サンノゼで行われている開発者会議Oculus Connect 3(OC3)の基調講演にて、Oculusはハードウェア、プラットフォーム、コンテンツ等に関するさまざまな発表を行いました。
まさにVR元年に行われた講演にふさわしく発表づくしになった基調講演。本記事ではその全てを紹介します。
1.ザッカーバーグが語るVRのこれから
2.Oculus Touchに関係する発表
3.Oculus Rift、Gear VR両方に関係する発表
4.ソーシャルVRに関係する発表
5.Oculus Riftに関係する発表
6.Gear VRに関係する発表
7.コンテンツ提携
8.多様性を重視した取組
1.ザッカーバーグが語るVRのこれから
まず登壇したのはOculusの親会社であるフェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ。VRのこれからについて語りました。
詳細はこちら。
この場であった発表は以下の通り
・Facebookが考える最新のVRデモ
・ワイヤレスで単体で位置トラッキングが可能な一体型ヘッドマウントディスプレイ(Santa Cruz)の開発
https://www.youtube.com/watch?v=LIUYDUlGJzM
・コンテンツ開発へ2.5億ドルの追加投資、教育分野で1,000万ドルの投資
2.Oculus Touchに関係する発表
発売日と価格
Oculus Rift用のハンドコントローラーOculus Touchは、12月6日に出荷。予約開始は10月10日と発表されました。価格は199ドル(約2万円)。両手分のOculus Touchに加え、追加のカメラが付属します。
予約購入者には『VR Sports Challenge』と『Unspoken』が同梱されます。
ルームスケールに対応
Oculius Touchを使用し、外部カメラを3台置いた場合、小部屋サイズで歩き回ることのできる、いわゆるルームスケールでの利用が可能となります。外部カメラは単体で79ドル、12月6日に出荷を開始します。
Touch向けゲームが多数登場
Oculus Touch向けのソフト、AAAタイトルを含め発表されました。12月6日の発売時には
Touch向けローンチタイトルのトレーラー
https://www.youtube.com/watch?v=xfShvzhBgec
Arktika 1(4A Games)
Lone Echo(Ready at Dawn)
https://www.youtube.com/watch?v=LoV5p8ddTT4
Robo Recall(Epic Games)無料
Medium(スカルプティング・ツール)
Kingspray(スプレーお絵描き) ※HTC Vive版トレーラー
Quill(3D描画ツール)
3.Oculus Rift、Gear VR両方に関係する発表
Audio SDKがアップデート
VRで視覚と並んで重要な音声。3Dサウンドの仕組みをコンテンツに導入するためのAudio SDKがアップデートされました。高品質な環境音を現実さながらに再現する「Anbisonic Rendering」が導入されました。
Unreal Engine 4でより開発しやすく
VRコンテンツの開発には、ゲームエンジンUnreal Engine 4(UE4)が使われています。UE4での開発を促進するため、通常、ソフトの売上のうち5%をロイヤリティとして収めなければいけないところ、売上500万ドル(約5億円)まではOculusがロイヤリティを肩代わりすることを明らかにしました。UE4を使った有料ソフトの開発がしやすくなります。
ブラウザベースのVRへの取組、React VRとCarmel
ネイティブアプリではなく、ブラウザでVRコンテンツを体験できるWebVRにOculusも取り組むことを表明。そのためのAPIであるReact VRを発表。さらにVR用のブラウザであるCarmelの開発が行われていることが明らかになりました。
詳細はこちら
4.ソーシャルVRに関係する発表
VRでのアバターを作れる「Oculus Avatars」
ソーシャルで他人と交流する際に必要となるアバター。Oculusは頭と手からなるVR用のアバターを作ることのできる『Oculus Avatars』を公開しました。
顔や髪型、服装、アクセサリーなどさまざまな組み合わせで100億通りものアバターを作成することが可能です。
Oculus Rift向けにはOculus Touchのローンチと同時に、Gear VR向けには2017年の早い時期に公開予定です。
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Platform SDKのSocial VR要素の充実
開発ツールであるPlatform SDKには、コンテンツをプレイ中にフレンドを呼ぶ「Invites」、ランダムで対戦相手を選ぶことのできる「Matchmaking」が導入され、80個程度のアプリで使用されています。
さらに、「Parties」と「Rooms」という2つの機能が追加。「Parties」ではフレンドと最大8名までボイスチャットで繋がることが可能。「Rooms」では、フレンドとの部屋で音楽を聞いたり、ミニゲームをしたり、そのままアプリを起動して遊びに行く、などが可能になります。
2つの機能は、Gear VR向けに数週間以内に、Oculus Rift向けには2017年の早い時期に実装されます。
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5.Oculus Riftに関係する発表
Rift SDKがアップデート
Oculus Rift向けのSDKがアップデートされ、新たにコントローラーのインプットを司るInput API、触れたときのハプティクスを制御するHaptic API、さらに移動範囲を決めてユーザーを危険から守るGuardian APIの3つの機能が実装されました。
また、位置のトラッキングに関するレイテンシーを軽減する新技術Asyncronous Spacewarpが発表されました。
その結果、Oculus Riftを動作させるPCの最低要件が下がり、より低スペックな(GTX960搭載)PCでもVR体験が可能になります。CYBERPOWER PCとAMDの提携により、499ドル(約5万円)のPCでも動作可能になります。NVIDIAの協力により、ノートPCも各メーカーから登場するとのこと。
詳細はこちら。
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Oculus Rift用イヤホン「Ocuus Earphone」の発売
もともとOculus Riftにはヘッドホンが付属していますが新たにイヤホンが発売になります。価格は49ドル(約5,000円)、12月6日に出荷予定です。
詳細はこちら
CADデータが公開
顔に接着するインターフェースとヘッドホンのインターフェースのCADデータが公開されました。サードパーティ製のアクセサリーを作ることが可能になります。
6.Gear VRに関係する発表
Gear VRの状況
モバイルVRヘッドマウントディスプレイGear VRは、18の言語に対応。400以上のコンテンツが配信されています。また遊園地のジェットコースターや教育現場、医療現場などでも使用例があると紹介されました。
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ゲームなどの能動的な体験と、360度動画などの受動的な体験に分けて考えると、時間の使い方として、ユーザーは能動的な体験が75%、受動的な体験が25%な層と、能動的な体験が25%、受動的な体験が75%の層が存在するとのことです。
Mobile SDKのアップデート
Gear VR向けのMobile SDKがアップデートし、「Multiview Support」によるCPU負荷軽減、パフォーマンスを観測できる「Oculus Remote Monitor」などが実装されています。またモバイル向けのVulkanには2017年に対応予定です。
11月には、360度動画のためのVideo SDKがリリースされ、より高品質な360度動画を効率的に転送できる「Dynamic Streaming Service」や臨場感のあるAmbisonic Audioに対応できるほかサンプルアプリが含まれます。
Xbox Oneコントローラーへの無線対応
Gear VRでゲームをする際にあると便利なゲームパッドですが、これまでは市販のBluetoothコントローラーを使用しなければなりませんでした。9月より、Xbox Oneコントローラーに対応しています。
Facebookで体験を実況できるように
VRコンテンツを体験している様子をFacebookでライブストリーミングできる機能が追加されます。
新たなゲーム・アプリの発表
2016年末に向けて、新たなコンテンツがリリースされていきます。
・Cirque du Soliel新作
・Face your fears
・Asteroids!(Invasion!新作)
・Sing Space(VRカラオケ)
・Dragon Front(Oculus Rift版とクロスプラットフォーム)
7.コンテンツ提携
Oculus RiftとGear VRでは、ゲームだけでなく、体験型のコンテンツも増え続けています。
例は以下の通り
・ディズニーとの提携を発表
・SF映画「ブレードランナー」のVR作品が2017年に登場
・国連のUNVRがリリース
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8.多様性を重視した取組
1,000万ドルの投資
Oculusは、コンテンツの多様性を重視し、多様な作り手を支援したいとのことから、コンテンツ制作講座である「Oculus Launch Pad」、社会貢献にVRを使う「VR for Good」、女性のVRへの取組「Woman in VR」などへ合わせて1,000万ドル(約10億円)の投資を行うことを明らかにしました。
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以上が盛り沢山だった基調講演での発表内容です。後半に登壇したチーフ・サイエンティストのマイケル・エイブラッシュ氏の、将来のVRヘッドマウントディスプレイに関する講演に関しては、別途記事をお送りします。