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業界動向 2019.06.01

クアルコム、VR/ARデバイスの新型リファレンスモデル スマホ接続と一体型モードを切り替え

半導体メーカーのQualcomm(クアルコム)は、AR/VRデバイス専用のチップセット“XR1”をベースとしたVRヘッドセットのリファレンスモデルを発表しました。6DoFのトラッキングや、一体型ヘッドセットとしても使えるスタンドアローンモードなどを備えています。

AR/VRデバイス専用チップセット

カリフォルニアのサンタクララで開催されているAWE(Augmented World Expo)2019で発表されたのは、「Snapdragon Smart Viewer Reference Design」です。中国メーカーGoertekの協力を得て開発されました。リファレンスモデルとはクァルコムが各ヘッドセットメーカー向けに提供する開発モデルのことで、各メーカーはこれを元に製品を開発します。

XR1はAR/VRデバイス向けに設計されたチップで、2018年5月に発表されました。すでにグーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」や、Vuzixの「M400」への採用が明らかになっています。

XRの没入感をさらなる高みへ

QualcommのXR事業代表Hugo Swart氏は、このリファレンスモデルがXR1の性能を存分に活用し、コンシューマー、エンタープライズ両用途でXRコンテンツ体験を向上させると自信をのぞかせています。「(前略)このリファレンスデザインで新たに実現するアイトラッキングや6DoFのコントローラーで、XRの没入感は一段と高いレベルに進むでしょう」と同氏は話しました。

リファレンスモデルの主な仕様

リファレンスモデルの主な仕様は下記のとおりです。

トラッキング

ルームスケールのXRにおいて、頭の動きに加えて上下左右、前後の体の動きに対応する6DoFのトラッキングを実現します。デバイスに搭載された2台のカメラを使用し、外部センサーは不要です。

ハンドトラッキング

タップ、ズーム、ピンチ、スクロールといった手の動きとジェスチャーのトラッキングを行います。

アイトラッキング

ユーザーの目の動きでコントロールを行う視線操作を実現するための、視線追跡(アイトラッキング)に対応しています。同技術でプレゼンスを持つTobii社と協力しています。

6DoFのコントローラー

向きと位置を認識し、前後左右上下に自由に動かすことが可能な6DoFのコントローラーを備えています。現実と同じように見た通りの操作が可能です。

ディスプレイ

ジャパンディスプレイ(JDI)製のパネルを採用。リフレッシュレートは72Hz、解像度は片目2Kです。

スタンドアローンモード

USB-CコネクタでPCに接続して使用するほか、一体型ヘッドセットとして使える「スタンドアローンモード」があります。消費電力の少ないシンプルなゲーム、動画ストリーミングなどが対象です。

Qualcommはこのリファレンスモデルを通じて、人々の繋がり方やコミュニケーション方法を変革することへの、コミットメントを示すとしています。

(参考)Qualcomm


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