中国・上海のデバイスメーカーShadow Creatorは、最新VRヘッドセット「Shadow VR」を発売します。「Shadow VR」は全世界に向けて2018年11月11日から発売されています。ヘッドセット、コントローラーともに6DoF(前後上下左右、自由自在に動かすことができる)を実現した一体型VRヘッドセットということです。公式ウェブサイトでの販売価格は、1台400ドル(約45,000円)となっています。
また合わせて、Shadow VRがHTCの展開するプラットフォームVive Waveに参加することを発表しました。
Vive Waveとは
Vive Waveは、HTCが中国を中心に展開するモバイルVR向けのエコシステムです。ハードウェアのスペックやソフトウェアでのサポートを行っています。2017年11月に発表され、HTC以外にもPico、暴風魔境など全15のVRヘッドセットメーカーが参加しています。HTCは、Vive Waveが「バラバラのモバイルVR市場をまとめ上げるためのステップ」になることを期待しています。
自由に手を動かせる「6DoFコントローラー」
公式発表によれば、Shadow VRの6DoFコントローラーは自社開発製品とのこと。PlayStation VRでも使われるPlayStation Moveコントローラーとも似た、先端に球状のトラッキング用部位があります。9軸ジャイロスコープを内蔵し、ボタン配置は他社の一体型VRヘッドセットOculus GoやVive Focusのコントローラーと似たレイアウトになっています。
一体型VRヘッドセットで課題になるのは、手のトラッキングです。HTC ViveなどのPC向けのVRでは、手を自由に動かすことのできる「6DoFコントローラー」が一般的です。このコントローラーではVRの中でまるで現実と同じように手を動かすことができるため、実在感は大きくなります。しかし、現在展開されている一体型VRヘッドセットの多くは、コントローラーが6DoFに対応していません。
完全に6DoFな一体型VRヘッドセットの実現には複数社が取り組んでいます。Oculusは、2019年春に6DoFのOculus Questを399ドルで発売予定。HTCは2018年10月、一体型VRヘッドセットVive Focusなどで両手を自由に動かすことができる、新たなコントローラーの開発者版を発表しました。
現時点で、Shadow VRのコントローラーがどのように6DoFを実現しているかは不明です。同社は”raytracing(光線追跡)”によると説明していますが、コントローラーのトラッキング方式は明らかになっていません。
6DoFが実現したデバイスでは、ただトラッキングが可能なだけでなく、身体や手の動きに対して「違和感のない自然なトラッキングができているか」が重要となります。Shadow VRがどこまでのトラッキングを実現しているか気になるところです。
Shadow VRスペック概要
チップセット |
クアルコム製Snapdragon 835 |
解像度 |
2,560 × 1,440(片眼当たり1,280 × 1,440) |
ディスプレイ |
液晶 |
視野角 |
最大110度 |
光学レンズ |
フレネルレンズ |
バッテリー |
3500mAh |
ヘッドセットトラッキング |
6DoF |
入出力 |
USB 3.1、USB Type-C |
オーディオ |
デュアルスピーカー |
(参考)Road to VR
Mogura VRはRoad to VRのパートナーメディアです。