アメリカの男子プロバスケットボールリーグであるNBAは今シーズン、NBAのリーグ戦で行われる試合を毎週360度生中継していくことを発表しました。
配信を手掛けるのはVRストリーミング配信分野で活躍するNextVR社。彼らはこれまで総額1億1,600万ドル(約116億円)の資金調達を成功させており、既にスポーツ・政治・講演など、様々なイベントのVR中継に取り組んできた実績があります。
毎週放送、バスケのVR生中継
「毎週火曜日、合計30試合以上の放送を予定している」NextVR社のコンテンツ・バイスプレジデントであるダニー・キーンズはそう語ります。
今のところ、視聴手段として明らかになっているのは、Gear VR向けの「NextVR」アプリのみ。ただし、「Oculus RiftやHTC ViveのなどのVRHMDを所持している人にも配慮するつもりだ。数週間以内に追って発表があるだろう」と、キーンズ氏は述べています。
ただいずれにせよ、NextVRのアプリ取得・コンテンツ視聴は、日本国内では不可能であることが予想されます。
今回のVR中継では8台のカメラを異なる場所に配置し、現場にいるディレクターが適宜最適な視点を切り替えます。視聴者から視点の自由を奪ってしまうことに関してネガティブな意見もあるようですが、NextVRの行った調査で以下のような結果が得られたとのこと。
「視聴者は視点移動機能を提示してもあまり活用しない。そもそもどこから見れば一番試合が良く見えるかなどと考えるのはわずらわしいことである。視点がどうあれ、試合を何一つ見逃さずに見ることができればそれで十分満足できる」
視聴に際しては初回の放送のみ無料、それ以降の試合を見る場合は、「NBAリーグパス」の取得(年間199ドル、約2万円)が必要です。
NBAのシーズンはおよそ半年。2016ー2017年シーズンはアメリカ時間10月25日に開幕を迎え、レギュラーシーズンは2017年4月12日まで。記念すべき第1回目のVR放送は例外的に火曜日ではなく10月27日(木)に行われるとのこと。
これまでのNBA×VR
NBAは2015年より、積極的にVR技術を活用する姿勢が見られます。2015年にもNextVRと協力し、既にバスケの試合を一度VR中継しています。(記事リンク)
またOculusのチームと協力して、NBAのスター、レブロン・ジェームズを起用した12分間の360度ドキュメンタリー動画『Striving for Greatness : An UNINTERRUPTED Original』の制作も行いました(記事リンク)。また、今年2016年の9月に再びOculusチームと協力し、25分に及ぶ、360度映像の中では長編に分類されるドキュメンタリー『Follow My Lead: The Story of the 2016 NBA Finals』をリリースしました。
VRスポーツ中継は、昨年から実施事例が増え続けている分野。新たなスポーツ観戦の楽しみ方として、どのような未来がやってくるのか楽しみです。
(参考)
NextVR Is Broadcasting NBA Games Live In Virtual Reality Every Tuesday – UploadVR
https://uploadvr.com/nextvr-broadcasting-nba-weekly/