マイクロソフトが、MR(Mixed Reality / 複合現実)部門におけるさらなる再編を発表しました。CNBCが伝えています。複数の従業員をレイオフする一方、MRデバイス「HoloLens 2」の販売は継続されます。
さらなる組織再編、「HoloLens 2」やソフトウェアへの取り組み継続
今回、マイクロソフトのスポークスマンは、MR部門の再編を発表する一方で、HoloLens 2への取り組みを継続することを明らかにしています。米国陸軍のHoloLensの軍事導入プログラムに対する全面的なコミットメントを継続し、先端技術の提供を続けます。また、広範なMRエコシステムを支援するために、「Windows 365」などへの投資も続ける旨をコメントしました。
なお、マイクロソフトの「HoloLens 2」は、2019年に発売されて以来、商業的に大きな成功は収めていません。一方でビジネスや製造分野での利活用に伴うROIの向上が報告されたほか、米国陸軍からは改良されたHoloLensを用いた統合視覚増強システム(IVAS)の契約を獲得しています。IVASは吐き気や頭痛などのトラブルも抱えていましたが、後に大規模な更新と改善を実施。受注を継続しています。
マイクロソフトは2022年以降、XRに関する方針を大きく転換しています。主にハードウェアやユーザー向けメタバースプラットフォームのサポートを終了するほか、レイオフを継続しており、徐々に展開を縮小させていることが伺えます。
一方で、XR/メタバース分野への投資は継続する旨を複数回にわたって表明。Metaとの長期的な戦略的提携を結び、ゲーム分野、および生産性向上や製造・デザイン分野でのソフトウェア面における取り組みを続けています。現状は「ハードウェアとOSはMetaに任せ、ソフトウェアやインフラはマイクロソフト製品を推進」という棲み分けを意識しているものと予想されます。