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【体験レポ】手軽で高品質、しかも199ドル 衝撃のVRデバイスOculus Go

ちょっといいVR体験をするなら専用のスマートフォンとヘッドセット、もしくはゲーミングPCとVRヘッドセットが必要、という時代は2018年で終わりを迎えそうです。

Oculusは2018年上旬にスマートフォンもPCも使わない、一体型VRヘッドセットOculus Goを発売します。2017年10月の発表以来、限られた開発者にのみ提供されていましたが、サンフランシスコで開催中のGDC2018で改めてお披露目となり、ブースでは大々的に体験コーナーが設けられました。

性能面や装着感はこれまで体験してきたVRヘッドセットの多くを凌駕しながら、199ドル(日本円にして約2万円強)という価格には驚かされました。

本記事はOculus Goの体験レポートとなります。

全てが詰まった軽量、小型なVRヘッドセット



まず体験して驚くのはその手軽さ。スマートフォンを使うGear VRなどの場合、体験するためにはスマホをヘッドセットに装着する必要があります。PC向けのOculus Riftなどの場合はPCとヘッドセットを接続し、デバイスによっては外部センサーを設置しなければなりません。

Oculus Goは、本体とコントローラーの2つだけで動作します。スマートフォンやPCなどの外部機器は一切使用しません。電源ボタンを押して装着すると、すぐにVR体験が始まりました。電源OFFの状態から起動する様子は確認できませんでしたが、スリープから起動までは一瞬です。

さらに、Oculus GoはかぶるだけでVR体験が可能です。「VRをやろう」と思ってから目当てのコンテンツをスタートするまでの時間は大幅に短縮されています。スマートフォン向けのGear VRと比べても半分以下、PCやPS4と接続するものと比べると雲泥の差という印象を受けました。

オーディオ機器も側面のバンドに統合されているため、イヤホンやヘッドホンをつける手間もありません。日常的にVR体験をしている人はご存知かと思いますが、イヤホンやヘッドホンはVRヘッドセットを被った後につけることになります。前が見えない状態で左と右を覚えておいて、耳にとりつける……さりげない挙動ですが、一手間かかる工程でした。

Oculus Goには、あらゆる手間を削減するためのこだわりが随所に見られました。

そして、Oculus Goは全体が非常に軽く作られています。前面のディスプレイ部分はバッテリーが内蔵されているにも関わらず、驚くほどの軽さでした。スマートフォンを差し込むタイプのDaydream View(スマートフォン装着後)と比べても、装着感は軽い印象です。

PlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)の登場以降、VRヘッドセットの頭への固定方法は、ダイヤルを回して締めていくタイプが主流になりつつありました。一方、Oculus Goではゴムバンドを採用しています。筆者は問題なく固定できました。Oculus Riftの頃から重心バランスにも配慮しているOculusらしく、重心も安定しています。

メガネをかけている場合、Oculus Riftではやや窮屈に感じることが多く、押し込んでなんとか被ることができる程度でした。しかしOculus Goでは何の違和感もなくすっぽりと被ることができました。

Oculus Riftとの共通点として、鼻が高い欧米人向けに設計されているのか「鼻の低い人が装着すると隙間が空いてしまう」という現象は相変わらず生じてしまいました。また、個人差の激しいIPD(瞳孔間距離)調整機構はないため、人によっては違和感が生じるかもしれません。

※実機をさらに確認したところ、Oculus Goの設定画面からもIPDの変更は確認できませんでした。

「体感」はミドルレンジのGear VRに並ぶ

VRヘッドセットを語る時に忘れてはならないのが「性能」です。いくら手軽だからといっても、性能が低ければ没入感は薄れてしまい、VR体験の質は下がります。

どんなスマートフォンでも体験できるVRゴーグルは、手持ちのスマートフォンで体験できるという手軽さと引き換えに、頭を動かした時に残像やラグが生じるため没入感を得にくい、というトレードオフが生じています。

Oculus GoはVRの品質にこだわるOculusが作ったデバイスなだけに、妥協のないクオリティでした。

筆者がOculus Goで体験したのはシューティングゲーム『Anshar Online』、『They Suspect Nothing』、そして『Catan VR』の3つです。

https://www.youtube.com/watch?v=fP8N_tY6SfE https://www.youtube.com/watch?v=SPVLTnDuS4w https://www.youtube.com/watch?v=mmwYvMzRb3g

両目で2560×1440の解像度を誇るディスプレイはきめ細やかで、液晶ながら他の有機ELを使ったVRヘッドセットとも遜色のない画質でした。目をこらすとピクセルの格子(網目模様)が確認できる、いわゆる「スクリーンドアエフェクト」が生じますが、意識しないとあまり気になりません。一方、遠景の小型な物をみるときは粗さが気になるかもしれません。また、レンズに光が反射して生じる「ゴッドレイ」も気になりませんでした。

使用しているプロセッサはクァルコムの「Snapdragon821」。最新型と比べると1世代前(2016年)のモデルです。1世代前のものとはいえ、映像の質は最新型のプロセッサを搭載したスマートフォンで体験するGear VRやDaydream Viewでの体験を上回っているように感じられました。リフレッシュレートは60Hzと72Hzに対応しています。

Oculusはこの驚異的なパフォーマンスの秘密をGDC2018の講演で明らかにしています。曰く、視点の中心部分を高解像度で描画する技術により実現しているとのこと。ハードの限界をソフトウェア技術で乗り越えてきたOculusらしいアプローチが感じられます。

内蔵されているオーディオは普通の音質で、可もなく不可もない程度。立体音響は問題なく聴こえました。VRで会話をするコミュニケーションは試せなかったため、マイクと声の聞こえ方は気になるところです。

199ドルという価格と手軽さに振り切った設計

Oculus Goで最も特徴的なのは199ドルという価格です。

手軽さと性能の部分ではGear VRやDaydream ViewといったこれまでのVRヘッドセットとの比較を述べてきました。Gear VRやDyadream Viewはいわゆるミドルレンジ、ハイエンドとローエンドの中間程度の性能を持っています。

これらのヘッドセットと比較すると、Oculus GoはミドルレンジのVRヘッドセットよりも手間は圧倒的にかからず、装着感が良好で、性能はほぼ同等、そして価格は……圧倒的に安いという比較結果になります。

対応するスマートフォンを持っていない場合、スマートフォンとVRヘッドセットを購入しなければならなかったミドルレンジのものと比べて、Oculus GoでVRを体験するために必要なコストは数分の一です。

Oculus Goの199ドルという価格設定には、VRの普及を掲げるOculusとFacebookの並々ならぬこだわりが感じられます。

価格設定にこだわる背景

2016年、OculusはPC向けのOculus Riftの価格を、当初約束していた350ドル前後の1.7倍ほどとなる599ドル(日本では送料込で10万円弱)と発表しました。この価格に対しては国内外から「高い」との声が相次いでいました。

その後、ハンドコントローラーのTouchと同梱版のセットは値下げを続け、ようやく現在は399ドルで購入ができ、利用者が増えていることを示唆する統計データも出ています。

失敗とも考えられるOculus Riftの価格設定を意識しているのか、Oculus Goは設計段階から「199ドルを厳守する」固い方針があったのではないかと考えられます。OculusのCTOであるジョン・カーマック氏は「199ドルは『購入してもいい』と消費者が考える一つの境界線」だと語っており、199ドルという数字への強いこだわりが見られます。



199ドルという低価格を設定しながら、Gear VR相当の上質なVR体験を実現し、さらに一体型という手軽さを実現する、そのこだわりは本記事で述べてきたように、Oculus Goの随所から感じられるものでした。

Oculus RiftやHTC Viveで実現している位置トラッキングやハンドトラッキングは実装されていませんが、199ドルという価格設定を意識して、エントリーレベルのOucus Goからは切り捨てたと考えられます。Oculus Goでは、Gear VRと同様に頭を回すヘッドトラッキングのみが可能。他にコントローラーを使ってレーザーポインターを動かす・トリガーを引く、などの操作しかできないようになっています。

Oculusでは別途「Santa Cruz(※開発コード)」という名前の一体型VRヘッドセットを開発しています。位置トラッキングとハンドトラッキングはSanta Cruzにて実現しており、Oculus Goは文字通りのエントリーモデルとなっています。

 

Gear VR

Oculus Go

Santa Cruz

Oculus Rift

形式

スマホ装着型

一体型

一体型

PC接続型

位置トラッキング

なし

なし

あり

あり

外部センサー

なし

なし

なし

あり

ハンドコントローラー

3DoF(方向のみ)

3DoF(方向のみ)

6DoF(自由に動かせる)

6DoF(自由に動かせる)

最後に、コンテンツについて触れておきましょう。Oculus Goでは、Gear VR向けにリリースされているコンテンツを遊ぶことができます。新しいVRデバイスが登場するとコンテンツ不足が顕著になりがちですが、Oculus Goについては最初から1,000以上のコンテツをダウンロードできます。

その中には『Netflix VR』、『Minecraft Gear VR Edition』などの人気タイトルも含まれています。『Netflix VR』と『Minecraft Gear VR Edition』は、アメリカの消費者調査では全VRコンテンツの中で最も遊ばれているとされるタイトルです。

多くの要素を割り切って削り、199ドルという圧倒的な低価格と、一体型という圧倒的な手軽さをウリに世に送り出されるOculus Go。「手軽にVR体験をしたい」という時に、オススメする有力候補になりそうなデバイスです。

2018/3/23 11:50 IPDに関する補足を追記しました。

この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。

Twitter:@tyranusii

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