チャレンジングな取組を支援」Tokyo VR Startups 第2期プログラム参加チームが発表

10月

Oculus Connect 3開催、一体型デバイスの発表やフェイスブックとOculusが今後目指すものが明らかに(10/7)

Oculusは年次の開発者会議の第3回Oculus Connect3を開催しました。その基調講演ではOculusの親会社であるFaceboiokのCEOマーク・ザッカーバーグ氏が同社の目指すVRのありかた、特に複数人でVR空間を共有するソーシャルVRについて語りました。

また、様々な新発表を行いましたが、その中には位置トラッキング可能な一体型VRHMDも含まれていました。

Oculus Connect 3基調講演で発表されたことまとめ

【独占体験レポ】Oculusの新型VRヘッドセット「Santa Cruz」スマホもPCも必要ない「一体型」の実力は?

PSVRが発売、即完売に(10/13)

10月13日、SIEはPlayStation VR(PSVR)をオンラインストアと日本全国の店頭で発売しました。予約時点で完売が続いていましたが、発売当日も即完売となりました。12月17日の再販も即完売しており、2016年末時点ではまだ在庫切れの状況が続いています。

出荷台数に関しては公式発表がない中、各調査による推測値が出されています。

PSVR、日本国内の販売台数は約5万台前後

・在庫切れが続くPSVR、次回入荷に関する情報は?

マイクロソフトが2017年に各PCメーカーからVRデバイスを発売すると発表

マイクロソフトは、ハードウェアの発表イベントにて、大手PCメーカー各社からVRヘッドセットを発売することを発表しました。HP、Lenovo、Dell、ASUS、Acerの5社が参加し、価格は299ドル(約3万円)からとなるとのこと。

PC向けのVRデバイスとしてはOculus RiftやHTC Viveよりも廉価になること、HoloLensにも搭載されているWindows Holographicと呼ばれるユーザーインターフェースがVRで再現されます。

マイクロソフト、PCメーカー各社よりVRヘッドセットを展開することを発表 価格は299ドルから

その他の出来事

越谷イオンレイクタウンの常設VR施設「VR Center」体験ガイド

博報堂、VR・AR専門ファクトリー「hakuhodo-VRAR」設立

NBA、NextVRと提携でバスケの試合を毎週VR配信

360度カメラ「THETA SC」が発売間近 「THETA S」との違いは?

Xiaomi、3,000円の高性能なスマホVRヘッドセットを発表

HTC、来年にかけて中国各地に「Vive VRカフェ」を展開

11月

視線追跡型VRHMD「FOVE」予約開始(11/3)

日本に拠点を置き、視線追跡機能を搭載したVRHMDの開発を行っているFOVE社は、開発者向けの「FOVE 0」の予約を開始しました。価格は599ドル、出荷は今冬となっています。視線追跡機能は次世代のVRHMDで搭載が期待されており、FOVEは他のVRHMDや視線追跡技術メーカーに先行して予約を開始しました。

視線追跡型VRHMD「FOVE」の予約開始 価格は599ドル 『ソードアート・オンライン』とのコラボも

グーグル、海外でDaydreamを発売、ARプラットフォームTangoもスタート

グーグルは2016年11月からVRとARのそれぞれの分野で新たな一歩を踏み出しました。

11月10日にアメリカ等でDaydream対応VRヘッドセットDaydream Viewを発売しました。価格は79ドル。対応スマートフォン第1弾はグーグル自らが開発した「Pixel」。その後、モトローラのスマートフォのも対応することが明らかになっています。

また、同じく11月上旬には、空間認識を行うことのできるグーグルのAR技術Tangoに対応したスマートフォン「PHAB2 Pro」がレノボより発売されました。日本でも12月から販売が始まっています。

レノボ、Tango対応ARスマホPHAB2 Proを発売 価格は約5万円

グーグル、初のDaydream VR対応スマホはPixel ヘッドセットは79ドルで11月発売

グーグル、Pixel対応VR端末Daydream Viewは11月10日発売 アメリカなど5ヶ国で 対応アプリも発表

【体験レポ】グーグルの新スマホVR「Daydream」はGear VRに並ぶ新たなミドルレンジVR

DMM有料配信スタート(11/10)

11月10日、動画配信プラットフォームDMM.comは、スマートフォンで視聴できる有料のVR動画の配信を開始しました。有料ながら開始から公開20日で総DL数が20万を超え、売上上位の動画の中には1,000万円以上の売上を達成しているものもあるとのこと。

DMM、VR動画の有料配信サービスを開始

【インタビュー】DMM VRは「想像以上に順調」公開20日で20万DLの裏側

その他の出来事

電通、VRビジネスを促進する横断的組織「Dentsu VR Plus」を設置

ニューヨーク・タイムズ、360度動画を毎日配信する新サービス「The Daily 360」をスタート

新型Gear VRが11月10日発売 視野角は広く装着感も向上

Android版Chromeが正式にWebVRをサポートへ 2017年1月に提供予定

・過熱する中国のVR 「独身の日」前後で売上1,000万円以上のデバイスも

ファーウェイ、スマホ向けVRHMDを正式に発表、価格は1万円弱

グーグル、VRで自由に地球を見れる『Google Earth VR』をリリース

HTC、深セン市と1500億円規模のVRファンドおよび研究施設を発表

MSI、バックパックPC「VR One」を法人向けに販売開始

ジャパンディスプレイ、高精細で応答速度の速いVR用液晶ディスプレイを発表

360度動画配信サービスVrideoが突然の閉鎖

中国のVRHMDメーカー3Glasses、約10億円の資金調達

12月

マイクロソフト、HoloLensの国内予約を開始(12/2)

マイクロソフトは、MRデバイスHoloLens開発者版の日本国内での予約を開始しました。2017年1月より出荷が順次開始されます。

現実を空間認識し、ウィンドウやデジタルな物体を重ねることのできるHoloLensは海外では医療、教育、製造業等の分野で活用が進んでいます。日本でどのように使われるのか注目です。

マイクロソフト、HoloLensの予約を12/2より開始 価格は333,800円から

VRの中に手を再現するコントローラーOculus Touchが発売(12/7)

Oculusは、12月7日、Oculus Rift向けのハンドコントローラーOculus Touchを発売しました。Oculus Touchは手の動きと指の動き価格は23,800円。Oculus Rift発売時のような出荷遅れは起きず、スムーズに行われています。

ローンチタイトルは53タイトルで、日本からも6タイトルがリリースされています。

Oculus Touchローンチタイトル53作品が明らかに

Oculus Touch、日本からのローンチタイトルは6作品

WordPress、Facebook、Twitterが続々と360度コンテンツに対応

12月はSNSやWebサービスの360度コンテンツ対応が進みました。

ウェブサイトの構築に使用されるWordpressが、360度動画や静止画の埋め込みに対応したほか、Twitterが360度のライブストリーミングを限定で開始しました。Facebookは360度静止画と動画の投稿に対応していましたが、新たに360度のライブ配信にも対応しています。

2017年はさらに多くの360度コンテンツが目に触れることになりそうです。

WordPressがVR対応へ まずは360度静止画と動画から

Twitter、360度ライブ配信に対応 体験の共有へ

フェイスブック、360度動画ライブ配信へ「Live 360」を発表

思い出の瞬間をVRで ザッカーバーグ、娘が歩いた瞬間を360度動画で撮影

その他の出来事

グーグル、Oculus、SIE、HTC、サムスン等VR機器各社、業界団体を創設

VR用デバイスのクロスプラットフォームAPIを各社が協力して策定へ

パリの映画館mk2、300平米以上の常設VR施設を開設

『Raw Data』開発元のSurvios、電通ベンチャーズ等からVRゲームでは最高額の約59億円を資金調達

4Kライブストリーミングも可能な360度カメラ「Orah 4i」米国で予約開始 価格は約3,600ドル

中国から3Kの一体型VRデバイスMatrixが登場 価格は約4万2,000円

VRメタバース構築を狙うHigh Fidelity 約25億円を資金調達

東京都、外国人向け観光促進に360度動画を活用開始

Oculus、視線追跡技術のThe Eye Tribe社を買収

アドアーズ渋谷のVR体験施設『VR PARK TOKYO』徹底ガイド

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