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【CES2016】モバイルVRを大幅に引き上げるクァルコムの次世代チップセットSnapdragon 820

GoogleのCardboardをはじめ、手持ちのスマートフォンで手軽にVRを体験できるモバイルVR。1,000円からという機器の手軽さの一方で、Oculus RiftやGaer VRなどのVRに最適化したデバイスのVR体験と比べると、カクついたり、残像が残るなど、さらに体験の質を求めたくなるところです。

その鍵を握るのはスマートフォンの処理を行っているプロセッサの性能向上です。CESには、モバイルVRの可能性を一気に押し広げることを予見させる展示がありました。

スマートフォン等モバイル向けのチップセットメーカー・クァルコムは昨年発表した同社のチップセットシリーズの次世代モデルSnapdragon 820を展示しました。

Snapdragon 820はモバイルVR対応

同社初の64bitオクタコアCPUを搭載したSnapdragon 820は、消費電力、パフォーマンスがこれまでのモデルから大幅に向上、前世代となるSnapdragon 810と比べ、その性能は40%増との比較結果もあります。

これまであまり語られてこなかったこのSnapdragon 820の特徴としてクァルコムは「モバイルVRに対応」していることを強調。より低消費電力で没入感の高いモバイルVRを実現できるとしています。CESのブースにて同社オリジナルのVR-HMDを使ったデモを展示するコーナーが前面に押し出されて設置されていました。

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クァルコムはSnapdragon 820により、内蔵されたGPUによる効率的な3D立体視映像の描画とフォービエイディド・レンダリング(※)、4K解像度の360度動画を60fpsという高フレームレートで描画などが実現可能としています。

※解像度を調整・最適化し、描画負荷を軽減するレンダリング手法。一律に高解像度を保つのではなく、ユーザーの頭の向きに合わせ、視界の中心の解像度を高いままに保ちつつ、視界の端に映る周辺部分は低解像度で描画する。

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Gear VRに近づく衝撃の体験

展示で体験できたCGデモは、陰影がある廃墟にいるとドラゴンが咆哮を上げて上空から降りてきて、体験者の周りを1周して威嚇し、飛び去っていくというもの。

ゲームではない非常にシンプルなデモですが、筆者は大きな衝撃を受けました。60fpsという高フレームレートで描画されたCGのドラゴンの動きはこれまでのモバイルVRで見たことがないほど滑らかだったからです。フレームレートが60fpsというとサムスンのGear VRに匹敵します(Oculus Rift製品版は90fps)。

廃墟という設定上、ソフトウェア側でも真っ暗な部分もあり描画負荷を軽減していましたが、一方で光と影が交じり合う陰影もかなり多く、自分の周囲を徘徊するドラゴンが暗闇から姿を現す様子はとても自然に描画されていました。

また、360度サウンドもしっかり実現していたのも印象的で、モバイルVRとは思えないほど実在感のある体験に仕上がっています。

ただし、Gear VRと同程度の体験になったかというと、まだ1つ大きな差があります。

それが、頭を動かした際のレイテンシー(遅延)。Oculusと共同開発で制作されているGear VRはレイテンシーを小さくするような技術がハードウェア(センサー類)、ソフトウェアとも詰め込まれています。たとえ描画性能が向上しても、スマートフォンのセンサーのみに頼る現状のモバイルVRではまだまだ遅延を感じます。酔いの原因にも繋がるため、遅延を少なくする工夫は引き続き必要です。

サムスンのスマートフォン専用のGear VRの体験に近い体験がメーカーを問わずあらゆるスマートフォンで近いうちに可能になる未来を予見させるものでした。

このSnapdragon 820は2016上半期に市場投入される各社のスマートフォンに採用されます。


【Mogura主催のイベント】
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