2月1日、サムスン、グーグル、半導体大手のクアルコムの3社が「共同で新型XRデバイス開発に取り組む」と発表しました。サムスンのAR/VRデバイス開発に関する公式発表は約5年ぶりとなります。
サムスンイベントに3社のトップが登壇
米サンフランシスコでのイベント「Galaxy Unpacked 2023」にて明らかにされました。サムスン社長であるTM Roh氏による基調講演の中盤、壇上にクアルコムの社長兼CEOであるCristiano Amon氏とグーグルのPlatforms and Ecosystems担当執行役員のHiroshi Lockheimer氏が登場。クアルコムのAmon氏は「我々のSnapdragon XRテクノロジーと、サムスンの素晴らしい製品、そしてグーグルの経験(ソフトウェア)によって、我々はこの機会を現実のものとし(中略)空間インターネットの未来を推進するための基盤を手に入れたのです」とコメントしました。
(YouTube「Galaxy Unpacked 2023」基調講演、XR事業に関する内容は1:50:00〜)
表舞台から姿を消していたサムスン
サムスンは2014年、旧Oculusと提携しスマホ接続型のVRヘッドセット「Gear VR」を発表。モバイルVRデバイスとして大きな注目を集めました。2017年にはVRヘッドセット「Odyssey」を、その1年後の2018年には後継機「Odyssey+」を発売しています。しかしその後、サムスンからハードデバイスの発表はなく、XR分野の表舞台から姿を消していました。
数年の沈黙を破り、2022年3月に「サムスンが独自のARヘッドセットを開発している」と韓国メディアが報道。サムスンのXR分野復帰が期待されていました。
激戦のXRヘッドセット業界にどう挑むのか
AR/VRヘッドセット業界にサムスンが改めて進出するのであれば、Meta、HTC、マイクロソフト、Magic Leap、ソニーなどの企業が競合として立ちはだかる可能性があります。2023年は各社が新デバイスを発表しており、1月に発表された台湾HTCの「VIVE XR Elite」、ソニーの「PlayStation VR2」やMetaの「消費者向け新型ヘッドセット」などがサムスンの競合デバイスです。
一方で、ワシントンポストによると、サムスンの社長であるTM Roh氏は「サムスンのXR事業の取り組みには、Metaとマイクロソフトとのパートナーシップが含まれるだろう」と発言しています。主要XR企業及びサムスンの今後の動向に注目が集まります。
(参考)UploadVR、The Washington Post
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