コロラド州立大学(CSU)は、同時に最大100人の学生が授業を受けられるVRラボを設立しました。同ラボはCSUの新施設「Health Education Outreach Center」の一部。独自にカスタムされたソフトを通して、等身大の解剖用人体や医療用画像を、VR空間内で見ることができます。
学生と講師が3D画像を同じ空間内で同時に見られる
同大学の生物医学科学部のメンバーであり、ラボのオペレーターの1人であるジョーダン・ネルソン氏によると「ラボには4台ずつグルーピングされた計100台のVRヘッドセットがあり、学生と講師が複雑な3D解剖画像を共有仮想空間で同時に見ることができます」とのこと。
またネルソン氏は「このVR実験は解剖学の授業の一部で、学生は通常の実験に加えてVR映像を通じた調査や診断をしたり診断結果をiPad上で処理したりながら、実際の解剖用人体について学ぶのです」と説明します。
ラボの目的に合わせてソフトウェアを独自開発
同ラボにはサムスンのVRヘッドセット「Odyssey +」100台と、ヘッドセットに接続するHP製のPC100台が配備。ヘッドセットにはCSUの研究員、Chad Eitel氏によって開発された「BananaVision」というソフトウェアが使用されています。
「ラボで使用されるBananaVisionは、CSUの解剖学カリキュラム専用に開発されたものです。BananaVisionでは、同じ仮想物体に対してグループ全員が同時に作業をすることができます。また、講師は教室の最前席から各グループの仮想ルームに参加できます」とネルソン氏。
さらにネルソン氏は「学生は仮想空間内で解剖用人体を分析したり、断面画像を作成したり、多様で大量の医療画像の研究を学期中いつでもすることができます。私たちは実践的かつエキサイティング、さらに理解しやすくインパクトのある解剖学カリキュラムを作成することに努めました」とも語っています。
ラボの目的は「既存の教育手法を置き換えることではない」
新しい技術によって解剖学がより直感的な視覚化を果たす一方で、ネルソン氏は「同ラボの目的は既存の教育方法を補完することであり、これまでの手法に取って代わるものではありません。カリキュラムを補完するためです」とも述べています。
(参考)Road to VR
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