フェイスブックCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は同社の開発者会議F8の基調講演で今後10年間のロードマップを語りました。その中で、最後に位置しているものとしてVR/ARに関しての同社の将来が語られています。
SNSとして成長を続けてきたフェイスブックの今後の方向性を示すキャッチコピーとして「Give everyone the power to share anything with anyone.」(仮訳:すべての人が、誰とでもあらゆることを共有できるようにする)という言葉を掲げ、今後のロードマップを示しました。
10年のロードマップの中で5~10年先に向けた技術分野として、コネクティビティ、AIと並び「最後の一つ」としてVR/ARを挙げています。
フェイスブックは2014年にOculus社を20億ドルで買収。その後Oculusはサムスンと共同開発したモバイル向けVRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)Gear VRを2015年11月末に発売、PC向けVRHMDであるOculus Riftを2016年3月末より出荷開始しています。
ザッカーバーグ氏は、Gear VRで360度動画の再生時間が200万時間を超えていることを紹介、Oculus Riftの出荷によりリビングルームで高品質なVRが体験できるようになったこと、2016年中に発売されるTouchコントローラーによりさらに没入感の高いVR体験が可能になることに言及しました。
そして、VRがソーシャル・プラットフォームになり、現実には離れている人々がVRでは同じ体験を共有できるこれまでにないプラットフォームになると主張。今後10年間でVRHMDの大きさはどんどん小さくなり、最終的には眼鏡型の形状になること、そしてVRとARを切り替えられるようなものになるというビジョンを示しました。これまではテレビのような物理的なモニターで見ていることが、1ドルのARアプリを使って見れるようになるかもしれない、と言及し基調講演を締めくくりました。
この今後10年間でVRデバイスが眼鏡型になりVRとARが切り替えられるようになるというビジョンは、Oculusの研究部門を率いているマイケル・アブラッシュ氏が語るOculusのビジョンと一致しているものです。
最後に、VRを体験してほしいということでF8の参加者全員にGear VRとGalaxyのスマートフォンが配布されることが発表されています。
ザッカーバーグ氏の基調講演全編はこちらから見ることが可能です。
(関連記事)
サムスン、小型360度カメラGear 360を発表。Facebookのザッカーバーグ氏も登壇