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MoguraVR

ARグラスで何ができる? KDDIがメガネ型デバイスNrealLightに入れ込むワケ

2020年12月8日から10日の3日間にわたって開催された、国内最大級のVR/AR/MRカンファレンス「XR Kaigi 2020」。期間中に行われた50以上のセッションの中から、あらためて振り返っておきたいセッションをMogura VR編集部がピックアップ。今回はKDDIのセッション「5G時代のXR ~ついに?! コンシューマ向けスマートグラス、スマホとMobileEdgeComputing、その先へ」のレポートです(※記事内に登場する各種データはXR Kaigi 2020開催当時のもの)。

「みんなの5G」のスローガンの下、NrealLightを投入

セッションに登壇したKDDIの上月勝博氏は、同社では「みんなの5G」をキーワードに、5Gの普及と利用に向けて取り組んでいると説明。現在はまだビジネス用途のイメージが強い5Gを一般ユーザーも使いやすいものにしたいと語りました。その一環として、KDDIでは今後販売するスマートフォン端末をすべて5G対応にするほか、「みんなの5G」を拡張するための新たなMRデバイス「NrealLight」の一般販売を2021年12月1日から開始しました。

「みんなの5G」を拡張するNrealLight

KDDIはNrealLightを開発する中国企業Nrealと2019年5月に戦略的パートナーシップを締結。NrealLightの国内展開に向けて協力を続けたのち、同製品のコンシューマー版販売に至りました。

https://www.youtube.com/watch?v=WdrIGXdhbME

セッションでは動画による製品紹介に続き、これまでに実施されたNrealLightの活用事例が紹介されました。


(NrealLightを利用した取り組み事例。製品の店舗展示はKDDIが世界初だという)

セッションでは事例の中から、東京国立博物館で開催された「国宝『聖徳太子絵伝』 ARでたどる聖徳太子の生涯」や、横浜で開催された展示会「バンクシー展 天才か反逆者か」、また、開発支援プログラム「EVE2020」などを紹介。続けて上月氏からは聖徳太子絵伝に関するより詳しい解説が行われました。

国宝『聖徳太子絵伝』 ARでたどる聖徳太子の生涯


(2020年9月末から10月末にかけて開催された「国宝『聖徳太子絵伝』 ARでたどる聖徳太子の生涯」)

「国宝『聖徳太子絵伝』 ARでたどる聖徳太子の生涯」は、普段なかなか本物を見ることができない国宝を、より詳しいガイド付きで案内するサービス。NrealLightやスマートフォンをかざして、絵の好きな箇所をより高精細な画像データで見たり、絵の解説をインタラクティブに見たり聞いたりできるというものです。


(巨大なデータをNrealLightで見せるための仕組みを解説)

東京国立博物館では以前からこの8K解像度でデジタル化された「聖徳太子絵伝」のデータを持っていましたが、ファイルサイズが数百GBもあり、スマートフォンなどの携帯デバイスで扱うのは困難でした。

KDDIではその巨大なデータを同社の5Gネットワークの中にあるエッジクラウドに保存し、高精細なストリーミングデータとして5G経由でユーザーのデバイスに送るという試みを実施しました。NrealLightでユーザーが絵のどの辺りを見ているかを解析し、その部分に該当する高精細のデータをサーバーから送るという仕組みになっているとのことです。

開発者版とは異なるNrealLightのデザイン

続いてはNrealLightのデザインやスペックの解説。上月氏によれば、NrealLightのデザインやスペックは、コンシューマー版と開発者版では違いがあるそうです。


(開発者版とは細部が異なるコンシューマー版NrealLight)

例えば本体の色については、コンシューマー版ではできるだけ普通のサングラスに近い形を目指し、開発者版で採用していたオレンジやブルーを避け、あえて目立たないダークグレーにしたといいます。

また、重量が当初発表時の88グラムから106グラムになっているのは、製品改良の結果によるもの。成型自体が変更になっているほか、中に搭載されている基盤パーツも熱対策のために分割・再配置するなどしているほか、耐久性や装着性の部分で細かな改良が加えられているそうです。USB-Cケーブルに関しても、安定して高速データ通信ができるよう検証を重ねた結果、最終的に製品版に同梱されているケーブルに行き着いたとのことです。

その他にもコンシューマー版には矯正レンズフレーム、外からの光を遮断するためのVRカバー、高さの異なる4種類のノーズパッドなど、より多くのユーザーにフィットするようなアイテムが同梱されています。


(コンシューマー版NrealLight一式。矯正レンズフレームは特にふだんメガネをかけているユーザーからの要望が多かったという)

NrealLightの商用化にはKDDIとNreal社のほか、米半導体メーカー・クアルコムも大きく関わっているといいます。NrealLightに接続するスマートフォンに搭載されているCPU(Snapdragon855)がクアルコム製であることもそうですが、もともとKDDIとNreal社が提携するきっかけを作ったのはクアルコムだという話も明かされました。

屋内でも屋外でも。NrealLightの想定利用シーン

NrealLightの利用シーンとして上月氏は「自宅での動画視聴」「外出中での動画視聴」の2つを挙げ、それぞれについて解説しました。

自宅での動画視聴


(自宅であれば、手ぶらかつリラックスした姿勢で動画視聴を楽しめる)

自宅での動画視聴は、製品販売前に社内で行った試用や調査の結果出てきたものだとのこと。NrealLightが提供する価値としては「大画面」「マルチウィンドウ」「プライベート性」の3つがあります。

NrealLightでは装着者の目の前約3メートル先に約100インチの仮想スクリーンが表示されるイメージです。また、マルチウィンドウ機能では、専用アプリケーション「Nebula」(ネビュラ)により、Androidのアプリを最大3つ同時に立ち上げ、それぞれ別のウィンドウで表示できます。例えば、動画を見ながらブラウザで検索、同時にSNSもチェック、などという使いかたも可能です。プライベート性では、例えば家族が同じ部屋の家庭用テレビで別の番組を見ていたり、他の家族が寝てしまっているときなどでも他の人を邪魔せずに動画を楽しめる点をメリットとして挙げました。

外出中での動画視聴


(VRヘッドマウントディスプレイとは異なり、視界を完全にふさがないのがMRデバイスの特徴)

外出中での動画視聴では「大画面」「マルチウィンドウ」「プライベート性」に加え、「没入感と手軽さのバランス」を挙げました。

VRヘッドマウントディスプレイでは視界を完全に覆ってしまうため、外で安全に配慮して使うのは難しいですが、MRデバイスであるNrealLightでは程よく周囲の環境を見ることができます。ディスプレイに表示している映像自体の明るさや周辺環境の光の強さにもよりますが、外部の状況を透過である程度確認できるため、外での動画視聴も楽しむことができると上月氏は説明します。

NrealLightの利用モードは2種類

続いてはNrealLightのモード説明。NrealLightには「ミラーリングモード」「MRモード(Mixed Realityモード)」の2つのモードがあります。


(目的や利用アプリに応じた2つのモードが用意されている)

ミラーリングモードはその名のとおり、スマートフォンの画面をそのままNrealLightのレンズ側にも表示するモードです。

一方のMRモードでは、Nebulaを通じてユーザーが3D空間上にホームスクリーンを作ることができます。NrealLightに対応している5Gスマートフォンでは、ケーブルを差すだけでNrealLightを認識して自動でNebulaが起動。Nebulaでは最大3つのアプリケーションを同時に立ち上げられるだけでなく、ウィンドウのサイズや配置もユーザーの好みで変更可能です。

また、MRモードではユーザーが手で持っているスマートフォンがレーザーポインターの役目も果たすので、スマートフォンの動きでアプリケーションを選ぶことができます。別途リモコンやコントローラーを持つ必要もありません。


(Nebulaの機能説明。自分の使いやすいようにカスタマイズも可能)


(Nebulaでの対応が確認できているビデオストリーミングサービス。YouTubeをはじめ、複数のサービスが対応している)

その他にも連携アプリを準備中

また、KDDIではバーチャルコラボレーションプラットフォーム「Spatial」を提供するSpatial社と提携しており、NrealLightに最適化されたSpatialの準備を進めているほか、Psychic VR Labが開発・提供するXRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」がNrealLightに対応することも明らかにされました。


(XRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」もNrealLightに対応)

リアル店舗での製品展示も

店舗展示については、銀座にあるKDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」をはじめ、全国にある直営22店舗で12月1日からデモ展示を実施。NrealLightを実際に触れるほか、ARゲーム「スペースチャンネル5 AR」も体験可能です。


(セガの名作でVR版もある『スペースチャンネル5』がARでプレイできる)


(NrealLightを用いた主な取り組みの例。既存の拡張だけでなく、XRによる新体験も提供する)

NrealLight以外にもXR分野への取り組み多数

KDDIではNrealLight以外にも、XR分野への取り組みを長年続けています。「Digital Reconstruction」と称してあらゆるものをデジタル化してXRで扱えるよう準備を進めており、また、新型コロナウイルス感染症の影響も考え、リアルとバーチャルの両方をハイブリッドで取り組んでいると上月氏は語ります。セッションではNrealLight以外の取り組み事例として「バーチャル渋谷」や「au XR door」、「XR CHANNEL」などが紹介されました。


(KDDIを含む参画企業50社で組成する「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」が推進するバーチャル渋谷。Psychic VR LabやクラスターなどのXR企業も協力している)


(au XR doorは宿泊予約サイト「Relux」と連動し、旅行の疑似体験も提供している)


(XR CHANNELにはKDDIが提携しているSturfeeのVPS技術が使われている)

さらにVPS(Visual Positioning Service)の最新活用例として、JR東日本が実施した「HAND! In Yamanote Line」を紹介。これは東京駅・丸の内駅前広場を舞台にしたARアートのイベントで、KDDIも参画しているモビリティ変革コンソーシアムの実証実験のひとつでもあるとのこと。


(HAND! In Yamanote Lineでは、東京駅・丸の内駅前広場にARアートを出現させた)

その他、KDDIの取り組みとして、バーチャルヒューマン(デジタルヒューマン)も紹介されました。KDDIではバーチャルヒューマンの研究を以前から続けており、将来的にはNrealLightを通じて「よりリアルな人らしく見える」ものを目指していくとのことです。

「オープンイノベーション」でXRエコシステムの構築を目指す

セッションの最後で上月氏はXRに対するKDDIの今後の展望を述べました。KDDIでは従来より自社だけではできなかったことをパートナー企業とともに協力し合って実施してきたが、XRの分野でも同様に「オープンイノベーション」の姿勢で臨むとのこと。NrealLightのようなデバイスも加わったことで、さらに使いやすいUIを実現したり、あるいは対応するサービスやアプリケーションのラインナップ拡充を進めていきたいと語り、セッションは終了となりました。


(さまざまなパートナーと協力しながらXRエコシステムの構築をめざす)

XR Kaigi 2020のセッション動画をYouTubeで公開中

今回レポートしたセッションをはじめ、XR Kaigiの公式YouTubeチャンネルではセッション動画を多数公開しています。イベントに参加した人も未参加の人も、ぜひ一度チェックしてみてください。

(参考)XR Kaigi 公式YouTubeチャンネル


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