VRヘッドセットや3D眼鏡を使わずに3D映像を体験できる、裸眼立体視ディスプレイ。米国のLight Field Lab社は、この中でも突出する技術を発表しました。超高画素のパネルを組み合わせればディスプレイの巨大化も可能。現実と見紛うホログラムを実現するというものです。
創業4年のデバイス不要技術
Light Field Labは2017年、3Dキャプチャシステムの古参企業Lytro(2018年閉鎖)の元メンバーを中心にカリフォルニアで創業されました。創業直後から資金調達に成功し、日本のNTTドコモベンチャーズなども参加しています。
しかし具体的な製品や技術デモは、ほとんど公にされてきませんでした。
巨大化も可能な超高画素パネル
今回同社が発表したのは、ホログラフィックプラットフォーム「SolidLight System」です。28インチサイズのパネルで最大画素25億ピクセルを実現。さらにパネルを組み合わせて、好きなサイズのディスプレイを作成できると謳います。3DCGを映す巨大な壁面を作ることも可能です。公式サイトのイメージ動画には、「クロス新宿ビジョン」のようなビルの上の3D広告も見られます。
オブジェクトは動きや光の反射も反映し、見物人が動くと現実のように見え方が変わってくるということです。
Light Field Labによると、SolidLight Systemは以下のような特徴を備えます。
SolidLight Surface Panel
ベゼルレスの29インチパネルを使い、ほぼ上限無くディスプレイの拡大、カスタマイズが可能です。通常の3Dオブジェクトであれば画素数25億ピクセル、1平方メートル辺りの画素密度は100億ピクセルに達します。
SolidLight Relay
ホログラフィックオブジェクトを物理的な空間に配置します。現実のオブジェクトとの前後関係なども反映します。
SolidLight WaveTracer
コンテンツ開発用の独自ソフトウェア、プラグインで、3Dコンテンツをリアルタイムで作成したり、オフラインでレンダリングするといったことが可能です。
2022年から量産フェーズへ
CEOのJon Karafin氏は、SolidLightが既存のどのソリューションとも異なると自負しています。「SolidLightの(3D)オブジェクトに触れてみて初めて、それが現実にはないものだと気づくでしょう。SolidLightはリアルに見えるもの、という存在を再定義し、視覚を通じたコミュニケーション、視聴者のエンゲージメント、顧客体験というものを完全に変えます」と同氏は語りました。
公式サイトでは、プレオーダーを受け付けています。生産規模の拡大は2022年を予定し、価格等は非公表です。
同社によれば2019年にも量産試作の限定的な販売を行い、引き合いは非常に良かったとのこと。今後1~3年間で、商用アプリケーションの登場を見込んでいます。
裸眼立体視ディスプレイの他社事例についてはこちらから。
(参考)VRScout
Mogura VRはVRScoutのパートナーメディアです。