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業界動向 2019.06.25

KDDIがARクラウドのSturfeeと提携、来たるべきAR時代への布石か

KDDI株式会社は、ARクラウド(※)関連技術を開発しているSturfeeと戦略的パートナーシップを締結しました。KDDIはSturfeeの技術を活用し、日本における3Dマップの生成・共同開発と、国内パートナー企業との実証実験の推進を行います。

(※ARクラウド……現実世界のデジタルなコピーと、それに紐づいたデータをクラウド上で保持・提供する技術。「誰かが見ている、場所・空間に紐づいたバーチャルな情報を、他の人も見れる」という状態を作るのに必要。詳細な説明はこちらの記事にて)


(イメージ画像:周辺の建物や道路を3Dメッシュとして認識し、「立体的な地図」「現実世界のバーチャルなコピー」を作る)

KDDIはこの提携に際し、「Sturfeeの技術を利用した3Dマップを作成し、スマートフォンやスマートグラス上に表示する実証実験に活用、Sturfeeが開発したVPSプラットフォームに自社のコンテンツマネジメントサーバを組み合わせ、日本国内利用に向けた対応をサポートする」とコメントしました。

「ARクラウド」を実現する企業と提携、AR/MR時代への伏線か

Sturfeeは、VPS(※)用の3Dモデルを衛星写真から生成する技術で知られるARスタートアップです。従来の3Dマップ生成ではスマホやカメラ等で撮影した写真を使いますが、Sturfeeの技術はよりシームレスかつ効率的に都市や空間全体をAR化します。

(※VPS……Visual Positioning Serviceの略。いわゆる3Dマップ/3Dメッシュと、スマホなどに搭載されたカメラを通して見ている画像を照合、向きや方位を含む高精度な位置情報を特定する技術)

今回の提携にあたり、SturfeeのCEOであるAnil Cheriyadat氏は、「スマートフォンが普及し、スマートグラスが日本で近く大きな市場になることが予想されるいま、屋外で使えるVPSサービスの拡充は5G時代のキラーサービスとなりえるでしょう」とコメントしています。


(KDDIが提携したnreal社の「nreal light」。スマホ接続で試用する軽量・メガネ型のMRデバイス。周囲の壁や床、物体等を認識し、それらの状態を反映した情報を表示できる)

さらに2019年5月下旬、KDDIはメガネ型MRデバイスを開発するnreall社と提携。同社が開発したMRデバイス「nreal light」の国内対応サポートなどを行う旨を表明しています。これらの提携を踏まえると、KDDIはAR/MR時代に向けた準備を着々と進めているようです。

KDDIは2019年6月27日に開催されるイベント「KDDI 5G SUMMIT 2019」にてSturfee社の技術展示を行う予定となっています。

(参考)KDDI株式会社 ニュースリリース


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