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メタバース 2021.10.03

「そうだ、VR行こう」現実の観光名所を再現したバーチャル旅行スポット7選

新型コロナウイルスの流行によって遠出が難しくなった一方で、「バーチャル旅行」が注目を集めている近頃。現実世界の街並みや観光スポットをVRに再現した空間が、この1年半でいくつも登場しました。同様のコンテンツは以前から少なからずありましたが、最近になって急速に数を増やしている印象があります。

JTBANAなどの大手企業が相次いで「バーチャル」に注力した発表をしていたことからも、この分野に注目が集まっているとわかります。

本記事では、そんな「バーチャル旅行」におすすめのスポットを紹介。VR空間に再現された現実世界の観光スポットを、複数のプラットフォームからピックアップしてまとめました。

基本的にはVRヘッドセットを使いますが、なかにはWebブラウザからアクセスできるものもありますので、VR機器を持っていない方もぜひ。

バーチャル渋谷(cluster)

「バーチャル渋谷」は、渋谷駅前を3DCGで再現したバーチャル空間。渋谷区公認の配信プラットフォームとして、バーチャルSNS・clusterにて公開中です。

おなじみのスクランブル交差点周辺をVR化している、バーチャル渋谷。アバターの姿で自由に散策できるほか、イベントもたびたび開催されています。2020年5月のオープニングイベントにはのべ5万人が来場。「攻殻機動隊 SAC_2045」とのコラボレーション企画が実施されました。

同年10月には6日間にわたってハロウィーンフェスが開催され、約40万人が来場。その後もクリスマスイベントスポーツフェスティバルなどが行われ、2021年3月にはバーチャル渋谷のなかにライブハウスがオープン。ジャンルを問わずさまざまなイベントが催されています。リアルの渋谷にも負けない、にぎやかな場所です。

バーチャル渋谷が公開されているclusterはスマートフォンにも対応しているので、VRヘッドセットを持っていない人でもアクセスできます。今年もハロウィーンフェスが開催予定ですので、興味のある人は足を運んでみませんか?

またバーチャル渋谷からアクセスできるエリアとして、神宮前交差点エリアを中心とした街並みを再現した「バーチャル原宿」もあります。こちらでもたびたびイベントが開催されることがありそうですので、あわせてチェックしてみてください。

【バーチャル渋谷はこちら
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渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE(Webブラウザ/VRChat)

渋谷近辺のスポットをもうひとつ紹介します。渋谷区立宮下公園を再現したバーチャル空間が今年7月にオープンしました。こちらはclusterではなく、ブラウザ版とVRChat版の2つの会場が公開されています。ブラウザ版はPCとスマホの両方からアクセス可能。

渋谷の新しいカルチャーを発信するべくオープンしたというバーチャル宮下公園では、リアルとバーチャルの空間を連動させた企画を展開。10月末までアート展が開催されています。また謎解きクリエイター集団・RIDDLERによる謎解きも楽しめます。


VRChatでは3つのバーチャル宮下公園が公開されており、昼と夜に加えて、1年中いつでも夜桜を楽しめるワールドもあります。実際にVRで訪れてみたところ、現実世界の宮下公園が驚くほど精密に再現しており、本当にその場にいるかのような感覚になるほどでした。

公式サイト:https://shibuya-miyashitapark.parallel-city.jp/

【ワールド(昼)へのリンクはこちら
【ワールド(夜)へのリンクはこちら
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バーチャルOKINAWA(VRChat)

南へ一気に飛んで、やってきたのはバーチャル世界の沖縄! おなじみの観光スポットが「バーチャル国際通り」としてVRChat上に再現されており、 アーニー・パイル国際劇場や御菓子御殿などを巡ることができます。

リアルを再現した街並みが目を引く一方で、空を泳ぐ魚群の存在感がすごい! 空中を移動するギミックもあり、バーチャルならではの風景を楽しめます。


沖縄の伝統芸能・三線のライブや魚のエサやりといった、体験型コンテンツもあります。さらに9月上旬には、「一万人のエイサー踊り隊2021 オンライン IN バーチャルOKINAWA」と題したイベントも開催。根間ういさんをはじめとするご当地VTuberたちによる、エイサー演舞が披露されました。

公式サイト:https://virtualokinawa.jp/

【ワールドへのリンクはこちら

銭洗弁天VR(STYLY/cluster/VRChat)

「銭洗弁天VR」は、鎌倉の銭洗弁財天 宇賀福神社の境内全域をフォトグラメトリによってバーチャル空間上に再現したもの。STYLY・cluster・VRChatの3つのプラットフォームで公開されています。

このワールドは現存する建築物や空間をデータとして保存する「建築デジタルアーカイブ」の試みとして、龍 lileaさんが2019年に制作。公開時のツイートは10,000回以上リツイートされており、複数のウェブメディアで取り上げられるなど話題になりました。

実際に銭洗弁天VRの空間へ足を運んでみると、その広さと再現度の高さに驚かされます。写真データをVR化しているため、どうしても歪んでしまう部分もありますが、石段を上ったりトンネルを潜ったりと、広大な境内を観光気分で散策できるのは大きな魅力。最初に訪れるフォトグラメトリワールドとして、おすすめしたいスポットです。

ちなみに、VRChatでは「Zeniarai Benzaiten Shrine -Day-」のほかに、夜の銭洗弁天を散策できるワールド「Zeniarai Benzaiten Shrine -Night-」も公開されています。VR環境がない人はclusterもしくはSTYLYで体験できるので、下記リンクからアクセスしてみてください。

【VRChat版(昼)のリンクはこちら
【VRChat版(夜)のリンクはこちら
【cluster版のリンクはこちら
【STYLY版のリンクはこちら

Albarracin Village(VRChat/STYLY)

フォトグラメトリによってVR化されているのは、国内の観光スポットだけではありません。7月にVRChat上で公開された「Albarracin Village」は、スペインの城塞都市アルバラシンの景色を再現したワールド。VRなら、海外旅行にも行けてしまうわけです!

アルバラシンは、スペイン・アラゴン州の山間に存在する村。14世紀の城壁が現存していることで知られており、その美しい景観から人気の旅行スポットでもあります。ワールドを制作したノーベルチョコさんは3年前に現地を旅行で訪れており、そのときに撮った画像データをもとにしてVR化したそうです。


実際にVRChatのワールドを訪れてみると、まず目に入るのが中世の街並み。異国情緒たっぷりの景観にドキドキさせられつつ街中へと向かえば、そこは石段と石壁に囲まれた空間です。

高低差のある複雑な街並みを、高い壁に囲まれながらしばらく歩いていると、本当にその場にいるかのような錯覚にとらわれます。「気軽に見れるように」とのことでSTYLY版も公開されているので、気になった方はアクセスしてみませんか?

【VRChat版のリンクはこちら
【STYLY版のリンクはこちら

かはくVR(Webブラウザ)

東京の国立科学博物館は、オンラインで館内を巡れるコンテンツ「かはくVR」を2020年4月から公開しています。

3Dスキャン技術・Matterportを使った「かはくVR」では、国立科学博物館の日本館と地球館にオンラインで入館可能です。しかも無料で。館内の移動はマウスとキーボードの操作で行い、Googleストリートビューのような感覚で展示を見て回れます。


館内マップを選択すれば瞬時で移動でき、混雑を気にすることなく無人の博物館を巡れるのは、オンラインならではの体験。上下も含めた360度全方位を眺められ、じっくり展示を見て回りたい人におすすめです。

ただ簡単操作でサクサク視点を変えられるため、慣れない人は酔いやすいかもしれませんので、ご注意ください。

公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/VR/

比叡山延暦寺VRウォークスルー(Webブラウザ)

比叡山延暦寺もMatterportを使って公開されているスポットのひとつ。大改修中の国宝「根本中堂」をバーチャル化した「比叡山延暦寺VRウォークスルー」です。

⼀般には公開されていない文化財の修復現場や、「不滅の法灯」が安置されている内陣なども隅々まで巡れます。通常は見る機会のない文化財を間近で体感できるコンテンツです。

画面下部にはバーチャル化された各所へのリンクも用意されており、気になる場所へ瞬時に飛べます。拡大すれば彫刻なども近くへ寄って見ることができるなど、リアルの寺院見学ではなかなか難しそうな体験ができるのも嬉しいポイントですね。比叡山延暦寺VRウォークスルーの公開は、2026年の3月末までを予定しています。

公式サイト:https://ui.archi-twin.com/showcase/?id=27

バーチャル旅行で、どんな場所にも行ける!

本記事でご紹介した銭洗弁天のほかにも、フォトグラメトリによって現実世界を再現したワールドが、VRChatには多数あります。

そのようなリアルのスポットをVR化したワールドを探して訪れたい方は、ぜひ一度「JAPANELAND」に足を運んでみてください。2万分の1スケールで立体化された日本列島の上を歩けるワールドで、VRChat上に存在するフォトグラメトリワールドに通じるポータルが各所に設置されています。

また、せっかくの「バーチャル旅行」なので、必ずしも現実世界を再現したスポットにこだわる必要はありません。どこまでも続く道をバイクで走ってみたり、異世界チックで幻想的な島に降り立ってみたり、知らない場所のはずなのに不思議と懐かしい気持ちになる“帰り道”を歩いてみたり、降り止まない雨から逃れて夜のマンションに迷い込んでみたり。

VRでなら、ヘッドセットをかぶった次の瞬間には、どこへだって旅立つことができます。それも自宅から。しかも日帰りで。たまの休日には、バーチャル旅行と洒落込んでみませんか?

執筆:けいろー


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