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テック 2016.09.09

今回も発表せず アップルはVR/ARに取り組んでいるのか

先日、Appleが基調講演の場で新型スマートフォン「iPhone7」を発表しました。iPhone7とAR/VR技術の関わりに関して言及はされませんでしたが、同社が着実にAR/VRの準備を進めつつあることは確かです。

Apple AR/VR

AR/VR技術へのAppleの取り組みまとめ

先日の発表会にて、「iPhone7」や「Apple Watch Series 2」といった最新製品が明らかにされましたが、AR/VR技術に関しては一切言及されませんでした。現在の幅広いユーザーのニーズを考慮し、市場が十分に確立されるのを待ってから公にAR/VR関連の戦略について明言し始めるのかもしれません。

Apple AR/VR

しかし、この状況はAR/VRの研究開発に積極的に取り組んでいないというわけではありません。過去数年間で同社は、現場に専門知識を取り入れるための数々の取り組みを行っています。

雇用

Appleは2014年に、”VRシステムを用いた高パフォーマンスアプリ”の制作のため、アプリエンジニアの募集を行いました。さらに数ヶ月も行かないうちに、VR/ARを含む同社の次世代技術を開発するプログラマーの追加募集も行いました。

これにより、バージニア工科大学のヒューマンコンピュータインタラクションセンターのディレクターを務め、VR研究でも世界的な影響力を持つダグラス・バウマン氏を雇用しています。

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特許

また2015年にはメガネ型ヘッドマウントディスプレイの特許を取得しています。デバイスに iPhone をそのまま装着するような形になっており、イヤホンも本体に付いているためVR体験時に音も合わせて聞こえるようになっているようです。また同社はARディスプレイの特許も取得しており、今後のモバイルデバイスへの応用が期待されます。

Apple AR/VR

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買収

2015年にAR関連企業であるMetaioを買収して以来、AppleはARおよびコンピュータビジョン関連の企業を立て続けに買収しています。Faceshift社(マーカーレスフェイスマッピングとアニメーション技術)、Emotient社(表情認識&分析技術)、およびFlyby Media社(大規模SLAM・ーセンサフュージョン・画像認識および3Dトラッキング技術)等の企業を買収し、同社のAR / VRの人材プールを強化しています。

競合

サムスン、グーグル、フェイスブック、マイクロソフト、アマゾン、インテル、クアルコムといったその他多くの先端研究を行う企業との競争が行われていることからも、同社が技術をより高めているであろうと推測させられます。

Apple AR/VR

以上で紹介したこれまでの取り組みが将来どのような形で消費者に届けられるのか。今後の動向にも引き続き注目が集まります。

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(参考)
Apple Mum on AR/VR for iPhone 7, but Here’s How We Know They’re Still Working on It(英語)
http://www.roadtovr.com/apple-ar-vr-iphone-7-augmented-reality-virtual-reality/

※米Road to VRはMogura VRとパートナーシップを結んでいます。


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