サムスンはアメリカや中国などの数地域で、Windows Mixed Reality対応ヘッドセット(MRヘッドセット)「Samsung Odyssey」の販売を開始しました。価格は500ドル(日本円で約5.7万円)で、他のMRヘッドセットと異なり、ディスプレイに有機ELを採用していることなどプレミアな特長のあるMRヘッドセットです。
有機ELを採用した高精細ディスプレイ
マイクロソフトの展開するWindows Mixed Reality(MR)は、AcerやHP各社から販売される様々な対応ヘッドセットを用いてVR体験が可能なWindows 10搭載PC向けのプラットフォームです。
日本ではAcer、HPから発売されており、富士通が11月下旬、Dellが12月9日の発売を予定しています。
Samsung Odysseyは同じMRヘッドセットですが、他のWindows MRヘッドセットにはなかった特長を備えたプレミアムモデルとなっています。
・片目1,400×1,600のディスプレイ(最大90Hz)を有しており、他のWindows MRヘッドセットと比べて高い解像度、かつ液晶より発色やコントラストの点で優れている点も多い有機ELディスプレイを採用
・ヘッドセットにヘッドフォンとマイクを内蔵
・IPD(瞳孔間距離)調節が可能(60~72mm)
・フレネルレンズにより視野角も最大レベルの110度
こういったサムスンのこれまでのVRヘッドセット販売から培った経験が生かされたヘッドセットとなっています。一方、他のMRヘッドセットには備わっている機能で搭載されていないものもあります。ヘッドセットをつけたままディスプレイを持ち上げられるフリップアップ機構を有していません。
ヘッドセットの重さは644グラム、ケーブルの長さは4メートル、PCとの接続にはUSB 3.0とHDMI 2.0を使用します。
手元のPCでSamsung Odysseyが動作するかを確認したい場合は、マイクロソフトのアプリWindows Mixed Reality PC CheckでPCスペックを確かめることができます。
アメリカや中国など一部地域で販売開始
Samsung OdysseyはRoad to VRのレビューにて、「他のWindows MRヘッドセットと違い、RiftやViveに匹敵する広い視野をもつ」「RiftやViveよりも画面のシャープさが向上している(スクリーンドアエフェクトが軽減されている)」「コントローラーは少しエルゴノミクスに基づいた形状変更がなされている」などの評価を得ています。
なお、コンテンツに関しては、記事執筆時点ではWindows MRヘッドセットはWindowsストアにしか対応しておらず、Steamのゲームをプレイ可能になるのは12月リリース予定のSteam VR対応が行われてからということに注意が必要です。
Samsung Odysseyは、アメリカ、中国、韓国、ブラジル、香港向けに、サムスンとマイクロソフトより販売されています。価格はサムスンストアで499.99ドルとなっています。
・Samsung.com販売ページ
・Microsoft.com販売ページ(海外のみ)
サムスンの販売ページでは、執筆時点で7~10営業日での発送と記されています。
(参考)
Samsung Odyssey Windows VR Headset Now Available – Everything You Need to Know / Road to VR(英語)
https://www.roadtovr.com/samsung-odyssey-vr-headset-mixed-reality-now-available-everything-you-need-to-know/
Mogura VRは、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。
※2017年11月11日8:30 記述を一部削除しています。