2021年8月10日、ゲーム制作エンジン「Unity」を開発するUnity Technologiesは、リモートデスクトップとストリーミング技術を提供するParsecの買収を発表しました。買収額は約3億2千万ドル(約354億円)。今回の買収により、Unityで開発するクリエイターがリモートで共同作業を行い、高性能な処理を活用できるようになることが期待されます。
様々な分野で活用されるデスクトップストリーミング
2016年に設立されたParsecは高精細・高フレームレートのデスクトップストリーミングアプリを提供している企業です。昨今の「新しい働き方」へのシフトの結果、チーム向けプランのサブスクリプション事業は前年比で170%の成長を遂げており、来年はさらに加速する見込みです。
同社の事業展開は、Electronic ArtsやUbisoft、Square Enixなどのゲーム会社だけでなく、メディア・エンタテインメントに建築・デザインなど、Unity Technologiesがソリューションを販売している多くの業種にも広がっています。
ParsecのCEOで共同設立者であるBenjy Boxer氏は、「今回、Unityと提携することで、より多くのクリエイターにコンテンツや技術への自由なアクセスを提供できることを嬉しく思います」と語りました。また、今回の買収に伴うParsecの無料版サービスについて、有料等に変更する予定はないことがTwitterで公表されています。
Unityによる企業買収続く
Unity Technologiesは近年、3D技術に関わる企業を立て続けに買収しています。2021年6月には3DデータツールのPiXYZ Software、3月には建築向けARソフトウェア開発のVisualLiveをそれぞれ買収しました。
Parsecの買収について、Unityは「クリエイターが、リッチでパワフルなツールとシームレスなクラウドインフラにより、あらゆる場所、あらゆるデバイスで作業ができ、未来のリアルタイム3D体験を提供できるようになるといった、ParsecとUnityのクラウドビジョンの拡大に向けた重要な一歩となります」とコメントしています。
(参考)ニュースリリース