※本記事は2016年に執筆されたものであり、内容が古くなっています。「HoloLens」に関する最新記事はこちらから。
マイクロソフト社が3月に発送を開始した開発者版の「HoloLens」。
この記事では「HoloLens」の特徴、値段や購入方法、販売の展望などをお伝えしたいと思います。
(マイクロソフト社 公式サイトより)
HoloLensとは何か
「HoloLens」はワイヤレスで頭につけるタイプのホログラフィックコンピューティングです。
自分がその場にいながらバーチャルな空間と融合した世界が体験できます。
例えると、スマートフォンなどの画面を通してでないと見えなかったものが、わざわざ取り出さなくともジェスチャーや音声で呼び出してそのまま目の前に浮かんでいるような世界です。
マイクロソフト社のOS、Windows10が搭載されており、インターネットやいくつものアプリケーションが操作可能です。
「HoloLens」のすごさってなに?
自分がその場にいながらバーチャルな空間と融合した世界が体験できます。
1つ目が、周りの壁や障害物、床を読み取って、認識する事です。例えばゲームを始めると、現実世界に机があればその上にゲーム内の物体が落ちたり、床を歩いたりするのです。
2つ目が、表示されるものの実在感、文字の可読性です。
一般的なVRのHMD(頭につけるタイプのディスプレイ)「GearVR」では部屋の端にあるようなポスターの細かい文字などはあまり読みにくい、と思うことがあるのですが、「HoloLens」では読めない、と意識をすることもなくそこにあるものとして読むことができました。
では「HoloLens」では具体的に何ができるのか、まとめてみました。
様々なアプリケーションに対応
Windows Storeよりインストールが可能になっています。何百ものUWPアプリ(注1)が「HoloLens」に対応しています。その中で一部をご紹介します。
・Microsoft Edge:インターネットブラウザ。YouTubeやTwitterも見ることができます。
・Skype:話すのはもちろん、相手がさっと描いた図がホログラムで目の前に現れます。
・HoloStudio:3Dビルドアプリ・プリセットのモデルがあり、配置、色変えなどができます。
・Actiongram Beta:ホログラムで動く3Dモデルを再生させたり、動画で撮れるアプリです。
・RoboRaid:1人称視点のシューティングゲーム。エイリアンが襲ってきます。
(注1)Universal Windows Platform (UWP) アプリとはユーザーがWindows 10 デバイス (PC、タブレット、電話など)のどのデバイスでも利用可能にする、という考えのもと作られたアプリのことです。
操作はジェスチャーと視線、音声
通常のデスクトップPCであれば、マウスとキーボードで操作をしますが、「HoloLens」ではジェスチャーと視線、音声を使って操作ができます。
※5月のアップデートでBluetoothの入力もサポートされています。
ジェスチャー
ジェスチャーは手の位置は反映されません。認識の範囲内であれば、どこで動かしても同インプットになります。
・Bloom(ブルーム):手のひらを上にして握り、パッと花を咲かせるように、手を開く動作
スタートメニューが開きます。(開き方が手前から滑り出てくるので気持ちがいいです)
・Air Tap(エアタップ):人差し指を立てて、まっすぐ下に折るように倒す動作
マウスでいうところのクリックです。空間に浮いているウインドウを見ながらTapをすると選択します。
・Tap and Hold(タップアンドホールド):Air Tapをしてから、人差し指と親指でつまむような動作
マウスでいうところのドラッグやスクロールです。空間に浮いている対象物(アイコンやウインドウ等)を自由に掴んで移動させることができます。
またTwitterなどのタイムラインを掴んで上下させるとスクロールができます。
(Youtube:チャンネル Microsoft HoloLens/ 動画 Microsoft HoloLens: Gesture Input より)
音声はWindows10でおなじみの『Cortana』で操作できる
ただし現在対応しているのは英語のみです。ネイティブな発音に自信がある方はお試しください。
ボイスコマンド一覧 マイクロソフト「HoloLens」公式サイト -(英語)
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12630/hololens-cortana-on-hololens
値段と購入方法
現在マイクロソフトが提供している開発者版の値段は3,000ドルで、いくつかの前提条件を満たさないと購入ができないようです。
・アメリカかカナダの開発者が最初に購入可能。
・Windows insiderであること。またWinows inside programに参加すること。
・開発者版ハードウェアとアプリは英語のみ対応である事。
筆者も実際試してみましたが、Windows inside programに登録していても、日本で登録しているからか「登録されていません」と出てしまい入手が困難となっています。
今後の販売展開
先日、マイクロソフト社から「Windows Hologlaphic」をパートナー企業へ公開することが発表されました。これにより、今後マイクロソフト社だけでなく様々な企業の作るHoloLensのようなデバイスの販売が予想されます。
名前の上がった企業はいずれも海外企業であり、日本の会社はありません。
発表された企業名一覧
Intel, AMD, Qualcomm, HTC, Acer, ASUS, CyberPowerPC, Dell, Falcon Northwest, HP, iBuyPower, Lenovo, MSI
日本での発売がまちどおしいデバイスです。
マイクロソフト「HoloLens」公式サイト -(英語)
https://www.microsoft.com/microsoft-hololens/en-us
(関連イベント)
Tokyo VR Meetup #06 E3報告会 & ここがスゴいよHoloLens
http://peatix.com/event/173101