米国の小売大手のウォルマートは、従業員向けのVRトレーニングを導入しています。同社がトレーニング用に、17,000台の一体型VRヘッドセットOculus Goを購入したことが明らかになりました。
Oculus Goは、全スーパーセンターに4台ずつ、各地の小型店舗に2台ずつ、年内に配布される予定です。ウォルマートによれば、デバイスを使って「新技術、共感のようなソフト面のスキル、カスタマーサービス、コンプライアンス」に関するトレーニングを行えるということです。
講師が不要のVRトレーニング
ウォルマートは2017年から、スポーツトレーニングでのVR活用を提案しているSTRIVR Labsと提携してVRによる従業員教育を進めています。今年の夏には、来店者が事前にオンラインで注文した荷物を受け取る”Pickup Tower”の使い方を学ぶトレーニングを試行しました。
ウォルマートは自社のブログの中で「VRのおかげで、実際にタワーが設置される前からトレーニングを行うことができました。講師も必要ありません」と記しています。
300万ドル規模の投資、その効果は
今回の教育への投資規模は、約200ドルのヘッドセット17,000台で約350万ドル(約3.9億円)。これにSTRIVRのトレーニングプログラム費用が加わります。ウォルマートのような規模の企業にとっては、非常に大きいコストというわけでもありません。同社のVRトレーニングが成功を収めれば、他の企業でも追随する動きが出て可能性があります。
また従業員がOculus Goに触れてVRトレーニングを楽しむことにより、その魅力に気づくという効果も期待されます。
もし店頭でVRヘッドセットを販売するようなことになればウォルマートの店員は自分のVR体験を来店客に話し、魅力を伝えることが出来るでしょう。
VRに関するウォルマートの取組は、こちらの記事でも紹介しています。
(参考)UploadVR