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イベント情報 2016.02.28

【体験レポ】OcuFes Final レポート。VRコンテンツのジャンルは多様化

2月20日から21日に秋葉原ベルサールにおいて「アキバ大好き!祭り 2016 冬」が開催され、「OcuFes Final ~次からはJapan VR Festに改名します~」が同時開催されました。

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今回は44ブースが出展となりました。PC向けもOculus RiftだけではなくHTC Viveの展示もあり、Gear VR、スマホHMDを使った展示も14ブースありました。

その中からMogura VR的に一押しなコンテンツをいくつかご紹介します。

HTC Vive(AMD)

グラフィクボードメーカーのAMDは、4月に発売されるHTC Viveの開発者版を展示。HTC Viveの特長である「手を動かせる」「空間を歩ける」などいくつかのデモを体験できました。

10分間で3つのコンテンツを次々に体験していきます。椅子に座った状態でViveを被りヘッドホンをつけ、両手に棒状のコントローラーを持たせてもらったら立ち上がってスタートです。

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1つ目は、池の上で風船を作って飛ばすデモでした。VRの中で手元を見るとコントローラーが表示されています。左手のコントローラーについている円盤状のカラーパレットを回して色を選び、コントローラーを握りこんで裏にあるトリガーを引いて空気を入れると指定した色の風船が膨らみながら出てきます。膨らんだ風船はそのままゆっくり空に上がっていきます。歩きながら風船をだして地面に叩きつけたり、風船同士をぶつけたりもできます。自分の思い通りの場所に風船を出すことができるため、手の位置が非常に正確に反映されていることが分かります。

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2つ目は海中体験ができる『The Blue:Encounter』。開始すると、沈没船の甲板にいます。甲板の上だけ動き回れますが、この範囲はHTC Viveを装着して動ける範囲と一致しています。もっと先に行こうとすると青い格子が出現します。檻の外に行けば現実の壁にぶつかり危ないという表示になります。

海の中には目の前に小魚が沢山泳いでいて、寄っていって手で触れようとすると逃げだします。上を見上げると明るい海面が見えマンタ(エイ)が泳いでます。それだけでも癒される光景ですが、しばらくすると大きなクジラが現れます。「クジラが後ろからやってきますよ」の声に振り返るとクジラがこちらに向かって泳いできて、手を伸ばせば触れるほど近くまで迫ってきます。なでたくて、近づいて手を伸ばして触ろうとしても、通り抜けてしまい、無反応だったのがさみしかったですが……。ちょうど目の前で手のひらサイズの瞳が左右に動いても、ちゃんと筆者を追いかけて見つめてくれると、まるで本当に生きているかのようで神々しさすら感じます。去っていく時は大きな尾びれを折れたマストにぶつけていくのは迫力がありました。

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3つ目は『JOB SIMULATOR』。PCや電話などがすべておもちゃみたいなオフィスで、指令に従い色々な物を動かして遊ぶゲームです。

PCのコンセントを差し込み、でかいスイッチを押して電源をつけ、メールをチェックして削除。コーヒーメーカーからカップにコーヒーを注いで、両手にドーナッツを1個ずつ持ってかぶりつく。現実となんら変わらずにこうした動作が当たり前のようにできて面白いです。現実と違うのはゴミ箱の中のカビだらけのドーナッツを食べてもいいし、オフィスでボールを遠くに投げてもいいこと。ただしカビたドーナッツを食べれば盛大に口からゲロが吹き出しますし、ボールを投げればPCのような顔の同僚に怒られます。ただ動かせるだけでも面白いのにこういう演出も凝っていて非常に楽しかったです。

箱庭の彼女 (おかず氏)

個人制作者おかず氏の2.5Dアクションゲーム『箱庭の彼女』。去年の11月開催のデジゲー博2015に出展された時と、タイトルは同じですが内容は大分変わり、ゲームとしてかなり洗練されました。

3人称視点で、秘密基地のようなところに潜入した女の子を引いた視点から見ながら操作して、敵を倒していきます。(旧版のレビューはこちら

新版では、3人称と1人称の切替が可能。ステージも近未来的なビルではなく『バイオハザード』シリーズに出てきそうなトイレなどもある現実感に近いビルに。前回は地下に進んで行きましたが、今回は屋上に向かいます。銃で敵を撃つだけでなく、壁を撃ち壊して先に進むなどアクション要素も増えました。エレベーターのボタンや銃の引き金をなどコントローラーのボタンを押す必要がある場合、押すべきボタンが赤いコントローラー型アイコンが空間に表示されるので分かりやすいです。

攻撃方法はVRならではの独特な方法を採用しており、視点で照準を合わせます。旧版ではうまく当てられず何度も死んだのですが、今回は自動でロックオンされる機能が加わり、苦労せず倒せます。巨大ロボのラスボスとのバトルでは大量のミサイルを撃たれるので避けながら攻撃していきます。、操作性が上がりながらも、操作方法などは全てゲーム中で解説されるため、口頭での説明を受けてもプレイすることができ、派手で綺麗なエフェクトなど映像も格段にかっこよくなっていました。この作品は、おかず氏のサイトにて、実際に配布されています。制作ブログ及びダウンロードリンクはこちら

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炎からの脱出(よむネコ)

VRスタートアップを支援するTokyo VR Stratupの第一期に選ばれ、開発を行っている株式会社よむネコの脱出ゲーム。Oculus Riftを被ると辺り一面から炎が吹き出しているビルの中にいるのでヒントを元に脱出するゲームです。スティック状リモコン(Razer Hydora)を両手に1本ずつ持つとVR内で手が表示され、ゲーム内の物に近づいてトリガーを押すと物を持てるようになります。ボタンを押すのも箱を掴むのもできますが、斧を掴み扉のスイッチを壊すこともできます。

現実では座ったままジョイスティックで移動するので酔ってしまうこと、センサーが手を時々認識しなくなることはありますが、やはりVRの中で実際に物を持てる体験楽しい。ヒントが難しくて詰まっても、スタッフの方から更にヒントを貰ってクリアしました。炎や煙など映像が綺麗なのも良かったです。

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インチキ霊能者を探せ (takusou氏)

個人制作者takusou氏の一風変わったコンセプトの作品。3人一組で行い、順番にOculus Riftを被っていきます。被るとそこは廃病院。すぐに真っ暗になり廊下を、懐中電灯の灯を頼りに歩いていきます。途中、暗闇から物音や声がしたり、物が突然倒れてきたり、最後は恐ろしいゾンビのようなお化けが突然現れるという、声をあげずにはいられないお化け屋敷です。ただし、3人の内1人はインチキ霊能者という設定。実は一人だけお化けが見えず、物も落ちこず「こういうリアクションをしろ」と書かれた指示の出てくる映像を見ています。インチキだと他の2人にバレないように怖がっている演技をしなければなりません。誰がインチキ霊能者になるかはランダムで決まるので被るまで分かりません。筆者は見えてしまう方の体験だったので終始ビクビクしながら最後は声をあげてしまいました(編集長のすんくぼは怖くてずっと下を見ていたそうです)。

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3人の体験が終わったあと相談抜きで、同時に誰がインチキだったかを指差しし、インチキ霊能者役が他2人から指を指されたら負けです。

騙し合いのゲームですが、HMDを被ると周りにいる人は被ってる人のリアクションしか見えないのを逆手にとりゲームとして利用したコンテンツです。

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立体機動的に飛ぶゲーム(伊藤周氏)

個人制作者伊東周氏のそのものずばりな空を飛べるゲーム。Oculus Riftを被りRazer Hydoraを両手に持ってスタートします。建物が両脇に並んでいる通りを空中に浮いているコインを取りながら進んでタイムを競うゲームです。進み方は進撃の巨人に出てくる立体機動装置かスパイダーマンのように糸を建物の壁面に飛ばしていくというもの。

かなりのスピードで滑空するように飛んでいきますが、失敗して壁に激突しない限り酔うこともありません。飛ぶのに必死なのでコインがなかなか取れなかったですが、スピード感が気持ちよく爽快でした。飛びながら見る風景はアニメや映画で見たことがあるシーンそのものなので、なんだか作中のキャクターになったような気分になれました。

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PRIME BIRD / noshipu

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鳥になりきって、空を飛ぶゲーム。頭の角度で方向を操作します。飛んでくる数字の中から素数だけを当てる、瞬発力と脳を同時に使うゲームです。ただ素数を当てるだけというシンプルなゲームシステムですが、空を飛んでいる感覚もあいまってか楽しい。仲間と対戦したり、記録に挑んだりと楽しみ方は様々です。

ラッキースクワット / XTONE LAB

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スマートフォンVR向けのコンテンツ。VR内のキャラになりきってかわいいキャラクターと一緒に縄跳び・スクワットができるコンテンツ。骨・筋肉・関節等の運動器が衰え、生活の自立度が低下するロコモティブ症候群を予防するために制作されたとのこと。筆者も体験しましたが、思わず夢中になっている内にかなりの運動をしていた事に後から気づかされました。

ocufesスクワットをする筆者


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