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業界動向 2016.12.31

2016年、VR元年に起きたことを振り返る【1~6月編】

VR元年と呼ばれた2016年、VRに関するニュースが相次ぎました。PlayStation VRなどハードウェアに関する情報を中心にテレビや新聞、SNSで話題になることも多く、まさにVRの普及が始まった1年となりました。

Mogura VRは2年目。2016年に更新した記事は2,000以上となり2015年の4倍以上の情報をお届けました。それだけVRに関するニュースなどが増えたことを意味しています。

2015年末には、「VRの普及の前夜」と2015年を振り返りました(前編後編)。その前夜を経ていよいよVRの普及の年には何が起こったのか。1年を振り返るべく、Mogura VRでは、2016年にVR/ARについて起こったことを紹介していきたいと思います。

まずは1月から6月に起きた出来事を振り返ってみましょう。

後編はこちら

1月

HTC Viveの新型プロトタイプVive Preが発表(1/6)

年明けに開催された家電の展示会CESにてHTCはPC向けHTC Viveの新型プロトタイプのVive Preを発表しました。空間を歩くことのできるルームスケールの精度向上や安全面対策などが施され、製品版とほぼ同性能のVive Preは広く世界中のVR開発者に配布されました。

VRの中を歩くことのできる体験はそれ以前のVR体験と一線を画す没入感の深いものでした。

(参考)

HTC Viveの新型プロトタイプVive Preが発表。さらに進化するVR体験へ

【体験レポ編】歩けるVRHMD、HTC Vive。新型プロトタイプVive Preで追加された機能とは?

その後、HTC Viveは2月末に製品版の予約を開始します。

Oculus Rift製品版予約開始(1/7)

CESの会期中の1月7日、OculusはPC向けVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)製品版の予約をスタートしました。価格はドルベースで599ドル、日本へは送料込で94,600円、当初期待されていた価格より高かったとの声もあり、賛否両論の状況となりました。その状況をMogura VRではアンケートを実施しています。

Oculus Riftの予約開始は日本時間1月7日午前1時から

Oculus Riftの価格についてどう考える? Mogura VR読者アンケートまとめ

その他の出来事

これこそバーチャル!FaceRigとボイスチェンジャーで美少女キャラによるゲーム実況が実現

GoogleでCardboardを推進するBavor氏がVR部門で専任へ

【CES2016】モバイルVRを大幅に引き上げるクァルコムの次世代チップセットSnapdragon 820

USJできゃりーぱみゅぱみゅのかわいい世界を激しく疾走。世界初のリアルライド×VRが公開

ゴールドマン・サックス、今後10年でのVR/AR市場の可能性を予測

グーグル、VRの普及状況を公表。Cardboardの出荷総数は500万台を突破、最も人気のアプリなど

2月

スイスの医療系VRスタートアップMindmazeが1億ドルを資金調達(2/18)

2016年はVRに対する投資も盛んに行われました。その中でも最大規模の資金調達になったのがスイスのMindmaze社。1億ドル(約115億円)を調達しました。評価額は10億ドル(約1,150億円)に達したと発表されています。

Mindmaze社は、脳卒中の患者の運動機能回復にVRを活用するための製品を開発しています。

VRを脳卒中の治療に使うことを目指すスイスのMindMazeが1億ドルを調達。評価額は10億ドルに

HTC Vive製品版予約開始(2/29)

2月29日(日本時間3月1日)、HTCはHTC Viveの予約を開始しました。価格は799ドル、日本円にして11万超(当時)。ルームスケールの位置トラッキングに加え、左右それぞれの手にコントローラーが付属するVRシステム一式として販売されました。

HTC Viveの国内価格は約11万2千円、予約は3月1日0時から

HTC Vive、予約開始10分で1万5千台を販売。現在予約すると出荷は5月に

その他の出来事

エピックゲームズ、UE4のVR版エディタを発表。VR内で歩いて手を動かしてVRの世界を創造(2/5)

UnityもVR内エディタを発表。VRの中でVRコンテンツを作る時代へ(2/11)

【体験レポ】VR内に180人が接続した世界初の勉強会。VRごっちゃにLT会 in バーチャル#1

【体験レポ】OcuFes Final レポート。VRコンテンツのジャンルは多様化

FOVEとテクノブラッド、視線追跡VRHMDを日韓のネットカフェへ無償提供。コンテンツ開発促進も

3月

PlayStation VRの価格と発売日の発表(3/16)

ソニー・インタラクティブエンターテインメント(SIE)は、サンフランシスコで開催されたプレスカンファレンスにて、PS4向けVRヘッドマウントディスプレイPlayStation VRの価格と発売日を発表しました。価格は399ドル(日本円にして44,980円)、発売日は2016年10月です。5万円以下という金額と対応タイトルの豊富さに注目が集まりました。

SIEは発売の10月に向けて、日本でもGAME ONやジョイポリスなど様々な場所で体験スペースを設け、VRをより多くの人に体験してもらう取り組みを行いました。

PS VRの価格は44,980円、発売日は2016年10月と正式発表

PS VR、北米でのローンチバンドル版のAmazonでの予約は数分で完売。本体だけの予約も29日から開始。

【インタビュー】PS VRの発売時期や価格のワケは?年齢制限など気になることをSCE吉田氏に聴く

Oculus Rift製品版発売!のはずが……(3/28)

3月28日、OculusはOculus Rift製品版を発売し、全世界へ出荷を開始しました。しかし、予約当初に通知されていた到着日にOculus Riftが届いたユーザーはほんの一握り。一部部品の不足等により、出荷は大幅に遅延。到着を心待ちにしていたユーザーがウェブ上で怒りの声を上げ、Oculusはその旨を謝罪、全購入者の送料を無料にするという事態に発展になりました。

Oculus Rift製品版ローンチ。予約購入者には順次発送連絡。合わせてコンテンツストアがオープン。

・Oculus、部品の不足により出荷が遅れていることを通知し謝罪。4/1までの予約注文の送料・手数料が無料に

その他の出来事

・ARヘッドセットMeta 2の開発者キット予約開始。価格は949ドル、出荷は2016年第3四半期

・米テーマパーク「Six Flags」、サムスンと協力してVRコースターを展開

4月

全国のネットカフェなどでVR体験ができるVR THEATERが発表(4/5)

日本複合カフェ協会は、日本全国のネットカフェやカラオケ、ゲームセンターなどにVRコンテンツを視聴体験できる「VR THEATER」を、2016年4月7日から稼働しています。

攻殻機動隊や進撃の巨人、ももクロなど「そこでしか体験できない」コンテンツを提供。当初は関東の31店舗から始まり、2016年末時点では全国129店舗で展開されています。その後、ネットカフェにおけるVRの導入も加速しました。

全国のネットカフェにGear VRで『進撃の巨人』『攻殻機動隊』などのVRを体験できるVR THEATERが設置

タイトー、ゲーセンに 「VR THEATER」を導入 進撃の巨人や攻殻機動隊のVR体験が可能に

自遊空間、全国70店舗で190台のGearVRを導入へ

HTC Vive発売(4/5)

4月5日、HTC Viveの全世界への出荷が始まりました。一部の国で決済エラー等があったものの比較的に順調に予約分を出荷。その後、日本でも本格展開に取り組み、8月には代理店販売をスタート。現在ではオンラインストア、実店舗等で購入が可能になっています。

HTC、HTC Viveの決済エラーによる注文キャンセルで納期は影響を受けないと発表

Steam、身体を動かして体験するVRコンテンツをMRを使って分かりやすく紹介する動画を公開

お台場でバンダイナムコがVRアクティビティ施設「VR ZONE」をスタート(4/15)

バンダイナムコエンターテインメントは、お台場のダイバーシティ東京にて期間限定のVRアクティブティ施設「VR ZONE Project i Can」(VR ZONE)をオープンしました。ゲームセンターのように、VR ZONEならではの特殊な筐体等を使ったアクティビティと、お台場のショッピングモールの人通りの多い立地が口コミで話題となりました。高層ビルの上でネコを救う『高所恐怖SHOW』、車椅子で廃病院から脱出する『脱出病棟Ω』、美少女とロボに乗って闘う『アーガイルシフト』など6つのアクティビティが展開し、没入感の高い体験が注目を集めました。

半年間の期間限定でしたが、追加コンテンツも続々と登場。7月15日からはアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の世界を体験できる『VR-ATシミュレーター 装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎』とスーパースターになれる『スーパースター体験ステージ マックスボルテージ』の2つのアクティビティが稼働を開始したほか、8月20日からは機動戦士ガンダムを体験できる『ガンダムVR ダイバ強襲』が登場しました。

VR ZONEは実験的な施設ということで10月に閉所しましたが、12月9日には愛知県長久手のイオンモールに『VR NAGAKUTE By Project i Can』として一部コンテンツを常設で展開しています。

お台場のVRアトラクション体験施設「VR ZONE」体験ガイド&レポート

ナムコ、12/9より愛知のイオン長久手にVR体験コーナーを出店

その他の出来事

眼鏡型、VR/AR切り替え。ザッカーバーグ、今後10年間のロードマップの中でVR/ARの展望を語る

VRで生まれる人とのつながり。FacebookとOculusが目指すソーシャル・プレゼンスとは。

グリー、北米のスタートアップを中心にVRへの投資を行うGVR Fundを組成。規模は1,200万ドル

VRでイベントを開催するプラットフォーム「cluster.」を運営するクラスター株式会社が5,000万円の資金調達

中国のPICO、最新のスマホ用CPUを搭載したスタンドアローン型のVRHMDを発表

サムスン、360度カメラGear360を一部の国にて4月29日から発売

5月

グリーとVRC、Japan VR Summitを開催(5/10)

グリーとVRコンソーシアムは、5月10日に、Japan VR Summit(JVRS)を開催しました。VR業界の第一線で活躍する国内外のプレーヤーをゲストに5つのセッションを1日かけて展開。経営者及び幹部、開発責任者を対象とした日本国内では最大級のVRに関するカンフンァレスとなりました。

グリーがVRカンファレンス「Japan VR Summit」を開催。国内VR市場の拡大を後押し

VRゲームの今とこれから。日本におけるVRゲーム開発の先駆者たちは何を考えているのか。

「2018年にVRがくる」「産業用VRは世界をリードできる」グリー、コロプラ、米VCの投資家から見たVR投資戦略

グーグル、高品質なスマホVRのための新プラットフォームDaydreamを発表(5/19)

グーグルは、スマホ向けにダンボール製のデバイスさえあればほぼ全てのスマホで体験できるCardboardを提供してきました。5月19日グーグルの開発者会議にて、より高品質なスマホVRを実現するための新プラットフォームDaydreamが発表されました。

2016年秋以降提供されるAndroid7.0がOSとしてVRに対応し、対応している各スマホメーカーのAndroidスマートフォンで手軽に遅延などのない高品質なVR体験が可能になる、として期待が集まりました。

Google、高品質なスマホVRのためのプラットフォームDaydreamを発表。Android NのVRモード、VR対応スマホ、VR内ホーム画面など

・GoogleのスマホVRプラットフォーム『Daydream』とは

その他の出来事

フジテレビとグリーがVR事業で提携。共同プロジェクト「F×G VR WORKS(仮)」で良質なVRコンテンツの提供へ

VRアトラクション施設THE VOID、ニューヨークでゴーストバースターズの公式VR体験を公開へ

Oculus、Gear VRのユーザーが月間100万人を超えたことを発表。人気アプリの多くは360度動画。

AcerがStarbreezeと提携し、ハイスペックVRHMD「Star VR」の共同開発へ

iOS版YouTubeがアップデート。360度動画をCardboardでも見れるように

コロプラ子会社が360度動画配信サービス『360Channel』を提供。開始時は5チャンネル、20本のオリジナル動画を用意

IMAX、VRシアターを米国内の6か所で開設

・ハコスコが第三者割当増資を実施。KDDI、ミクシィ、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ、グリーなど各社とVRプロモーション事業を推進

・DeNA子会社運営のSHOWROOMがVRライブ配信プラットフォームを開始

・NHK、パラリンピックメダリスト・山本篤選手の走りをVR体験できる360度動画を公開

6月

PlayStation VR(PSVR)対応のビッグタイトルが発表(5/10)

E3にてSIEはPSVR対応タイトルを複数発表しました。『バイオハザード7』や『Final Fantasy XV』、『バットマン アーカム VR』、『スター・ウォーズ バトルフロント』など大作のVR対応や新作VR専用ゲームが発表され、10月の発売に期待が高まりました。

日本での発売日はアメリカなどと同じ10月13日と発表され、7月、8月、9月と3回にわたりオンラインと実店舗予約が行われましたが、いずれも予約が殺到。すぐに予約枠が埋まるという事態になりました。

PS VR対応ゲームがさらに判明!FF15、バイオハザード7、スター・ウォーズなど

・SIE、PS VR発売時の在庫不足に憂慮していることを明かす

その他の出来事

・KDDI、キャリアとしてVRへの取組を表明。まずは体験の場を増やすところから

・【体験レポ】VRクリエイティブアワードで国内VR作品のクオリティと多様さを実感

・VR対応の新型Xbox「PROJECT SCORPIO」が発表

・5Kで視野角210度!Star VRの新型プロトタイプが登場

・『トランスフォーマー』のマイケル・ベイ監督がVR作品を開発中

・HTC、VR/AR/MR分野に投資するVCを集めた100億ドル級のアライアンスを発表

・グーグル、世界中を社会科見学できるVR教育アプリを一般公開

・ディズニーリゾートをスマホVRで体験できる「フライング・サマーマジック!」が期間限定公開

後編はこちら


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