HTCは半導体大手Qualcomm(クアルコム)と提携し、モバイルVRプラットフォーム「VIVE WAVE」の普及拡大を目指します。クアルコム社のチップセットを用いたヘッドセットのサポートを発表、デバイス開発のハードルを下げ、エコシステムを広げる狙いです。
2017年発表のモバイルVRプラットフォーム
「VIVE WAVE」は、2017年11月に発表されたHTCのモバイルVRプラットフォームです。スマートフォンにおけるAndroidのようなOSで、導入すれば、ヘッドセットメーカーは自前のOS開発が不要になります。また既存のVIVE向けアプリにも対応しています。
プラットフォーム提供によりヘッドセット開発のハードルを下げ、「VIVE WAVE」をベースとしたデバイス開発を促進。結果的に、このエコシステムに加わるコンテンツも増加させる狙いです。
欧米ではあまり知名度が高くありませんが、アジアではPicoやShadow Creatorといった複数のベンダーが「VIVE WAVE」を採用。またHTC自身の一体型VRヘッドセットVive Focusもこのプラットフォームをベースとしています。一体型ヘッドセットでの採用をメインするものの、スマートフォン向けVRのみならず、HTCによれば「ARヘッドセットにも対応する」ということです。
なお「VIVE WAVE」は、これまでにもオープンプラットフォームとして提供されていました。今回HTCは半導体大手クアルコムとの提携を発表。同社のモバイル向けチップセットSnapdragonをベースとする全ヘッドセットにVIVE WAVEを提供し、テストや最適化のサポートも行うとしています。このアナウンスにより、一層プラットフォームの普及を目指すと見られます。
進む仕様標準化の取組
統一プラットフォーム導入でエコシステム拡大を目指す事例には、VRの標準仕様として策定が進む「OpenXR」もあります。OculusやSteamが一部対応を開始しており、デバイス・アプリ間の仕様標準化を目指しています。
(参考)Road to VR
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