2021年5月12日、ボリューメトリック映像(※)の業界発展と仕様策定を目的とした業界団体「Volumetric Format Association(VFA)」が創設されました。創設メンバーにはインテル、キヤノン、ベライゾン(Verizon)、ツァイス(ZEISS)、RED Digital Cinema、Unity、NVIDIAの7社が名を連ねています。
(※ボリューメトリック映像 / Volumetric Video……360度あらゆる角度から見られる映像をつくる技術、またはその技術を用いて作られた映像。通常の映像は単一のカメラ視点でしか視聴できないが、ボリューメトリック映像は多数の方向から撮影・補間することで、自由な方向から見られる映像となる)
ボリューメトリック映像制作の仕様確立を目指す
VFAでは、ボリューメトリック技術に関わる主要な産業分野の企業が集まり、ボリューメトリック映像の技術仕様(撮影、映像処理、配信など)の策定を進めるとしています。
すでに「Capture Acquisition(ボリューメトリック映像の取り込み)」「Interchange of Data(キャプチャデータの交換)」「Decode & Render(映像データのデコードとレンダリング)」「Persistent Metadata(永続的なメタデータの付与)」の4つのワーキンググループが設置されており、創設メンバー以外の企業にも門戸を開いています。
(VFA創設メンバーにはベライゾンやインテルに加え、日本のキヤノンも名を連ねる)
VFA創設にあたり、VFAの会長を務めるベライゾンのデニー・ブライテンフェルド氏は「高速・低遅延の5G回線により、ボリューメトリックビデオキャプチャは次のステージに進み、実在の人物をわずか数分で生き生きとした動きのある3D映像に変えることができるようになるでしょう。私たちは業界リーダーたちと協力して、ボリューメトリック映像を前進させるための仕様を策定することを楽しみにしています」と述べています。
また、同じく創設メンバーであるキヤノンの伊達厚氏は以下のようにコメントしています。
キヤノンは、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップで新しいスポーツ体験を提供したことからもわかるように、ボリューメトリック映像技術を強く支持しています。また、最先端のクリエイターが利用するボリューメトリック映像スタジオを川崎に開設しました。ボリューメトリック映像技術によって、世界中の人々がこれまでに経験したことのない様々な方法で、スポーツやエンターテインメントをより楽しむことができるようになると確信しており、VFAの標準化の成果に大いに期待しています。これはキヤノンのボリューメトリック事業の展開において、今後の大きな第一歩となります。
VFAでは同団体への企業参加を呼びかけており、公式サイトから申し込みが可能になっています。