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メタバース最新動向 2024.05.16

360Channelの「WEBmetaverse」を体験。ブラウザとVRを自由にチェンジ、AppleのVision ProやMeta Quest 3にも対応

「メタバースプラットフォーム」というと、テキストやボイスチャットを軸とした「cluster」や「VRChat」や、ゲーム要素を重視している「Fortnite」「Roblox」といったサービスがあります。しかし、これらは主に一般消費者向けのサービス。ビジネスや展示利用を主眼に据えたサービスに目を向けると、様々な特徴を持ったメタバースプラットフォームが存在しています。

2016年に創業し、360度全天球動画やVR動画を配信してきた360ChannelのWEBmetaverseも「ビジネスや展示利用を主眼に据えたサービス」のひとつ。「Chrome」や「Edge」などの一般的なWebブラウザで体験できるため、PCでもスマートフォンでも、新規のアプリインストールやアカウント登録を必要としません。URLさえあれば、すぐにメタバース内のコンテンツを体験できる手軽さがポイントです。またブラウザベースのコンテンツとなるため、各アプリストアに登録する際の審査などが不要、という利点もあります。

この「WEBmetaverse」が、新たにAppleの「Vision Pro」や「Meta Quest 3」、そして「PICO 4」内蔵ブラウザに対応しました。これらのVR/MRデバイスで閲覧する際は、2DのWebブラウザモードからVRモードへシームレスに移行することが可能です。またジェスチャーコントロールに対応しているため、従来のコントローラーがなくても操作することができます。

パーティクル表現にも対応、ライブステージイベントも可能

今回「WEBmetaverse」のデモワールドを見た印象では、様々なスペック・画面サイズに対応するためか、見た目はごくシンプル。他のサービスと比較してもビジュアル面で突出しているとは言えません。

しかしアバターが表示できる状態であれば最大接続人数50人、大型イベントであれば1万人までのログインに対応。ジェスチャーやエモーション機能、テキストチャット、ボイスチャットでのコミュニケーションも可能となっており、コンテンツを見ながら友だちと感想を話し合う、といった使い方も可能です。


(「WEBmetaverse」のデモワールド。VRビューの場合は常に三人称視点となります。没入感を重視するのであれば一人称視点が求められますが、担当者いわく現時点では「VR酔いを防ぐため」に現在はこの仕組みになっているそうです)

「WEBmetaverse」ではライブステージも設置可能。ここでは事前録画した動画だけでなく、ライブ配信映像の表示もできるとのこと。いわゆる「パーティクル」を使った表現にも対応しており、リッチな見栄えのステージを作ることもできるようです。

VRとWebブラウザを自由に行き来できる

「WEBmetarverse」のデモワールドは一般公開中です。XRヘッドセットのブラウザを起動して、「webmetaverse」というワードで検索。「WEBmetaverse」のサイトを見つけてアクセスします(もしくは、URL欄に「https://lp.webmetaverse.jp/」と入力してもアクセスできます)。

公式サイトが表示されたら、右上にある「PLAY DEMO」に指先を合わせ、親指と人差し指でつまみます。


(撮影: 武者良太)

ニックネームを入力してアバターを選択すると、WEBmetaverseの仮想空間がXRヘッドセット純正ブラウザのウィンドウ内に表示されます。VRビューに切り替えるには、右上の「XR」ボタンを親指と人差し指でつまみます。

「ハンドトラッキング×スティック」でメタバース内を移動

VRビューに切り替わると、アバターの後ろ姿と、ジョイスティックを中心としたバーチャルコントローラーが表示されます。このバーチャルコントローラーの位置を自由に動かせるのがポイントです。

初期状態では、バーチャルスティックを操作するために手を身体の中心に寄せる必要があります。しかし、右手で操作するなら右下側、左手で操作するなら左下側にバーチャルコントローラーを移動させることで、負担を感じることなく操作できるようになります。


(スティック状のバーチャルコントローラーを操作してアバターを移動させる。操縦桿のメタファーが効いており、非常に直感的な操作が可能。これを自由に配置できるので、車の運転席のよう)


(ジョイスティックを操作する際も、親指と人差し指でつまみます。現状は握る形でのジェスチャーには対応していません。撮影: 武者良太)

メタバース内でのハンドトラッキングUIを学べるチャンスかも?

複数のXRヘッドセットに対応したコンテンツを作る場合、ハンドコントローラーが付属しない「Vision Pro」での操作方法を考慮する必要があります。「WEBmetaverse」は、バーチャルコントローラーを用いることで、ハンドトラッキングながら直感的にバーチャル空間を移動できる設計でした。

しかし、エモートの表示などはバーチャルコントローラー上のボタンをハンドトラッキングの指で押し込んでメニューを表示、そこからエモートを選択するなど、多少煩雑という印象を感じたのも事実。
ハンドトラッキングによる操作UIは、現状様々な企業や開発者が研究・開発を進めている分野ゆえ、将来的にはよりスマートな解決策が見つかるかもしれません。


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