5月15日、Googleは年次開発者会議「Google I/O」を開催しました。本イベントでは、「Google Map」でARコンテンツを見れる機能や、開発用ツール「Geospatial Creator」のアップデートなど、ARコンテンツに関連する施策が複数発表されています。
(画像: Google)
Google MapからARコンテンツを体験可能に
「Google Map」でのAR体験は、Google Mapで特定の場所を検索することで利用可能です。これはパイロットプログラム(早期アクセスプログラム)として、2024年後半から半年間、パリとシンガポールで提供されます。パリであれば、1900年に開催された万国博覧会に関する情報や、エッフェル塔の変化をARで体験できます。
(パリではGoogleのアプリ「Google Arts & Culture」、ARコンテンツ開発企業Rock Paper Realityと連携。パリのセーヌ川にある名所、アンヴァリッド橋周辺の過去の様子を、ARで閲覧できる。 画像: Google)
シンガポールでは現地の観光局と協力し、主要な観光エリアに「イマーシブな観光スポット」を設置。チャイナタウンや博物館をフィーチャーしたARコンテンツを体験できます。
(シンガポールのプラナカン博物館に設置されたAR体験の様子。Googleは2023年にシンガポール政府と協力し、実際の風景に溶け込むような観光客向けARコンテンツを提供している。 画像: Google)
なお、Google MapでのAR体験は現地だけでなく、ストリートビューで閲覧することも可能。他のユーザーやSNSに、QRコードやディープリンクURLなどを使ってシェアできます。
ARプラットフォーム「ARCore」のアップデートも
合わせて、GoogleのARプラットフォーム「ARCore」のアップデートが発表されました。ARCoreとGoogle Mapをベースに、現実世界にARコンテンツを配置・公開できるシステム「Geospatial Creator」を、全世界のクリエイター・開発者が利用可能になります。
(「Geospatial Creator」の機能を、ARコンテンツ制作用の「Adobe Aero」で使用している際のスクリーンショット。現実空間上に、直感的にARコンテンツを配置できる。 画像: Google)
また2024年初め、GoogleはC#を利用したアンカー調整機能をUnityエディタに追加。また、Google Maps PlatformのPlaces APIを利用することで、「特定の地域にある図書館すべてに同じARコンテンツを設置する」といった作業の効率化が可能になりました。
さらに、GoogleはARCore Geospatial APIの対象とする範囲をインドに拡大します。今年後半に、まずAndroid向けで展開を行う見通しです。
(参考)Google [1], [2], Road to VR
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