Home » 何も分からない人向け! VRChat“超”基礎知識まとめ


VRChat 2022.12.25

何も分からない人向け! VRChat“超”基礎知識まとめ

近年では「メタバース」という言葉が話題となり、TVやYouTubeでも「VRChat」を使った番組企画が徐々に増えてきています。しかし、メタバースもVRChatも「一体それは何?」と思っている人も少なくないでしょう。

本記事では、まだメタバースの基本的な知識を何も知らないという方にもわかるように、ソーシャルVRサービス「VRChat」の基礎知識を一問一答形式で紹介します。

「VRChat」ってなにができるの?

「VRChat」って何?メタバースなの?

「VRChat」は、VR空間で様々なユーザーと交流ができる「ソーシャルVR」と呼ばれるプラットフォームです。「コンピューター上に展開される3DCGの仮想空間」という特徴から、メタバースとしても最近は注目されています。

ユーザーがワールド(バーチャル空間)やアバターを自由にアップロードできるのが最大の特徴です。楽しいゲームや、息を呑むような絶景、人が集まる飲み屋街など、多種多様なワールドの中で、ユーザーは好きなアバターとなって自由に時間を過ごしています。

「ソードアート・オンライン」みたいなゲームなの?


(画像はVRChatで開催された「ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-」)

ゲームのような「ボスを倒す」といった大きな目的はありません。「VR空間になったSNS」と考えるのが正しいところです。

ただし、一部のワールドでは、有料で販売されても不思議ではない、ハイクオリティなゲームを楽しめます。また、自分の好きな見た目となって他のユーザーと交流ができるのも、「ソードアート・オンライン」に近いと言えるでしょう。

なにができるの?


(画像はカラオケ「まねきねこ」メタバース店での様子)

ベースはSNSなので、メインコンテンツは人とのコミュニケーションです。気の合う友人と他愛無い会話をしたり、新しい知り合いを見つけたりするのはもちろん、音楽ライブやクラブに行ったり、ラジオ体操や手話教室、学術的な交流会に参加して知見を深めるなど、様々なイベントに参加するのも醍醐味です。


(画像は東京理科大学によるVRChatイベント

一方で、数多くのワールドもメインコンテンツのひとつです。壮大な謎やアクションが楽しめる「PROJECT: SUMMER FLARE」、直径8km×長さ32kmというとてつもない広さを誇るスペースコロニー「Space Colony “Island-4″」など、クリエイターの力作ともいえる世界を体験することができます。

仮想通貨は必要なの?

「VRChat」を遊ぶ上で、仮想通貨は不要です。基本的にすべて無料でプレイすることができます。また、NFTやブロックチェーン技術などのプロモーションや勧誘などは、利用規約によって禁止されています。

インターネット回線は必要?

「VRChat」はオンラインサービスなので、インターネット回線は必須です。ワールドやアバターの読み込みが頻発するので、できれば高速な回線を用意しておくのがベターです。

公式サイトが英語なんだけど、日本語には対応していない?

2022年12月時点では、日本語には対応していません。アプリ内のUIも全て英語です。ただし、複雑な英単語は使われていないので、一個ずつおぼえていくことをオススメします。

「VRChat」を始めるために必要なものは?

なにが必要なの?


(画像はVRChat対応のVRヘッドセットMeta Quest 2


(画像はたゲーミングPC「G-GEAR neo」)

2022年11月現在では、PC、またはVRヘッドセットが必要となります。PCはゲームを遊ぶために必要な、一定以上のスペックを持つ「ゲーミングPC」と呼ばれるものが推奨されます。また、PCで遊ぶ場合は、ある程度性能の良いマイクやヘッドホンを用意しておくと、コミュニケーションが円滑に進むので準備しておくとよいでしょう。

(参考)VRChatの最低/推奨スペック

最低スペック 推奨スペック
OS Windows 8.1、Windows 10 Windows 10
CPU Intel i5-4590以上
またはAMD FX-8350以上
Intel i5-6500以上
またはAMD Ryzen 5 1600 equivalent相当以上
メモリ 4GB以上 8GB以上
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 970以上
またはAMD Radeon R9 290以上
NVIDIA GeForce GTX 1060以上
またはAMD Radeon RX 580以上

どんなVRヘッドセットがオススメ?

プレイスタイル次第です。最もお手軽なのは「Meta Quest 2」ですが、Quest版「VRChat」では行けないワールドに行きたい場合など、「Meta Quest 2」以外が推奨されるケースがあります。

「VRChat」を遊ぶために適したVRヘッドセットについては、以下もご参照ください。

Quest 2だけでも遊べる?

「Meta Quest 2」でも遊ぶことができます。ただし、Quest版の「VRChat」には、訪問できるワールドや表示できるアバターに制限がかかります。PC版では行けるワールドに行けない、ということがあるため注意しましょう。

スマホに差すVRゴーグルは対応してない?

対応していません。「cluster」のように、スマートフォン対応アプリもありません。

予算はいくらくらい必要?

おおまかな予算を、参考までに以下に記してみます。

・ゲーミングPC:15万円〜25万円程度
・VRヘッドセット
・Meta Quest 2:128GB 59,400円、256GBモデル 74,400円(いずれも税込)
・PCに接続するタイプのVRヘッドセット:10万円~20万円程度

どうやって始めるの?

公式サイトでアカウントを作成します。ユーザー名、メールアドレス、パスワード、誕生日(月/日/年)の設定が必要です。メールアドレスを所持していない人は準備しておきましょう。

次に、アプリをダウンロードします。PC版であれば「Steam」から、Quest版であればストアから入手しましょう。もしPC版でVRモードを遊ぶ場合は「SteamVR」のインストールも必要になるので、あわせて準備しましょう。

アプリ起動後、ユーザー名とパスワードを入力すればログインできます。

VRヘッドセットがないと遊べない?

VR機器がなくても遊べます。「Steam」からアプリをダウンロードし、PCへインストールすればOKです。

部屋が狭いんだけど、遊べる?

VRモードで遊ぶ場合、基本的には自分の周囲に十分なスペースを設けることが推奨されます。少なくとも両手を広げたまま、その場で回転して、障害物にぶつからない程度の広さがほしいところです。

「VRChat」の場合、基本的な移動やメニュー操作は、直立したまま、椅子に座ったままでも行えます。やや狭い部屋でも遊ぶことはできますが、手を動かした時に物や壁とぶつからないように注意しましょう。

課金って必要なの?

「VRChat」は無料で全てのコンテンツを遊ぶことができます。一方で、有料サブスクリプション「VRChat Plus」も存在します。「VRChat Plus」に登録すると、アカウントへのアイコン設定、アバターやワールドのお気に入り上限増加、といった特典が得られます。

アバターって必要なの?

無料で利用できるアバターが存在します。アバターメニューから選ぶこともできますが、無料で使えるアバターを展示したワールドも数多く存在します。どんなアバターがあるのか、どのワールドに行けばいいのかは、以下の記事にてご紹介しています。

ただし、少なくないユーザーが自分でアバターを購入し、自分好みにカラーリングや衣服、髪型などをカスタマイズして利用しています。なかには自作のアバターを持ち込む人もいるほどです。

ここが不安、ここがわからない

始めたけど、なにをすればいいの?

なにをするのも自由です。自分のやりたいことをやりましょう!(もちろん、人に迷惑をかけない範囲で!)

もし、これといった目的がないならば、最初は「誰かに出会う」ことを目的にするとよいでしょう。「VRChat」は基本的に、友だちが増えるほど遊び方の幅が広がるようになっているためです。

どこに行けばいいの? 日本人にどうすれば会えるの?

気になるワールドがあれば、まずはそこに行ってみましょう。メニューのワールド一覧から気になるワールドを探して行ってみるのもオススメです。

もし「日本人の友人を作る」のが目的であれば、「日本人向けの集会所」ワールドへ行くのがオススメです。日本人ユーザーに高確率で出会え、コミュニケーションをとることができるはずです。

特に有名なのは「[JP] Tutorial world」です。その名の通り、「VRChat」の基本操作の説明がくまなく掲示されています。初心者案内が好きな人もよく訪れているので、いろいろな人に連れられながら操作をおぼえることもできます。

[JP] USiOPORT ウシヲポート」もオススメです。日本人が集まりやすいイベントやコミュニティ、たくさんのワールドが紹介されています。ワールドのポータルも呼び出せるため、ここから気になるワールドへ直接行ってみることもできます。もちろん、いろいろな人が滞在しているため、交友関係も広がるかもしれません。

ほかにも、「Quest日本集会場 [JP]Quest Japanese Shukaijou queshu」「Japan Talk Room 日本人向け談話室 [ JTR JP ]」「日本語話者向け集会場「FUJIYAMA」」など、人が集まるワールドは様々。最初のうちは、いろいろとめぐってみるのがオススメです。

設定メニューが全然分からないんだけど、どういう設定がいい?

基本的にデフォルトの設定のまま、しばらく遊んでも大丈夫です。ただし「Settings」の「Comfort & Safety」のうち、以下の設定は確認しておくとよいでしょう。

・Personal Space
自分にある程度近づいたユーザーを自動で非表示にします。慣れないうちは悪意あるユーザーの接近を遮断できるのでONでも大丈夫ですが、「いっしょに記念撮影」という場面では他の人が映らなくなるので、OFFにすることをオススメします。

・Show Community Labs
ワールド検索時に、「Community Labs」に属しているワールドも表示するようにします。
「Community Labs」とは、「VRChat」でアップロードされたワールドが最初に属する場所で、ある程度人が訪れると「Community Labs」から抜け、通常の検索に表示されるようになります。これはOFFにしても問題ありませんが、魅力的なワールドは「Community Labs」にも眠っていることがあるので、ワールド探索が好きになったらONにしてみるとよいでしょう。

・Allow Untrusted URLs
ONにすることで、様々なURLを読み込めるようになります。主にワールド内の動画プレイヤーなどで動画を見る際には、この設定はONが必須となります。治安の悪いワールドなどをメインに歩かない限りは、常時ONでも大丈夫です。

そのほか、必要な設定は以下でもご紹介するほか、以下の記事もご参照ください。

人と会うときは何に注意した方がいい?

大前提として、「VRChat」で出会う人は血肉の通った人間です。NPCではありません。どのような姿であっても、現実と同じように失礼のないように接しましょう。当然ですが、セクハラ、パワハラなどはNGです。相手が「いやだ!」と伝えたことを、おもしろおかしくやり続けないように!

※利用規約・ガイドラインにて禁止されていることもあります。詳細は以下の記事をご参照ください。

一方、人と会う上で機能的に注意するべきこととしては、会話する場合は自分のマイクがミュートになっていないか確認しておきましょう。設定によっては、「Push to Talk(ボタンを押してる間だけマイクが有効)」となっていることもあるため、この操作が面倒な人は「Toggle Mic(ボタンでマイクON・OFFが切り替わる)」にしておくとよいでしょう。

また、設定によっては相手のアバターがちゃんと表示されないこともあります。必要であれば、こちらの記事を参考に相手のアバターを表示する操作を行いましょう。

ワープじゃなくて、ちゃんと歩きたい!

クイックメニューを開き、歯車マークの設定タブを開きましょう。「Accessibility」の欄で、「Comfort Mode」の欄が一番右のマークにチェックがついている時、移動方法はワープのような「Holoport」となります。

この動き方はVR酔いが起きにくいですが、少し没入感を削ぐものです。スティックを倒した方向にスライドして動くようにするには、「Comfort Mode」の欄で一番右以外の設定を選択しましょう。

真ん中の2つは、移動時に視野を狭める設定になります。これはVR酔いを軽減しやすくなる効果があるため、VRに不慣れな人にオススメです。

一度は行った方がいいおすすめワールドはある?

ワールド一覧の「Spotlight – PC」「Spotlight – Cross Platform」にあるワールドが特におすすめです。

ここに表示されたワールドは、「VRChat」が公式におすすめしているワールドです。ワールドの質や体験が特に優れたものが多いので、ぜひチェックしてみましょう。なお、「Spotlight – PC」はPC版専用ワールド、「Spotlight – Cross Platform」はQuest対応ワールドが表示されます。

2022年11月時点で「Spotlight – PC」に表示されているワールドの中でも、「PROJECT˸ SUMMER FLARE」はゲームの主人公になれるような体験や演出、壮大で謎に満ちたシナリオが人気を博しており、特におすすめできるワールドのひとつ。体験時間は2〜3時間ほどを想定しているので、「VRChat」に慣れたらぜひ挑んでみてください。

また、同じく「Spotlight – PC」に表示されている「Shader Fes 2021」など、アート作品を体験できる美術館・ギャラリーワールドもおすすめです。こちらは「VRChat」を始めたばかりの人でも体験しやすいワールドが多いです。

人が多いのが苦手……一人でも遊べるワールドはある?

初対面の人とのコミュニケーションが苦手な人でも、「VRChat」で楽しめるワールドは豊富にあります。というより、「VRChat」にあるほぼ全てのワールドは、自分ひとりだけで遊ぶことができます。


その方法はシンプル。プライベート設定のワールドに入ればOKです。ワールドのページを開いた後、「New Instance」を選択し、現れたメニューから「Invite+」か「Invite」を選択。その後「Join」をクリックすれば、「自分が招待した人だけが入れるワールド」に行くことができます。

この状態であれば、あなたが招待をOKしない限り、一人っきりでワールドを探索することができます。「VRChat」での人付き合いに慣れていない人や、自分のペースでワールドを鑑賞したい人にオススメです。

ちなみに、「VRChat」では「ワールド」とはたったひとつの空間ではなく、ワールドの元のデータから、実際に入場できる空間を無数に作成することができます。この実際に入場できる空間は「インスタンス」と呼ばれており、上記で作成したのは「自分が招待した人だけが入れるワールドのインスタンス」である、ことはおぼえておきましょう。

ワールドとインスタンスのより詳しい仕様などについては、下記の記事もご参照ください。

重すぎて動かない……どうするべき?

まずはグラフィック設定を下げるところから始めましょう。「Performance」にある設定のうち、映像クオリティ「Graphics Quality」と、アンチエイリアス設定「Multisample Anti-Aliasing」を、それぞれ下の設定にするだけで、かなりのケースで動作改善が見込めます。

もちろん、この設定を下げるとグラフィックの質が落ちます。「きれいなワールドやアバターが見たい!」と思った時には、この設定を引き上げましょう。

上記以外にも、重すぎて動かないときの対処法はいくつかあります。詳細は下記の記事をご参照ください。

アバターをアップロードできない!

「VRChat」を始めた直後は、アバターやワールドをアップロードすることはできません。アバターをアップロードするためには、自分のアカウントの「Trust Rank」を「New User」に昇格させる必要があります。

「Trust Rank」は、「Visitor」から始まり、「New User」「User」「Known User」「Trusted User」の順に昇格していきます。明確な条件は明かされていませんが、「VRChat」のプレイ時間やフレンド人数に応じて昇格していくと言われています。

「目的がないなら最初は『誰かに出会う』ことを目的にするとよい」とお伝えしたのは、こうした理由もあるためです。

アバターの改変って?

市販のアバターを、自分好みにデザインを変えることを、俗に「アバター改変」と呼びます。デフォルトの状態から、カラーリング、髪型、衣装、アクセサリーなどをカスタマイズすることで、自分らしいオリジナリティあるアバターを用意できます。

「VRChat」においては、少なくないユーザーがアバター改変を行っています。主な作業は、ゲーム開発プラットフォーム「Unity」で行うため、最初のハードルは若干高めです。ただし、カラーリング変更くらいであれば、必要な手順はほぼ決まりきっています。

アバター改変については、以下の記事もご参照ください。

「Public」って?「リクイン」って?「Join」って?

「VRChat」には、かなり複雑なソーシャルシステムが搭載されています。ワールドの公開設定、ユーザーへの会い方、自分のユーザーステータスなどが、複雑に絡みあっており、とてもわかりにくいですが、細かな制御を効かせられるというメリットもあります。

「VRChat」のソーシャルシステムについては、以下の記事もご参照ください。

有名なゲームのアバターやワールドもありますか?

「VRChat」の中には、有名なゲームに登場した空間そのままのワールドや、3Dキャラクターモデルが設置されたワールドが存在します。

しかし、多くはゲームから抜き出したデータを、無許諾でアップロードしたものです。こうしたワールドを配信で映したり、アバターを使ったりするのは、権利的な問題が生じることがあるので、遠ざけておくべきです。

ごく一部、ファンメイドコンテンツとして手作りされたものもあるにはありますが、グレーゾーンの域を出ないため、扱いには細心の注意を払うべきです。よくわからなければ、配信などに使うのは避けましょう。

ほかに覚えておくと便利なことやコツってありますか?

数多くあります! 知っておくと便利な機能や設定、外部アプリケーションをまとめた記事をご用意しておりますので、ぜひこちらもご参照ください。

もっとVRChatの情報を知りたい!

MoguLiveでは、「VRChat」に関する最新情報を日々取り上げています。おすすめのワールドや、システム解説、アバターに関する情報など、様々な情報を発信していますので、ぜひチェックしてください!


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード