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MoguraVR

VRはもはや”当たり前”になりつつある、欧米VR/ARの最新事情

2018年4月12日、渋谷ヒカリエ34階にて「行って分かった!欧米のVR/AR最新事情〜GDC・SXSWなどの現地から〜」(主催:Mogura VR)が開催されました。

世界最大のゲーム開発者会議である「GDC」、音楽・映画・インタラクティブなどを扱う世界規模の祭典「SXSW」(サウス・バイ・サウスウェスト)、そしてフランスで20年開催され続けているVRのフェスティバル「Laval Virtual」。どれも毎年3月から4月にかけて開催されています。今回はこれらのイベントに実際に参加した方々を招き、現地の雰囲気やVR/ARの最新事情について語り合いました。


登壇者のMogura VR編集長の久保田瞬(写真左)、株式会社メルカリ 研究開発組織”R4D” リサーチエンジニア の諸星一行氏(写真右)

元Oculusアジア太平洋統括の池田輝和氏。

VRが浸透、フォトリアル化への挑戦続く



毎年3月にサンフランシスコで5日間にわたって開催され、世界中のゲーム開発者が集まり、講演・セミナー・展示が行われるGDC。年々VR/ARに関する展示も増えており、PSVRの前身であるProject Morpheusや、Oculus Riftの開発者版であるDK2がお披露目となったのもこのGDCです。

今回の報告会で挙げられた話題は、大きく以下の3つです。

1.VRの「あたりまえ」化
2.グローバルはフォトリアルへの挑戦を続けている
3.VRの先、一体型デバイス

VRの「あたりまえ」化

GDC2018では、ハード・ソフトともに大きな新作発表は無かったにも関わらず、VR関係の展示の勢いはむしろ増していました。各プラットフォーマーは巨大なブースを構え、ブースを訪れたエンジニアなどに対して積極的なリクルーティングも行われていたようです。

プラットフォーマー以外でも、VRを用いた展示の数は非常に多くなっていました。登壇者の池田氏いわく、「VRはもう一般的なものとして見られている」とのこと。VRを使うことは既に「あたりまえ」という状況で、企業らはその先、VRを使って事業を打ち出すフェーズに入っていたのです。

グローバルはフォトリアルへの挑戦を続けている

次に、技術進化の方向として、欧米ではリアルなCGの実現に力が注がれていることが挙げられました。

https://www.youtube.com/watch?v=jkhBlmKtEAk
https://www.youtube.com/watch?v=J3ue35ago3Y

GPUメーカーであるNVIDIAなどは、リアルタイムレイトレーシングの技術である「NVIDIA RTX」を発表しました

https://www.youtube.com/watch?v=NW6mYurjYZ0

さらにEpic Gamesが3Lateral、Cubic Motion、Tencent、Viconと協力して開発しているリアルタイムモーションキャプチャでは、身体の動きのみならず、表情や目なども高精度に再現されています。

日本では「バーチャルYoutuber」(関連記事)など、アニメ調の表現にも人気が集まっている一方で、欧米の関心は「いかに現実らしく見えるグラフィックを追求できるか」という点に注がれている傾向があるようです。

”VRの先”とスタンドアロンデバイス

GDCで行われたVR/ARに関する展示や講演では、VR/AR技術の未来を予感させるものも多くありました。

ハンドトラッキング技術の開発などを行うLeap Motionは、2018年4月にARデバイスの開発を発表しています。Leap Motionの講演では、現実の手にCGのウェアラブルデバイスを付加する「バーチャルウェアラブル」(関連記事)について紹介されました。

一方、巨額の資金調達を行いながらも未だ開発デバイスに関する情報が少ないMagic Leapは、新情報は多くなかったもののGDCでは初となる講演を行いました(関連記事)。

そして、Googleは、Google Mapのデータを自由に使えるようにした「Google Map APIs」(関連記事)に関する講演も行っています。

一体型VRデバイス(スタンドアロンVR型デバイス)は、PCもスマホもケーブルも必要としない、2018年注目が集まっているデバイスです。GDCでは、Oculusが開発している「Oculus Go」や「Santa Cruz」の展示も行われていました。特にSanta Cruzのデモは想像以上の出来であり、開発が順調に行われていることが伺えると池和田氏。一体型のハイエンドデバイスが登場するのはそう遠い未来ではないかもしれません。

Oculus Go体験レポートはこちら、Santa Cruzの体験レポート(2017年のもの)はこちらです。

また、出展されていたデバイスの中にはアイトラッキング機能が搭載されたも見られたことから、将来のスタンドアロン型デバイスには視線追跡技術は採用される可能性が高いと久保田氏は述べました。

VR/AR展示が多くみられたSXSW

続いて諸星氏から、SXSWとLaval Virtualの報告がありました。

SXSW」(サウス・バイ・サウスウェスト)は、毎年3月にアメリカで行われる音楽・映画・インタラクティブなどの祭典。1987年から続くこのイベント、会期は一週間以上に及びます。近年ではVR/AR技術を使った展示も多く見られるようになりました。

SXSWには、日本企業の展示も見受けられます。株式会社ハシラスの「キャプテン翼VR」(画像左)、株式会社アカツキの「PONG!PONG!」(画像右)。他にもソニー株式会社の「A(i)R Hockey」など。

ペルーは国としてのVRコンテンツ出展を行なっていました(画像左)。それ以外にも、未発売の最新デバイスの展示なども多く行われています。画像右はAxonVRの開発する触覚提示デバイス「Haptx」(関連記事)です。

SXSWではデバイスやコンテンツの出展以外にも、実際に手を動かすワークショップや、知見共有などを行う講演も行われています。ただし講演はスライドを用いないパネルディスカッションの形式が多く、十分な理解をするには相応の英語力を求められるとの声も。

SXSWでは、映像系のVRコンテンツを集めた「Virtual Cinema」という一角があります。開場前から長蛇の列が出来、体験の競争率が非常に高かったとのこと。実写・CGを問わず、VRでのストーリーテリング作品の勢いは増しているようです。

 

欧州最大のVRフェスティバル・Laval Virtual

Laval Virtual」は、フランスで20年開催され続けている欧州最大のVRフェスティバル。見本市やアワードの授賞式などが行われます(関連記事)。


Laval VirtualのSIGGRAPH賞を受賞したのは、VRヘッドセットをつけたままプールに入って体験する「The Dolphin Swim Club」。また学術系の展示も含まれており、日本からは前庭電気刺激を使ったデモ(関連記事)などが展示されていました。

大きな企業向けブースや、BtoBの製品展示も。

空中立体ディスプレイや、中国企業による大型の筐体を使った展示なども行われました。

「ART/VR」と題された一角には、VRを使ったアート作品も見られました。温度を感知する壁を使って、手で触れた部分の向こう側だけが見えるようになる体験(画像左)や、絵画の中に入り込んで描かれているものに触れるVR体験(画像右)などが展示されています。

パネルディスカッション

今回の報告会では、来場者から質問を募り、パネルディスカッションで取り入れる時間が設けられました。それぞれの質問と応答を紹介します。

Q. 欧米の現在のVR/AR業界は盛り上がっているのか?マネタイズできている企業はあるのか?

最初の質問は、ビジネス的な視点から。これに対して池田氏は「盛り上がるというより、VRは一般化が進んでおり、VRを使っているのが当たり前になりつつある」と答えます。ただ一方で、資金調達を成功させている企業は多いものの、きちんとサービスで利益をあげている企業はまだそう多くはないとのこと。

久保田氏は、Oculusのブースに並ぶ人の列の長さについて触れました。以前のOculusのブースの周りには、何周も囲むように長蛇の列ができていました。しかしGDC2018では、未発売のスタンドアロン型デバイス「Oculus Go」の体験展示などがあったものの、数十人の待機列で抑えられており、「VRだから新しい・珍しいというフェーズは完全に過ぎ去っていると感じられた、とのこと。

Q. ズバリ、欧米のVR/AR業界における現在のトレンドは?日本のプレイヤーにもできることは何か?

この質問に対して諸星氏は、「AR技術の発展・普及速度は目覚ましい。VRより先に、ARの波が来るかもしれない」とトレンドについて述べ、「日本は独自のIP(知的財産権)や文化を持っているため、それを活かして行くと良いだろう」と語りました。

池田氏は「GoogleやAppleはAR側からMRへ、FacebookやMicrosoftはVR側からMRへ向かっていると感じる」と言います。またVRChat(関連記事)をはじめとしたソーシャルVRコンテンツの盛り上がりについても言及しました。池田氏の日本勢へのアドバイスとしては「日本国内に限ったコンテンツが多いが、それをうまくグローバル化していくのが大切かもしれない」とのこと。

久保田氏はスタンドアロン型デバイスの体験を通じて得た感想を語りました。それはOculusのブースで体験した「カタンVR」(ボードゲームのカタンをVRヘッドセットを使って遊ぶもの)です(体験レポ)。

かつてはPCをつけ、センサのセットアップをして……と手間の多かったVRヘッドセットですが、スタンドアロン型デバイスでは体験までの時間が非常に短く、VR体験のハードルが低くなっているのを感じたそう。この技術が進化してゆけば、「ボードゲームをわざわざVRでやらなくても……」といった現在の声が、やがて「ボードゲームをわざわざ現実でやらなくても……」となる日が来るかもしれない、と久保田氏。テーブルに駒を並べたり、部屋に友達を呼んだりする手間が省け、却ってVRでやる方が楽になる日もそう遠くないだろうと言います。

Q. 池田さん、VRHMDをリリースするメーカーが増えて来ましたがOculusの差別化ポイントはなんだと思いますか?

これに対して池田氏は、まず「日本のメディアでは『各社のハードウェアがシェアを争って戦っている』と言ったニュアンスで報じられることが多いですが、海外の企業の間では自社デバイスのマーケットシェアはあまり問題になっていません」と回答。

続けて「Facebookの開発しているソーシャルVRコンテンツ『Facebook Spaces』がOculus Riftに限らないマルチプラットフォームに対応しているように、OculusにとってVR体験に用いられるヘッドセットに強いこだわりは無いことが伺えます。VRヘッドセットメーカーはむしろ、『VR技術をより広く一般ユーザに普及させるためには、どのようなハードウェアを出す必要があるか』と発想しています」と述べました。

このように海外では、企業の垣根を超えて、VR技術を盛り上げていこうという風潮が見られるようです。

Q. VR展示数の分母が増えていた今回を踏まえて、VR業界全体として今後はどうなって行くと思ったか?

GDCやSXSWなどはゲームや音楽・映画など特定の分野に関するイベントであり、これらの様子からVR業界全体を語ることは難しいことに注意しながらも、久保田氏は「GDCにおける『新しい技術が登場してくるスピード』はこれまでと変わることなく目覚ましいものがあり、今後もVR技術の発展は続くだろう」と語りました。

一方で池田氏は、「VR業界という言い方が変わってくるだろう」と述べました。これはVR技術が普及していくことで、VRを扱う特定の業界が存在するのではなく、様々な業界にVRがツールとして当たり前に取り入れられる状態が来る、という意味です。各業界が当然のものとしてVRを扱い、自分たちの分野ではどのような体験が生み出せるかを考える時代が来る、池田氏はそう予想していました。

今回の報告会全体を通じて、VR技術はどんどん「透明」になってゆき、様々な場面で当たり前にツールとして取り入れられるようになっている傾向が感じられました。VR元年と各種メディアが取り上げた2016年から2年。VR技術は目覚ましい勢いで発展・普及を遂げているようです。

この記事を書いた人

ゆうのLv3

東京大学工学部,UT-virtual所属.趣味は音楽(作詞作曲編曲)や物語の創作.ストーリーテリングや人間の振る舞いを変化させるための強力なツールとしてVRに強く惹かれています.境界が曖昧なものと予測不可能なもの,そしてvirtualという概念が好きです。

Twitter:@yunoLv3

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