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企業動向 2023.12.27

マイクロソフト、VRヘッドセット「Windows MR」系列を終了へ。2024年にはWindows11から削除予定

マイクロソフトは12月20日、「Windows Mixed Reality」をWindows 11の非推奨機能リストに追加しました。2017年前後から展開を行っていたVRヘッドセット「Windows Mixed Reality Headset」は、2024年後半以降、利用が困難になります。同社は今後、MRデバイス「HoloLens」や、各種MRソリューション、インフラサービスなどに注力すると思われます。

「WinMR」関連ソフトは今後のリリースで削除予定

「Windows Mixed Reality(Windows MR)」は2017年に展開が始まったVRヘッドセット、およびそれらを動作させるためのシステム名です。HPやAcer、Dell、サムスン、富士通といったメーカー各社が、このシステムを搭載したVRヘッドセット「Windows Mixed Reality Headset」を開発していました。

 

 

2019年にはSteamのハードウェア利用状況に関する統計で10%弱を占めるなど、一定の市場シェアを占めていましたが、近年でのシェア率は一桁台に低下。上述のメーカーのうち、HPのみは「Reverb G2」といった新機種を開発するなど、取り組みを継続していました。

 

 

「Windows MR」に関連するソフトウェアは、今後のリリースで削除される予定です。Mixed Reality ポータル、(ベータ版を含む)SteamVR用「Windows Mixed Reality」なども使えなくなります。


(「Windows Mixed Reality」が非推奨機能リストに追加されている。出所:マイクロソフト)

方針を転換するマイクロソフト

マイクロソフトは2023年1月に、全従業員の5%に当たるレイオフを発表。「MRTK(Mixed Reality Tool Kit)」開発チームが解散したほか、ソーシャルVR「AltSpaceVR」をサービス終了。「Azure Kinect Developer Kit」の生産を中国メーカーに事業継承するなど、MR分野の戦略変更を進めていました。

その一方で、同社はXR/メタバース分野への継続投資をたびたび表明。「Microsoft HoloLens」向けMRアプリ「Dynamics 365 Guides」に新機能を実装したり、「Microsoft Teams」にメタバース「Mircosoft Mesh」を追加しています。2023年9月には、「HoloLens 2」をベースにした特注のMRデバイスが、米陸軍の運用テストに合格。1.6億ドル規模の追加契約を獲得しています。

 

(参考)マイクロソフト


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