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投資 2021.05.11

全方向から見れる「ボリューメトリック映像」企業が500万ドル調達、NTTドコモにも技術協力

ボリューメトリック映像(※)の編集・配信ツールを開発するArcturusは、シードラウンドで500万ドル(約5.4億円)の資金調達を行いました。同社は調達した資金をもとに、チームや製品ラインナップの拡大を目指します。

(※ボリューメトリック映像/Volumetric Video……360度あらゆる角度から見れる映像をつくる技術、またはその技術を用いて作られた映像。通常の映像は単一のカメラ視点でしか視聴できないが、ボリューメトリック映像は多数の方向から撮影・補間することで、自由な方向から見られる映像となる)

ドコモベンチャーズらが出資

Arcturusが手掛けるのは、複数人が様々な向きから同時に見れるボリューメトリック映像作成用のソフトウェアです。サービスの名称は「HoloSuite」。編集や配信用のソフトウェアからなり、コンテンツ制作・利用の裾野を広げると期待されています。価格は1ユーザー当たり年間で7,500ドル(約81万円)と、プロ向けの用途を想定しています。

今回の資金調達には複数のベンチャーキャピタルらが参加し、日本からはNTTドコモ・ベンチャーズも出資しました。なおNTTドコモは2021年2月、「docomo Open House 2021」の「Virtual Booth」にて、Arcturusの技術協力を得た「Volumetric Video」映像を公開しています。

撮影技術にも変化が

ボリューメトリック映像はその撮影から大がかりなものでしたが、現在では変化が起こっています。従来、ボリューメトリックキャプチャを行うためには、グリーンバックを備えた専用のスタジオや、最低でも数十台のカメラといった設備が必要でした。しかしマイクロソフトのAzure Kinectや、アップルのLiDAR搭載iPhone・iPad等により、深度情報を含む映像の撮影がより手軽になりつつあります。

Arcturus自身は撮影技術を手掛けていませんが、こうしたボリューメトリックキャプチャの変化と合わせ、製作のハードルを下げ、コンテンツの普及を促すことに繋がるでしょう。

ボリューメトリックビデオ技術に関しては、こちらの記事でも取り上げています。

(参考)Road to VR
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