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これで分かる!VR、AR、MRの違いとは?具体例で解説

AR、VR、MR……といった「○○現実(感)」と訳されることが多い3つの言葉。これらは最近、「XR(X-Reality)」と総称されています。

しかし上に挙げた「XR」3つはすぐに区別がつきにくく、ふとした時に「これってARだっけ? VRだっけ?」と疑問を持ってしまうことも。

そこで今回は「XR」から、「VR」「AR」「MR」について、それぞれ個別にご紹介。具体的な事例や主要なデバイス・企業まで挙げつつ、紹介していきます。

目次

1.VR(Virtual Reality)
2.AR(Augmented Reality)
3.MR(Mixed Reality)
4.その他のXR
5.XRは将来どうなる?

VR(Virtual Reality)


まずはじめに紹介するのは「VR(Virtual Reality/ヴァーチャルリアリティ)」。ひとくちで言うのであれば、「物理的には存在しないものを、感覚的には本物と同等の本質を感じさせる技術」のことを指します。[1]

VRは「仮想現実(感)」と訳されることが多いのですが、より厳密な話をしていくと「バーチャル」は「仮想」という日本語にはあたらないため、「仮想現実」ではなく「人工現実」や「実質的な現実」あたりが訳として適当である……という話があります。(詳細は参考リンク・用語集から)

VRの例を挙げましょう。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着して、日本の東京にあるオフィスから、南国ハワイのビーチの映像を眺めているとします。

ディスプレイに映し出されているのは数々の観光客たちで賑わう浜辺、ヘッドホンから聞こえるのは心地よい波音や鳥たちの声……といったところですが、実際のハワイははるか遠くにあり、それを見ている筆者の周辺には物理的に存在していません。
しかし、VRHMDとヘッドホンを通して得られる「音」や「風景」からは「そこにハワイのビーチがある」と感じることができます。もちろんこれは現実世界に存在しない風景でもかまいません。

https://www.youtube.com/watch?v=Mt4tyt72ZOc

このように、VRは「いま、物理的には本来そこに無い現象や空間、モノ」が「本物であると同等であると感じさせる」技術のことを指します。


こうしたVRを体験するためのデバイスとして、ハイエンド向けのものではOculus RiftHTC Vive、そしてPlayStation 4と接続して使用するPlayStation VR(PSVR)が発売されています。
また、スマートフォン向けのものとしてはサムスンのGalaxy 8を利用したGear VRや、スマートフォンを装着してVR体験ができるVRゴーグル等が販売されています。

(参考リンク)
・VRのキラーアプリは何か? Vive中国プレジデントが挙げた4つの可能性
・PSVRの相次ぐ新作タイトル発表、これからの展開は? SIE吉田修平氏に聞いた
・Mogura VR 用語集 – VR

[1]CEDEC2016 筑波大学 岩田洋夫氏による講演

「VRはどこから来てどこへ行くのか?」より引用

AR(Augmented Reality)


続けて「AR(Augmented Reality/オーグメンテッド・リアリティ)」。頻繁に見る事例としては「現実の上にデジタルな情報を表示する」ものでしょう。2016年にリリースされた『ポケモンGO』等はこのARを一部機能で使用しています。


こちらもVRと同じように例を挙げて説明しましょう。スマートフォンでARアプリを起動し、その画面上で椅子やベッドといった家具を表示。実際の部屋に重ねてみて、部屋の間取りや広さを確認しつつどの家具を買うか考える……といった様子を想像してみてください。

そのとき、家具は「いま、そこ」には存在していませんが、その家具を置くという操作や投影の対象となる「部屋」はきちんと存在しています上記の通り、現実の空間(この場合は部屋)をベースとして、その上に情報が載るという形を取っています。「拡張現実」と訳されることが多いのはこのような性質ゆえでしょう。

これらのARを使用するデバイスとして、最も一般的に普及しているものはスマートフォンです。他にもメガネ型のARデバイス(ARグラス)や、マイクロソフトのHoloLens(ホロレンズ)のようなARHMDが存在します。

また、ARの分野では、AppleがiOSのAR機能への対応を発表しており、開発キットとして「ARKit」を提供しています。さらに2017年8月末には、GoogleもフレームワークとしてARCoreを発表し、iOS(iPhone)とAndroidの双方でARへの本格的な対応が行われています。

(参考記事・リンク)
・iPhone/iPadで使えるようになるAR機能でできること
・スマホをかざし家具を試し置きして購入 イケアとアップルがARアプリ共同開発
・Mogura VR 用語集 – AR(拡張現実感)

MR(Mixed Reality)

そして最後に「MR(Mixed Reality)」。VRやARに比べてかなり広い範囲を包含するものとなっています。ひとくちにまとめてしまうと、「現実世界とバーチャル世界を融合する」という概念です。

https://www.youtube.com/watch?v=6FIUKq7GdRA

MRの概念を使ったMRデバイスを推し進めているのがマイクロソフト社です。マイクロソフトは「HoloLens(ホロレンズ)」を含む、いろいろなユーザーインターフェースを「Windows Mixed Reality」と呼称しています。Windows Mixed Realityには、現実にCGを投影するHoloLensのようなデバイスもあれば、バーチャルな世界を体験するVRヘッドマウントディスプレイ型のデバイスも含まれます。

したがって、MRはARなどの非常に広い範囲を包摂するものなので、厳密にはVRやARと並列の概念ではなく、もう一段階上の概念となります

(参考記事・リンク)
・「MR(複合現実)とは?」2分で解説したアニメをマイクロソフトが公開
・マイクロソフト「MRヘッドセット」徹底解説
・Mogura VR 用語集 – MR(複合現実感)

その他のXR

他にもXRと呼称される考え方には、SR(代替現実/Substitutional Reality)とAVR(拡張VR/Augmented Virtual Reality)などさまざまな概念があります。

SR(Substitutional Reality)

「SR(Substitutional Reality/サブスティテュートナル・リアリティ)」。こちらは「代替現実」として訳されます。下記の日本の理化学研究所の動画で詳しく説明されています。

https://www.youtube.com/watch?v=wGE-Y7ROduk

上の動画では、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に、リアルタイムの映像と過去の映像を融合させて表示しています。そのため「実際にはいないはずの人物(=過去の映像に写っている人物)が、リアルタイム映像の中に表示されている」、という状況となっています。そして、映像だけではなく、音声なども併用することで、より「現実感」は増し、装着者はそれが現実なのか過去なのか、区別がつかない状態になります。
このように「現実」をあらかじめ用意していたものに差し替える仕組み[2]を「代替現実(SR)技術」と呼びます。

AVR(Augmented Virtual Reality)

近年徐々に使われてきている概念として、「AVR(Augmented Virtual Reality/オーグメンテッド・ヴァーチャル・リアリティ)」と呼ばれるものがあります。訳すのであれば「拡張VR」といったところでしょうか。「Augmented VR」と呼ばれることもあります。

『バーチャルリアリティ学』によれば、AVRとは「現実の物や人や環境を実時間(リアルタイム)でモデル化してVR環境に統合することで、インタラクションを可能にする」ことを指しています。

上掲画像のように、左の一般的な室内をCG技術などで右画像のような環境に再構築し、かつその中の物や人が相互に干渉・影響を与え合う状態になります。

Oculusのチーフサイエンティスト、マイケル・エイブラッシュ氏は、「視界の全てのピクセルを自由に操作し、バーチャルなものを現実へ、逆に現実のものをバーチャル空間へ、自由に行き来させる。そして単にものが見えたり消えたりするだけでなく、表面色や質感など、目に見えるすべてを自在に操れる」として、拡張VRの重要性を説明しています。

(参考リンク)
・用語集 -Augmented VR(拡張VR)

[2]理化学研究所

「代替現実(Substitutional Reality: SR)システム」より引用

XRは将来どうなる?


Oculus社を買収したフェイスブック社のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏によれば、VRはソーシャル・プラットフォームになり、現実では遠くにいる人々も、VRでは同じ体験を共有できるというこれまでにないプラットフォームになると主張しています。また、今後の10年でVRHMDの大きさはどんどん小さくなり、最終的には眼鏡型の形状になること、そしてVRとARを切り替えられるようなものになるというビジョンを示しています。

(参考記事)
・眼鏡型、VR/AR切り替え。ザッカーバーグ、今後10年間のロードマップの中でVR/ARの展望を語る

これはOculus社のマイケル・エイブラッシュ氏の見解と一致しています。また、現在はVRとARといった形で区別がされていますが、将来的にはVRとARは融合し、ここまで解説してきた概念の中では「MR」や「AVR」に近づいてゆくことが予想されています。

また、マイクロソフト社は既にMRを推し進めており、ARが可能なMRデバイスHoloLensを展開、2017年末にはVR体験が可能な没入型MRヘッドセットを発売します。

これらのデバイスはすべて、Windows Mixed Realityといったプラットフォームで統一されており、HoloLensでもMRヘッドセットでも共通のプラットフォームとなります。こうしたプラットフォームから、マイクロソフトはすでにARやVRを個別に見るのではなく、MRという統合されたプラットフォームを意識しています。

この記事を書いた人

水原由紀

あちらとこちらを往復する。某ゲーム系の制作会社でプランナー・進行管理・その他もろもろを経てMoguraに合流。現在は記事執筆や編集、取材などを担当。デジタルゲームやVR/AR/MRにおける物語体験や、フィクション/プレゼンスのありかたに興味。ゲーミングコミュニティ「ポ」の管理者のひとり、という側面も。 Twitter:@mizuharayuki

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