12月13日にオープンした、「カラオケまねきねこ」メタバース店。全国に600店舗を展開するおなじみのカラオケ店が、ソーシャルVRサービス「VRChat」の特設ワールド（Quest対応）として、1週間の期間限定で開店しています。
オープンを記念して、12日夜にはオープニングセレモニー「まねきVerse」が開催。全国各地で活躍中のご当地VTuberをゲストに迎え、現実さながらのカラオケルームで、歌って・はしゃいで・楽しむ様子が配信されました。
今回筆者は、オープニングセレモニーをVRの「現地」で拝見しました。本記事では、本イベントの様子を、配信とは異なる角度の写真とあわせてお伝えします。カラオケを楽しむVTuberさんたちの様子と「カラオケルームらしさ」が伝われば幸いです。
※セレモニーの様子はおきゅたんbotさんのチャンネルにてアーカイブを視聴可能です。
メタバースの「まねきねこ」は夜空に浮かんでいる！？
「カラオケまねきねこ」のメタバース店がオープンしたのは、どこかの駅前……でも、車の多いロードサイド……でもなく、なんと空の上！ 上空から夜の街並みを一望でき、ゆったりと飛行する気球に、まねきねこメタバース店はあります。
ワールドを訪れるとまず夜空と夜景が目に入り、後ろを振り向くと、そこにはおなじみのカラオケ店。見慣れたロゴと、時折動いてポーズを変える「まねっきー」が目に入ります。
ワールド制作を担当したのは、VR蕎麦屋タナベさん。過去には「NISSAN CROSSING」などの企業公式ワールドも手掛けたワールドクリエイターです。
イベント後にうかがったお話によると、今回の制作にあたっては、VRChatにあるカラオケワールド「カラオケスパージア」の制作者・Rseaさんにもサポートしてもらっているのだとか。そのうえでまねきねこの実店舗からニュアンスを汲み取りつつ、「キッズルームがあって家族で楽しめる」というイメージから、カラフルでポップな内装をデザインされたそうです。
また、このメタバース店では、まねきねこ渋谷本店に実在する複数のエンタメルームを再現。もともとは「カラオケ店を作ってほしい」とオファーをいただいていたそうですが、まねきねこについて調べているうちに「楽しくなっちゃった」のだというタナベさん。結果、これらのルームも実装するに至ったのだと話されていました。
まねきねこメタバース店にご当地VTuber5人が集合！
（まねっきーのアバター制作は努武衛門さんが担当されています）
オープニングセレモニー当日。おきゅたんbotさんの配信は、VTuber5人が待ち合わせるところから始まりました。
この日集まったのは、おきゅたんbotさん（東京都）を含む5人のご当地VTuber。青森りんこさん（青森県）、春日部つくしさん（埼玉県）、戸定梨香さん（千葉県松戸市）、理原ひなりさん（大分県）。
和気あいあいと話す様子は「年頃の女の子がカラオケ前で待ち合わせ中」というシチュエーションにも見えますが、一方ではちょっとした“領土問題”も勃発。
「ここはどこの上空なのか」と議論が始まり、「ありがとうございます！ 松戸を再現していただいて！」と話す戸定梨香さんに対して、「待って！ よく見て、あのタワー！ これは埼玉タワーってやつで……あれは港ですね、埼玉県の」と春日部つくしさんが主張する一幕がありました。
そんなこんなで早くも大盛りあがり（？）の一行ですが、おきゅたんさんに促されるようにして後ろを振り返り、カラオケ店の外観が目に入ると、さらにテンションが急上昇。動くまねっきーに歓声をあげつつ、店内へと向かいます。
建物の中に入ると、そこはまさに「カラオケの店内」。正面の受付では店員さん（タナベさん）が接客中で、両脇にはまねっきーもいます。ポップで楽しげな空間と、踊り続けるまねっきー、カラオケでおなじみのドリンクバーの存在などに目を輝かせていました。
店員さん（タナベさん）に案内されて最初に入ったのは、壁がスクリーンになっている部屋。こちらは、まねきねこ渋谷本店にある「GROOVING BOX」を再現した場所で、3面プロジェクションで空間ごと盛り上がれる部屋となっているそうです。
配信では映像の同期がうまくいかない場面もありましたが、YouTubeのURLを入力すると、壁面で映像を再生することが可能。臨場感のあるカラオケ体験ができます。
続いて一行が訪れたのは、カラオケルームというよりはライブステージのような部屋。ここではオープニングセレモニーの皮切りとして、カラオケまねきねこを運営する株式会社コシダカさんによる会社説明が行われました。
先ほどまでのポップな店内とは別物に感じますが、なんとこの空間も、まねきねこ渋谷本店に実在するパーティールームなのだそう。本格的な演出機器を扱える実店舗の巨大ライブルームを、このメタバース店でも再現しているのだそうです。
パーティールームで大盛りあがり！カラオケならではの体験と演出も
部屋を移動したら、いよいよカラオケ大会がスタート！ ドリンクバーまで完備した大部屋のパーティールームで、各々が曲を入れて歌声を披露しました。
タンバリンを片手に、合いの手も入れつつ複数人で盛り上がれるのは、カラオケ配信とも音楽ライブとも異なる、「カラオケに遊びに来た」体験そのもの。メディア陣も取材であることを一瞬忘れ、音楽に乗って手を振らずにはいられませんでした。
（1曲目は戸定梨香さんが「タチアガレ！」を入れてスタート）
（春日部つくしさんが「冬のVRChatっぽい曲」として入れたのは、「ロマンスの神様」）
（「落ち着いた曲」として理原ひなりさんが選んだのは、「水の星へ愛をこめて」）
（アイドル繋がりで「夢冒険」をキュートに歌い上げたおきゅたんbotさん）
（青森りんこさんも続けてアイドルソング！「キラメキラリ」を歌いました）
こちらのパーティールームにはいくつかのギミックがあり、スポットライトやミラーボール、レーザービームといった光の演出のほか、スイッチひとつで周囲の壁が夜景に切り替わるようにもなっています。
歌と歌の合間には、インターホンで注文した食べ物（たこ焼き10人前、ポテト、から揚げ、ピザ、焼きそば）を店員さん（タナベさん）が届けに来る、といった場面も。目の前で繰り広げられるあれやこれやが、本当にリアルの「カラオケ」に来ているかのようでした。
1人1曲ずつ歌い終えたところで、カラオケをさらに楽しむためのギミックが紹介されました。「おもしろい部屋があるんですよ！」と店員さん（タナベさん）によって案内されたのは、パーティールームからは少し離れた場所にあるグリーンバックルームです。こちらもやはり、まねきねこ渋谷本店にある部屋の再現なのだそう。
渋谷本店では、この部屋でレコーディングやミュージックビデオ風の撮影ができます。メタバース店ではいくつかの背景を用意しており、カメラの前に立つと、その映像を各カラオケルームで映し出すことができるそうです。即興の「カラオケ映像」として、踊ったり演じたりして楽しむこともできそうですね。
（夜の観覧車と春日部つくしさんをバックに、「Snow halation」を歌う戸定梨香さん。西武園ゆうえんちかな？）
（公園にいる戸定梨香さんをバックに、「恋のバカンス」を歌った「おきゅひなbot」の2人）
本格的なステージでも歌えちゃう！
「せっかくなら大きなステージでも歌いたい！」ということで、最後に向かったのは先ほどのライブルーム。この楽しいカラオケパーティーのクライマックスとして、そしてオープニングセレモニーの締めくくりとして、5人がステージに立って歌声を披露しました。
（いの一番に春日部つくしさんが歌ったのは、「君の知らない物語」。途中でうっかり“彦星様”が2人になるも、即座に立て直す対応力が輝いていました）
（理原ひなりさんは「乙女のポリシー」を選曲。かわいらしく安定感のある歌声が素敵！）
（同じく恋心を歌った楽曲として、おきゅたんbotさんが選んだのは「メランコリック」。コロコロと変わる表情がかわいい！）
（青森りんこさんが歌ったのは、「天下無双ワンチャンス」。麻雀好きVTuber6人によるオリジナルソングを見事に1人で歌い上げました）
（ラストは戸定梨香さん＆春日部つくしさんの2人で「コネクト」を歌唱。千葉＆埼玉の関東チームによる夢のステージが実現しました）
最後にステージ上と店舗入口で記念撮影をして、オープニングセレモニーは閉幕。
約2時間の長丁場でしたが、「メタバースでのカラオケ体験」の魅力と可能性を強く感じさせられる楽しいひとときとなりました。みなさんの歌声とカラオケルームでの様子は、おきゅたんさんのYouTubeチャンネルで配信アーカイブが公開されています。ぜひそちらもチェックしてみてください。
また、このイベントの舞台となった「カラオケまねきねこ」メタバース店は、VRChatでワールドとして公開中。12月20日（火）までの期間限定となりますが、誰でも店内に入ってカラオケを楽しむことができます。Meta Quest 2にも対応していますので、フレンドと一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。
イベント＆ワールド情報
アクセス：karaoke-manekineko – VRChat
ハッシュタグ：#まねきVerse
配信アーカイブ：https://www.youtube.com/watch?v=wqa4x-g0aAU
ワールド制作：VR蕎麦屋タナベ
主催：株式会社コシダカ：https://www.koshidakaholdings.co.jp/ja/corporate/group/koshidaka.html
協力：株式会社tenshabi
一部写真撮影：えこちんさん
