2020年12月1日、auよりMR (Mixed Reality) デバイス「NrealLight(エンリアルライト)」が発売されました。メガネ型の見た目や広めの視野角などが話題となった本デバイスは、スポーツ観戦などのイベントでの体験会や無償レンタルの開発プログラムを経た後、改良を重ねて一般発売へと至っています。
本記事では「NrealLight」はどういったデバイスなのか、具体的に何ができるのか、価格や発売日、購入方法、スペックや付属品などを紹介します。
目次
1. NrealLightとは?
2. NrealLightで何ができるの?
3. 他のMRデバイスとの違いは?
4. 2019年版から進化した点は?
5. 対応スマートフォンや必要なアプリは?
6. 価格や購入方法、付属品は?
7. 開発者向けキットの発売やSDK配布も
8. NrealLightのスペック
NrealLightとは?
「NrealLight」は、中国のスタートアップNreal Ltd.が開発しているMRグラスです。見た目は一般的なサングラスに近く、わずか106gという軽さや、メガネ型のデバイスとしては広めの視野角(52°)を特徴としています。スマートフォンとつないで使うため、場所を選ばず使用でき、どこにでも持ち運びが可能です。
本体にはデュアルスピーカーやデュアルマイク、3基のカメラを内蔵し、6DoF(※)のトラッキングを採用。コントローラーはスマートフォンをそのまま使い、傾けることでポインタを動かして操作する設計です。
(※6DoF……上下左右前後の動きを認識する。3DoF……回転だけを認識する)
NrealLightで何ができるの?
NrealLightには「ミラーリングモード」と「MRモード」が用意されています。ミラーリングモードでは、従来のAndroidアプリケーションをグラス内で起動し、プライベートなセカンドスクリーンとして利用が可能です。
MRモードでは、グラス内で空間上に映像を映し出し、物体がまるでそこにあるかのように見ることができます。
例えば、目の前に100インチ規模の仮想スクリーンを広げて動画を視聴をしたり、MRのゲームを体験できます。
また、これまでに様々なビジネスシーンで活用されています。豊田スタジアムでのJ1リーグホーム開幕戦では、試合中の各選手のシュート数やパス数などサポート情報をAR空間に表示。渋谷PARCOではVRコンテンツアワード作品が鑑賞できる施策が行われました。東京国立博物館では国宝「聖徳太子絵伝」の復元された図像のアニメーションを視聴できました。
MRデバイスとの違いは?
MRデバイスには、NrealLightの他にもマイクロソフトの「HoloLens」やMagic Leapの「Magic Leap 1」などがありますが、それぞれ想定されている用途が大きく異なっています。
「HoloLens」や「Magic Leap 1」は高価格・高性能であり、業務利用がメイン。一方、NrealLightは一般ユーザー向けに低価格で提供している一方、他2機種と比べて機能は限定的です。位置をトラッキングするためのカメラの数はHoloLensやMagic Leap 1と比べると少なく、精度も劣ります。またコントローラーもスマートフォンを使った簡易的なもので、手や指を使った操作の範囲は限られています。
また、NrealLightはスマートフォンと接続して使用しますが、HoloLensは単体で動作。Magic Leap 1は外付けの専用ユニットを使用し、スマートフォンでは接続できません。
2019年版から何が進化したのか?
CES2019にて展示されたリファレンス機はより軽い88gでしたが、眉から額あたりに触れるパーツが熱くなるなど、排熱に問題がありました。しかし製品版のハンズオンでは熱問題が改善されており、集中していた基板の配置を分散させ、デバイスの熱の発生を抑えるなどの工夫が行われているとのこと。
また、NrealLightの操作感・扱いやすさは1年を経て向上した他、シンプルな拡張ディスプレイとしての活用がなされるようになり、以前より「使っているときのイメージ」がずっと想像しやすいものになっていました。
対応するスマートフォンや必要なアプリは?
NrealLightを使用するには、対応するスマートフォンが必要です。機種は「Xperia 5 II」「Galaxy Note20 Ultra」の2種(すべてKDDIのバージョン)で、今後より多くの機種に対応していく予定とのこと。接続は、グラス本体とスマートフォンをUSB Type-Cで繋ぎます。
使用には専用アプリ「Nebula」をスマートフォンにダウンロードすることが必要です。Nebulaは、AndroidのARアプリ・2DアプリをNrealLightを通して使用できるよう設定し、空間内でAndroidアプリを複数起動できます。
価格や購入方法、付属品は?
NrealLightは日本および韓国で発売されており、日本ではau Online Shopおよび、全国のKDDI直営店にて販売されています。価格は69,799 円(税込)。1人1個まで購入可能で、購入の際には「au ID」でのログインが必要です。
付属品は、ユーザーガイド、矯正レンズフレーム、ノーズパッド4種、クリーニングクロス、VRカバー、フィッティングアクセサリー、収納ケースです。
VRカバー(不透明シールド)は、周囲の明るい光をブロックし、没入感を高めてくれます。
また、2021年3月31日(水)23:59までの期間、NrealLightを購入して応募したユーザー全員にPontaポイント10,000ptを開催しています。
開発者向けキットの発売やSDK配布も
Nreal Ltd.では自社オンラインサイトにて、デベロッパー向け開発キット「NrealLight Developer Kit」を販売しています。価格は129,500円で、同キット2セットとLens Boxの「Nreal Hand in Hand Promo」が276,400円です。
また、Unity開発者向けキット「NRSDK」 (SDKUnity SDK 1.4.8)がリリースされています。NRSDKには、「Settings」、「Infinity Space」、「Sandbox」、「Nreal Tower」の4つのMRグラス専用アプリケーションが含まれています。
Nreal Light スペック詳細
デバイス名 |
Nreal Light |
価格 |
税込69,799円 |
本体重量 |
約106g |
解像度 |
片眼あたり横1080p |
視野角 |
52度(対角) |
接続方式 |
USB Type-Cによる有線接続 |
トラッキング |
6DoF |
他機能 |
平面検知、画像認識、自己位置推定(SLAM) |
対応スマートフォン |
・XPERIA 5Ⅱ SOG02 |
同梱品 |
・ユーザーガイド |
au Online Shop 販売先 |
https://onlineshop.au.com/disp/CSfLastGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=9704 |
Pontaポイントキャンペーン |
2020年12月1日(火)10:00~2021年3月31日(水)23:59 |
NrealLight Developer Kit 販売先 |
|
NRSDK 配布先 |