スマートフォン向けのチップセットを製造しているQualcommは、新たなVRデバイスのリファレンスモデルを発表しました。この新たなVRヘッドセットは、PCにつないだり、スマートフォンを挿し込むのではなく、プロセッサを内蔵した一体型のVRヘッドマウントディスプレイです。
Qualcommの新型VRデバイスはSnapdragon VR820と呼ばれているとのこと。VR対応を謳う同社のプロセッサSnapdragon 820を採用したモデルとなります。2880×1440の有機ELディスプレイを搭載し、描画の滑らかさを示すフレームレートは70Hz以上。レイテンシーは18ms以下とのこと。
4基のカメラを搭載しており、2つは内側にあるためアイトラッキングが、フロントについている2つがプレイヤーの位置や手の動きをトラッキングできます。
ジャイロセンサー、加速度センサーなどを備え、さらにマイクが4つ搭載。ODMで製造を行っている中国のGoertek社がデザインを手がけています。
この新型デバイスはリファレンスモデルということで、そのまま市場に投入されるわけではありません。各メーカーがこのモデルを参考に、新たなヘッドセットを開発することになります。
今回発表されたモデルは、「一体型でワイヤレス」、「視線トラッキング」、「位置トラッキング」、「ハンドトラッキング」と言った次世代モデルに求めたい要件が満たされています。
これはOculus Riftなどの現行のハイエンドなVRデバイスが抱える「有線」「PCやPS4などメインマシンが必要」といった問題とGoogle CardboardなどスマホタイプのVRデバイスが抱える「低品質」「頭を動かすことしかできず没入感が低い」といった問題の両方に応えるような要件です。
果たしてどの程度快適な体験になるのかは全くの未知数ですが、その処理を担うチップセットを製造するQualcomm社からこういったモデルが提示されていることは興味深い点です。
8月には同様にインテルが、一体型で位置トラッキングやハンドトラッキングが可能なVRデバイス「Project Alloy」をリファレンスモデルとして発表しています。
(参考)
http://www.roadtovr.com/qualcomm-snapdragon-vr820-vr-headset-reference-design/