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『カタンVR』に感じた ボードゲームがVRで現実より手軽で面白くなる可能性

3月19日からサンフランシスコで開催されたGDC2018にて、Oculusは新作のVRゲームを展示しました。筆者が体験した中でも際立って印象に残ったのがGDC2018と合わせて配信が開始された『Catan VR』(カタンVR)です。

『Catan』(国内名称『カタンの開拓者たち』通称カタン)は1995年にドイツで発売されて以来、世界で最も遊ばれている名作ボードゲームの一つ。『カタンVR』はその名の通り、カタンをVR空間でプレイできるVRボードゲームです。ゲームのルールなどに変更はなく、ただVRでカタンを4人対戦するというもの。PC向けのOculus Rift、スマホ向けのGear VR、そして2018年上旬に発売されるOculus Goに対応し、デバイスをまたいだ全てのユーザーとのクロスプレイが可能です。

https://www.youtube.com/watch?v=mmwYvMzRb3g

一見、「移植しただけ」と思いがちですが、筆者はそこにVRとボードゲームの一つの可能性を感じました。

カタンのプレイを忠実に、そして簡単に

カタンは、机上に置いた無人島のボードが舞台。プレイヤーは入植者となりこの縞を開拓していき、もっとも繁栄したプレイヤーが勝利するゲームです。島は全て六角形のマスに分かれており、資源を手に入れ、その資源を元に道や建物を立てたりしながら繁栄を築いていきます。

『カタンVR』では、現実のカタンのプレイを忠実に再現しています。VRヘッドセットを被り、4人のプレイヤーがマッチングしたらゲームがスタートします。各プレイヤーのアバターが表示され、机に乗ったボードを囲んでいます。

ボードゲームの卓を囲んでいるのと全く同じように遊ぶことができます。手持ちのカードは右手前に表示されており、操作は手に持ったコントローラーで表示されるコマンドで資源管理や他プレイヤーとのトレード、建造を行っていきます。

Oculus RiftではハンドコントローラーTouchを使って、実際に手を伸ばしてカードを選択することができますが、Gear VR・Oculus Goでの基本動作は全てレーザーポインターで対象を選択していきます。

原作を忠実に再現するだけでなく、資源の配分や建造など実際のボードゲームでプレイするときにはやや煩雑になる部分はデジタルになることでかなりお手軽になっています。

アバターが示す「人っぽさ」

VRならではの要素としては、実際にVR内でボードを見ているので、現実でプレイしているのと同じような実在感があることに加え、アバターの存在があります。

『カタンVR』では、対戦相手が実際に見えており、頭の動きや声に合わせての口の動き、手の動き(Gear VR・Oculus Goでは擬似的な動き)など人らしさを感じられるアバターになっています。

全身ではないですし、表情は変わらないため擬似的ですが、ボードゲームの大事な要素である「人と遊ぶ面白さ」がある程度再現されています。

オンラインが解決する「一緒に遊ぶ人」問題

ボードゲームは一時期日本でもブームになりましたが、やりたいときにすぐできるものではありません。複数人でプレイするものが多く、人が集まらないと十分楽しめないばかりか、自分ひとりではプレイできません。

オンラインマッチングでは、この問題が直ぐに解決されます。その上、VRでは、PCやスマートフォン、タブレットなどでプレイするのと違い、より実際にプレイしている状況に近くなります。これまでのボードゲームのデジタル移植とは一線を画していると感じました。

一体型VRデバイスと組み合わさることで実現する手軽さ

『カタンVR』をプレイするときに最も本領を発揮するデバイスは何か、と訊かれたら筆者は一体型VRヘッドセットOculus Goと答えるでしょう。一体型VRヘッドセットはスマートフォンやPCを使うことなく、電源をONにして被るだけでVR体験がスタートします。

http://www.moguravr.com/oculus-go-8/

一体型VRヘッドセットとVR版の組み合わせは、スマートフォンを手にとって電源をONにするのと同じ手軽さでアプリの起動まで到達するため、「ちょっとやろうかな」という時にもサッと始めることができます。そして対戦相手はオンラインでマッチングできるので、プレイするためにあらかじめ知人を集める必要もありません。

『カタンVR』はオリジナルのカタンと同程度の面白さをVRで実現し、さらに手軽に4人対戦が楽しめるようになったバージョンと言えるでしょう。同程度の面白さを実現するために限られた解像度の中で、ユーザーインターフェースなどをかなり工夫している形跡がありました。それでも実際に体験するとまだ解像度はもう少し高いと理想的かもしれません。

PCやスマートフォンのゲームで麻雀やトランプなどのアナログゲームの移植が根強い人気を誇っていますが、他のプレイヤーの様子は分からず操作も非常に単調なものです。すでに海外ではポーカーのVRゲームが人気を集めています。一体型VRヘッドセットは様々なアナログのゲームのVR化していくきっかけになるかもしれません。

Catan VR(Oculus Rift版)
Catan VR(Gear VR版)

http://www.moguravr.com/poker-vr/

この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。

Twitter:@tyranusii

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