Valveのゲーム配信プラットフォームSteamは毎月ハードウェア利用状況調査を行っています。2019年9月の調査結果では、OculusシリーズがPC向けVRヘッドセットのシェア率50%を越えました。
Oculusのシェア率が50%を越えたことは過去に二度あります。一度目は2016年、HTC VIVEの初期モデル発売前。二度目は2017年、VIVE ProとWindows Mix Reality(以下Windows MR)の登場前、Oculus Riftが399ドルに値下げされた直後です。
Oculus Rift Sの売れ行きに合わせて使用率も上昇
前回8月の調査で10.85%だったOculus Rift S(以下Rift S)の使用率は、ハードの売れ行きとともに13.03%まで上昇しました。
Rift Sは2019年5月に発売されたOculus Riftの後継モデルで、トラッキング方式が外部センサー方式からインサイドアウト方式に変更されたほか、ディスプレイの解像度も上がっています。
一方、Valve Index(以下Index)も3.32%から4.98%と大きく伸びています。
Indexはフルセットで999ドルと高級なVRヘッドセットですが、他のヘッドセットよりも広い視野角を持つほか、オーディオ面やコントローラーの操作性でもすぐれています(日本では未発売)。
Windows MRの使用率は続落
Rift SとIndexの使用ユーザーが続伸する一方で、Windows MR系ヘッドセットの使用率は8.24%から5.87%と、先月(9.39%→8.24%)よりさらに下落しました。この傾向はRift SとIndexの発売直後から始まっています。
米メディアUploadVRはWindows MRの後退について、ブランド力の弱さで製品性能の低さであろうと論じています。また、Indexの普及とWindows MRの後退が今のペースで進むと、両者の使用率が逆転するのも時間の問題とみています(Rift SとWindow MRの利用率は8月の時点ですでに逆転)。
VRヘッドセットを使用するSteamユーザーの割合は増加傾向
UploadVRはさらに、重要なのは相対的な市場シェアよりも、Steam全ユーザーのうちVRヘッドセットを使用する人の割合が1.04%から1.09%に増加していることに着目。PC接続でのVR利用はゆっくりとだが着実に成長中だと結論づけています。
また、この先に控えている大作VRタイトルのリリースのほか、Oculus QuestがPC接続でのVR利用に対応することで、年末近くにさらに急速な成長が見られるだろうとしています。
Steamの利用デバイス調査
Steamでは毎月ユーザーへの調査を行い、ゲームを遊んでいるPCのグラフィックボードなどのハードウェア、またOSなどのソフトウェアに関する統計を発表しています。なお調査はSteamでの利用に限るもので、かつSteamユーザーも任意で参加しています。各プラットフォームの公式ストアでの利用数も含まれていないため、市場全体のシェア率を直接推定するには不十分なことに注意が必要です。
2017年からの過去2年間の調査では、Steamで最も使用されているVRヘッドセットはOculus Rift。次いでHTC VIVE、大きく離れてWindows MR系ヘッドセットが3位という状況が続いています。
(参考)UploadVR
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。