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これこそバーチャル!FaceRigとボイスチェンジャーで美少女キャラによるゲーム実況が実現

ニコニコ動画を中心に今や動画サイトの一大ジャンルとなっているゲーム実況。ただ声を入れるだけでなく、色々な実況の方法がこれまで創意工夫の下、アップロードされてきました。

しかし、1月3日、「二次元美少女がゲーム実況を行う」という新たなスタイルのゲーム実況がニコニコ生放送で行われました。

その実、なんとプレイヤーが男だろうと女だろうと(おっさんだろうと)関係なく、二次元美少女が実際にプレイしている表情を浮かべ、ゲームパッドをカチャカチャと動かし、女の子の声で実況する、というもの。

百聞は一見にしかず、タイムシフト登録されている動画を実際に見るとどういうことなのか分かりやすいです。

今回の実況で使用されたのは、以下の技術ということで、特殊なデバイスは必要とせず、比較的実現しやすいようです。

・表情をウェブカメラで認識するSteamのソフト「FaceRig」(Steamにて1,480円、1月4日まで740円のセール中)
・その表情をLive 2Dのキャラクターと連動させる「FaceRig Live2D Module」(Steamにて398円)
・ボイスチェンジャーソフト(今回はAV Changer 9の無料版を使用したとのこと)
・オリジナルで作成したXboxコントローラーが実際のボタン入力に応じて画面内のゲームパッドが動くシステム。

この実況を行ったのは、VRの普及に務めるエバジェリストでもあり、技術者でもあるGOROman氏。Facerigが面白いので思いつきで試みたということでした。

筆者はGOROman氏と面識があり、顔も声も知っています。偶然この放送を発見し、どんなものだろうと眺めていました。

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最初の方はテストで音量調整や地声が入るなど不自然な部分もありました。一方、放送が進んでいくにつれ画面内の美少女がゲームの局面に合わせて集中するときは険しい表情をして眉をひそめる様子をしたり、コメントを読んでいるときは目線が上にあがり明るい表情になるなど、まるで「実はGOROman氏はこのかわいい美少女だったのではないか?そう思っていた方がいいかもしれない」と(期待混じりに)錯覚してしまったほどでした。

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もちろん、今回は技術的に試してみたということで、ボイスチェンジャーをさらに自然に聞こえるものになる、表情のキャリブレーション(事前調整)をしっかり行うなど様々な改善点は見受けられました。しかし、筆者が驚いたのは、視聴者に「これは二次元美少女が実況している」と一瞬でも思わせてしまうことができるようになったということ。

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今回の二次元美少女による実況は、実際に存在しないものを実質的に存在しているように認識するという意味で「バーチャルな実況」と言うことができます。架空のキャラクターが行うバーチャルな実況といえば、実況の歴史の中では古くからある読み上げツールを使った「ゆっくり実況」にも近いかもしれません。また、アニメもある意味では、動く絵を見て声優の声を聞いてバーチャルなキャラクターが(画面の中とはいえ)存在しているように感じられる、という点ではバーチャルなものです。しかし、実況主の表情や声、動作といった部分までリアルタイムで連動するという点で、さらに「本物らしさ」が増しています。

「バーチャル」とは何か

Oculus RiftやPlayStation VRといったVRヘッドマウントディスプレイも「現実には見ていないものを360度で見る」ことや「音声が360度から聴こえてくる」ことにより、まるで視聴しているものが現実であるかのように認識することから「VR」(バーチャル・リアリティ)の機器であるとされています。「VR」のバーチャルとは「実質的な」という意味。しばしば誤解されることですが、VRの意味するところはもう一つの現実というような「仮想現実」ではありません。(※仮想現実という言葉は日本バーチャルリアリティ学会でも誤訳とされています)

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DMMが2015年横浜にオープンした「DMM VR シアター」は、ヘッドマウントディスプレイなどは使いませんが、映像を立体的に見せる技術を使い、あたかもそこに存在しない演者がそこにいるかのように見せるというもの。

そのこけら落としとして2015年末にかけて開催された「hide crystal project presents RADIOSITY」は、若くして亡くなったX Japanのメンバーでロックスターhideのライブを再現したもの。筆者も観に行きました。実際には投影されている「映像」を見ているだけですが、そこにはまるでhideがいるかのように、そして集まったファンは彼のライブに来ているかのように顔を輝かせて楽しんでいました。ファンの多くにとってあのライブは、DVDで見るようなライブの再現ではなく、まさにhideのライブそのものだったのでしょう。その点で「バーチャル」と言えるものだと、筆者は考えています。

二次元美少女がゲーム実況をする様子を見て、「VR」とは何か、「バーチャル」とは何か、に思いを馳せてみました。意外と身近なところで、あっさりと認識を騙され、「バーチャルなもの」に接していることに気づかされますね。

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この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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