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VRで独走する巨人・Facebook その好調の理由と見えている“アキレス腱”

2020年10月、Facebookから発売された一体型VRヘッドセットOculus Quest 2が好調だ。世界同時発売となったOculus Quest 2は、Facebook製のVRヘッドセットとしては初めて家電量販店でも販売されることとなった。日本円にして3万円台のこのデバイスは、Superdataの試算では2020年末までに世界で100万台以上を売り上げたという。Facebookの広告外収益が急増していることからも、Quest 2の売れ行きは順調なようだ。

これまで最も多く販売されたVRデバイスはソニーのPlayStation VR(PSVR)だが、2016年に発売されたPSVRの販売ペースはすでに息切れ気味だ。Quest 2はその記録を塗り替えるかもしれない。本記事では2021年の序盤における、FacebookのVR戦略について考察する。

「VRゲームは収益が出ない」イメージの払拭へ

Facebook自身はVRヘッドセットの具体的な出荷台数を一切明らかにしていない。しかし、同社のコンテンツプラットフォームの盛り上がりをアピールする動きはこれまでにないほど活発だ。Facebookはことあるたびに「100万ドル(約1億円)以上を売り上げている作品の数」を発表しており、その本数は増加し続けている。

これは傍から見ると単に喧伝しているだけにも見えなくもない。だが、Facebookがたびたび売上に言及するのにはれっきとした理由がある。

各メーカーからVRヘッドセットが次々と発売された2016年、そしてその後数年間に渡り、コンシューマー向けVR市場への期待値は実態から大きく乖離していた。いわゆる「ハイプ・サイクル」の頂点に達していたのである。VRヘッドセットの売上は急速には伸びず、その結果コンテンツも思うような売上を達成できなかったものが多く見られた。中にはVRヘッドセットの爆発的な普及を見込み、莫大な予算をかけて作られたコンテンツもあったようだ。

そして、コンシューマー向けVRコンテンツの最たるものであるVRゲームは不名誉なレッテルを貼られることとなる。「VRゲームを作るのは非常に大変だが、開発費用の回収すらできない」……。世界に名だたるゲームスタジオがコンシューマ向けVRゲーム開発に手を出したが、その取り組みの多くは続かなかった。既存のアセットを使って作った無料コンテンツの配信に留まったものも、両の手に余るほどある。

この数年間、多くのVRゲームスタジオは少しずつコンテンツを作り続けたり、ビジネスの範囲を産業向けに広げたりすることで生き延びてきた。VRアドベンチャーゲーム「Moss」を作ったPolyarc Gamesのパブリッシング・ディレクター、リンカーン・デイヴィス氏は筆者に対し、「不用意にチームを拡大しなければ、細々とでも、VRゲームを作り続けることはできる」と語っている。一部のスタジオはFacebookによる資金援助(起動時などに「Oculus Studio」と表示されるコンテンツは資金提供を受けて作られている)を受けたケースもある。FacebookもVRゲームスタジオも、忍従の時が続いていたと言える。

昨今のFacebookからのコンテンツプラットフォーム好調の報は、明確にゲームスタジオに向けたメッセージだ。もうVRゲームはマネタイズできないとは言わせない。そして、2021年2月はVRゲームスタジオからも様々な指標が一斉に発表されている――「俺たちは生き残ってるばかりか、波に乗り始めたぞ」と言わんばかりに。

・VRゲームの出世頭「Beat Saber」が400万本の販売
・「ポピュレーション:ワン」「Onward」など人気のVRゲームが次々と売上10億円超え
・VR卓球ゲームの「Eleven Table Tennis」はオンライン対戦数が急増
・Questプラットフォームで60タイトル以上が1億円以上の売上(全タイトルのうち30%超)

とりわけ「Beat Saber」の販売数は人気のある家庭用ゲームと比べても遜色ない。500万本まで届けば、「ファイナルファンタジーⅦ リメイク」や「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」と肩を並べることになる(※)。

(※「ファイナルファンタジーⅦ リメイク」の売上本数は2020年8月時点のもの、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」は2020年7月時点のものを参照している)

さらなる追撃の一手「App Lab」

これらの発表とタイミングを合わせて、FacebookはQuestプラットフォームに新たな手を打った。Facebook自らによる公式ストア外プラットフォーム「App Lab」の登場である。App Labは様々な受け止め方をされているが、一つ確実に言えるがあるとすれば、「Quest向けのコンテンツを配信するハードルがなくなった」ということだ。


(App Labで初期配信されたコンテンツの一例。サードパーティーだけでなく、Facebookによる「Spark AR Player」なども並んでいる)

Quest向けの公式アプリストアは、非常に厳しい審査やクオリティチェックで知られている(経験したVRゲーム開発者であれば、誰でも苦笑いしながらその苦労を語ってくれるだろう)。この審査の存在ゆえに、そもそも開発者はQuest向けにリリースできないケースが多々あったのである。いくらQuestでのコンテンツの売れ行きが好調だとしても、壁に阻まれて参入できないのであれば意味がない。

ところがApp Labは、この壁を取り払ってしまった。App Labのコンテンツは公式ストアには陳列されないし、FacebookのPR欄にも乗らないが、あの厳しい審査は存在しない。ガイドラインに従う必要はあるものの、App Labでコンテンツページを作成できるし、URLやキーを配布すれば様々なユーザーがアクセス可能だ。VRに携わる開発者であれば少なからず考えたことがあるであろう、「Quest向けにコンテンツを出しやすくなってほしい」という願いは、完璧ではないにせよ叶えられた形だ。

かつて各社プラットフォームの審査はソニーのPSVRが最も厳しく、ValveのSteamやFacebookのOculus Rift向けストアは比較的緩かった。「まずはPCVR向けに作ってから、QuestやPSVR向けへの移植を考える」が主流だったが、最初からApp Labでのリリースを目指す流れも可能になる。App Labが適切に機能すれば、フィードバック収集のためのアーリーアクセスだけでなく、何らかのメンバーシップ向けの限定配布や即売会での頒布にも使えるだろう。Facebookは「公式ストアで人気の出る・売れるVRコンテンツ」だけでなく、「限定的な規模のVRコンテンツ」や「実験的なVRコンテンツ」もエコシステムの中に取り込もうとしている。

巨人Facebookの足元にある死角とアキレス腱

一時期はHTC、Google、Microsoftなど群雄割拠だったVRヘッドセット市場だが、メインストリームがPC接続型から一体型に移った結果、Facebookが猛攻を繰り広げ、ほぼ一人勝ちとなりつつある。Quest 2やプラットフォームの好調、App Labの登場によるコンテンツの多様化はこの独走状態をさらに加速させる可能性が高い。

筆者も「今買うべきVRヘッドセット」を訊かれたら十中八九Quest 2を挙げる。面白いVRゲームに出会える可能性が高いのもQuest向けプラットフォームだ。PSVRは発売から5年が経過し、徐々に性能的に引き離されつつあるし、ユーザーは次世代機であるPS5に移り始めている。PCVRはクオリティが高いタイトルも多数あるものの、一定以上のスペックを持ったPCが不可欠であることが最大のネックになっている。

独走状態に入った巨人は止まることを知らない。が、弱点はないのだろうか。

まずコンシューマー向けに注力する一方で、死角になっているのは産業利用向けへの対応だ。VRは2018年頃より本格的に産業利用での効果が実証され、導入が加速しているが、この方面へのFacebookのフォローは弱い。Oculus for Businessというプログラムで、商用利用可能な法人版デバイスやビジネス向けの管理ツールなどのプラットフォームを提供しているものの、この法人版デバイスの価格はコンシューマー版のおよそ倍。Quest 2の特長である「安さとクオリティの両立」が殺されてしまっている。また伝え聞いている限りでは、特に日本国内からは窓口へのコンタクトに難があるようで、スムーズに導入できている例がどれほどあるのかは疑わしい。


(Oculus for Businessの日本語版ページより。256GB版が799ドル、かつ送料がかかる。なお参考までに、コンシューマー向けOculus Quest 2の256GB版は399ドル、送料は基本的に無料だ)

Facebookが攻めあぐねている間に様々なVRハードウェア企業が産業向けにシフトし、VRヘッドセットをめぐる様相は大きく変化した。日本における3DoFの一体型VRヘッドセットの商用利用はOculus GoではなくPico社の一体型VRヘッドセットが使われるケースも多くなっている。小売大手であるウォルマートへのOculus Goの大量導入を発表し、その後もビジネス向けの強化や数々の実績を語っているものの、日本からするとまさしく遠い国の話のようである。

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そして巨人には死角だけでなくアキレス腱もある。それはFacebook自体が抱えているリスクでもあるが、プライバシー管理、個人データへの厳しい市民感情だQuest 2の使用にFacebookアカウントが必須であることへの問題提起や反発は日本でも少なからず起きているし、Quest 2の発売直後はFacebookアカウント凍結問題なども発生した。最近では個人データの取得に関し、Appleのティム・クックCEOから(名指しでこそないものの)強い批判を受けている。

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現時点のFacebookのポジショニングは「Quest 2以上に手頃かつ高性能なデバイスがない」からこそであり、今後のさじ加減と競合するVRデバイスの状況によっては求心力を失ってしまうことも大いにありえるだろう。この勢力図が塗り変わる日は来るのか。噂されているアップルのVRヘッドセットか、PSVR後継機か、はたまた……VRの巨人と化したFacebookの行く末には、何が待ち受けているのだろうか。


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