ゲームエンジン「Unity」を開発するUnity Technologiesとマイクロソフトが、クラウドサービスにおける提携を発表しました。マイクロソフトが提供する「Azure」を活用し、Unityのクラウドサービスを強化。クリエイターがどのような環境にいても、リアルタイムで3Dコンテンツ開発に取り組めるようサポートします。
クラウド活用で3DCGツールの民主化図る
マイクロソフトとのパートナーシップ以前から、Unityではクラウドを利用したツールやサービスを多数提供。今回の提携に伴い、同社は「さらに多くのツールでクラウド活用を推進する」予定です。例として、Unityが買収したWeta Digital、Zivaのクリエイティブツールを、Azureのツールとして提供。ハイレベルなツールを、より多くのユーザーに届けます。
また、既に「Azure Virtual Machines」などで提供されているコラボレーションツールParsecでは、リモートでの共同作業がスムーズになるよう、改良を図るとのこと。
ゲーム以外の分野でも、デジタルツインを扱う場合にはローカルデバイスでは処理できないほどの膨大なデータへのアクセスが必要になります。この分野でもクラウドを使うことで、高品質なデジタルツインの作成や共有、データを用いたコラボレーションが実現すると、Unityは説明します。
具体的な内容は明記されていないものの、提携により「Unityで開発されたゲームコンテンツが、マイクロソフトのWindowsやXboxでより多くのユーザーにリーチできる」施策も進む見通しです。
Unityによる「メタバース構築」支援の一環か
近年、Unityは多くの開発企業や3DCG企業の買収を続けています。Parsec買収ではリモートでの共同作業推進を、Weta Digital買収の際には3DCGツールのクラウド化を掲げました。そしてUnityは目的として、「メタバースの未来を形作ること」にも言及しています。
今回のマイクロソフトとの提携からも、クリエイターがどこにいてもリアルタイム3D(RT3D)に取り組み、メタバースを構築できる環境づくりへの意気込みが伺えます。
(参考)Unity Blog