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業界動向 2024.05.31

Magic LeapとGoogleが長期的な技術提携を発表。XRハードウェア戦略のターニングポイントとなるか

2024年5月31日、Magic LeapはGoogleとの戦略的な技術提携を発表しました。Magic Leapの光学技術やARに関する専門知識と、Googleの技術プラットフォームを組み合わせ、ARソリューションやARコンテンツの共同開発を行います。

(画像: Magic Leap)

あのMagic LeapがGoogleと協力、XRハード競争拡大か

Magic Leapは2010年、米国フロリダ州で設立。「Magic Leap 1」「Magic Leap 2」などの空間コンピューティングデバイスを開発・販売しています。これらはいわゆる「シースルー型」のデバイスであり、同社が保有する高度な光学技術を活用。さらに、独自の製造工場を南フロリダに所有するほか、メキシコのグアダラハラにも工場を有しています。


(「空間コンピューティングデバイス」であるところの「Magic Leap 2」。Magic Leapは、Appleの「Vision Pro」に先行して、自社製品アピールに「空間コンピューティング」の概念を用いてきたことでも知られている。 画像: Magic Leap)

Googleは過去にVRプラットフォーム「Daydream」やグラス型デバイス「Google Glass」の開発、また音声の自動翻訳と字幕表示機能を備えた「Project Iris」と呼ばれるグラス型デバイスの開発を行っていました。しかし「Daydream」はすでにサポートが終了したほか、後に販売が再開された「Google Glass Enterprise Edition」も2023年には販売を終了「Project iris」も中止されたとする報道がなされています。

他方、ソフトウェアやARコンテンツ開発者・クリエイター向け施策は現在も継続しています。2024年5月の開発者カンファレンス「Google I/O」では、「Google Map」でARコンテンツを見れる機能や、開発用ツール「Geospatial Creator」のアップデートなどを発表。「ARコンテンツを体験するハードル」、そして「作るためのコスト」を下げ、ARのエコシステム形成を進めています。

2024年現在、Googleはサムスンやクアルコムとの提携によるXRデバイス開発を進めているほか、「Google I/O」ではAIと連携するグラス型デバイスが公表されるなど、徐々にXRハードウェア方面への取り組みを復活させつつあるようです。

このように、過去にXRハードウェア関連戦略での迷走が見られたGoogleですが、今回のMagic Leapとのパートナーシップは大きなターニングポイントとなる可能性があります。Googleが続けているARコンテンツ開発のためのAPIや施策、位置情報ベースのサービスと、Magic Leapの光学技術を用いたデバイスが組み合わさることで、より洗練されたハードウェア、そして統合された使いやすいARサービスの登場が期待されます。

(参考)Magic Leap


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