マイクロソフトの軍用MRヘッドセットが米陸軍の試験運用に合格し、追加契約を受注しました。同社は現契約に加え、1億6500万ドル(約243億円)を確保したと見られます。Bloombergが報じました。
米陸軍とマイクロソフトは、2021年からMRヘッドセットを活用した「統合視覚増強システム」(Integrated Visual Augmentation System: IVAS)の研究開発を進めてきました。IVASにはマイクロソフトの「HoloLens 2」が採用されましたが、実戦形式のテストで多くの兵士が不調を訴え、一時は米国議会が陸軍の予算要求を拒否。当初要求から90%以上減額した4,000万ドル(約59億円)で予算承認が行われていました。
現場のフィードバックを受けた製品改良に成功
Bloombergによれば、マイクロソフトは兵士からのフィードバックをもとにMRデバイスを改良しています。新バージョンでは、軽量化や暗視機能の向上といった改良が加えられ、射撃訓練ツールなどのMRアプリも搭載されたとのこと。
今回の試験運用での合格を受け、マイクロソフトは現契約に加えて1億6500万ドル(約243億円)を確保したほか、さらに7,600万ドル(約112億)を獲得する見込みです。本システムは2025年までに実戦投入を目指しており、米陸軍のIVASプロダクト・マネージャーであるDenny Dresch氏は、取材に対して「機会があれば大隊規模の運用テストを行いたい」と実用化への意欲を語りました。