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テック 2024.05.27

ヘッドセットがなくても”省スペースで大画面”。Brelyonの新世代ディスプレイ「Ultra Reality Mini」を体験

2024年5月14日、イベント「Well-BeingX & AgeTechX 2024 Meetup!」が開催されました。本記事では、出展スタートアップのひとつであるBrelyonのディスプレイシステム、「Ultra Reality Mini」の体験レポートをお届けします。


(Brelyonの「Ultra Reality Mini」。左手に立っているのは同社CEO、Barmak Heshmat氏。 撮影: 武者良太)

本イベントは「身体が健康というだけではなく、社会的、経済的、環境的にも健康」、いわゆる「ウェルビーイング」の実現を目指すグローバル事業共創プログラムWell-BeingXと、健康・長寿・人生100年時代の課題をテクノロジーで解決することを目標とするAgeTechXの合同開催。様々なシニアケアテックが紹介されたほか、スタートアップ15社のブースが用意され、情報交換も活発に行われていました。


(撮影: 武者良太)

14インチサイズで、40インチ相当の画面が見られる技術

Brelyonは「CES 2023」で、122インチ・8Kの曲面ディスプレイと同等の視野が得られるという、据え置きイマーシブディスプレイ「Brelyon Fusion」を発表。奥行きがあるため「小型」とはいえないものの、デスクトップに置けるサイズで広大な表示領域を実現しています。


(撮影: 武者良太)

そんなBrelyonが日本に持ってきたのは、小型版の「Ultra Reality Mini」です。専用スタンドで支えられた奥行きのある箱がディスプレイ本体で、開口部は14インチ前後とコンパクトなつくりです。


(画像: Brelyon)

実際に見てみると、ディスプレイ本体の奥1.4メートル先くらいに約40インチの表示エリアが広がっているように見えます。


(撮影: 武者良太)

人間の視野とは大きく異なる広角レンズで撮影したために、写真では開口部よりも表示エリアが狭く見えてしまうのですが、実際に体験すると「凹レンズ越しにディスプレイパネルを見ている」かのように、本来のパネルサイズよりも広く感じます。


(撮影: 武者良太)

また会場には手前側に透過ディスプレイパネルを、奥側にメインのディスプレイパネルを備えたデュアルディスプレイのプロトタイプも展示されていました。

高解像な大画面を手軽に得られる、業務向けディスプレイ

「Ultra Reality Mini」の技術的なキーポイントは、単眼でも奥行きを感じ取れるBrelyon独自のSLET(Superconic Light-field Expansion Technology)です。CEOのBarmak Heshmat氏いわく、「両目で見なければ奥行きが感じられない仕様にすると、深みの表現がなかなか作り出せないんです。片目向けに作ったことで、頭部や視点がブレたとしても見えるビジョンが変わらないというメリットもあります」とのこと。


(撮影: 武者良太)

「Ultra Reality Mini」など、Brelyonが開発している据え置きイマーシブディスプレイの実力を体験しやすいコンテンツは「映画やフライトシミュレーター」。また、トレーニング用機器のディスプレイとしても適しているそうです。Brelyonのデュアルディスプレイタイプは複数の情報を同時表示できるため、「車の運転席に備わるメーターパネルや、後部座席用のエンタメディスプレイとしての利用も想定している」とのことでした。

Brelyonのプロダクトは、「XRヘッドセットを使わなくても、没入感のあるディスプレイ作りを目指している」「小さな画面であっても、大きく感じ取れる高解像度のディスプレイ」という点が大きな特徴です。純粋にVR的な3Dモデルの表示にこだわっているわけではない、というのも重要な要素でしょう。

この「Ultra Reality Mini」の価格は1万2,000ドル(約188万円、2024年5月24日時点)であり、主に業務利用が想定されている製品です。Heshmant氏によれば、「XRヘッドセットは重くて疲れやすく、ユーザーによって異なる視度の調整も必要になるし、酔いも無視できませんでした。据え置き型、かつ大きく広い画面を見たいというユーザーの要望を受け、現在の形になりました」とのこと。お値段は張りますが、イベント展示や商業施設、デモルームなどでいかがでしょうか。


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