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VTuber 2022.01.02

「VTuberになりたい」と思ったら何をすべき? 必要なものや注意点など基本的な知識まとめ

日々活躍しているVTuberの生放送や動画を見て、「自分もやってみたい!」と思い立つ人は少なくないはず。しかし何をすればデビューできるのか、そもそも必要なものは何か、今ひとつよく分からないことが多く、早々にあきらめてしまう場合もあるかもしれません。

そこで今回は初心者の方向けに、VTuberとしてのデビュー方法デビュー時に大切なポイントなどを紹介します。

目次

VTuberになる方法1.自分で全て用意する
 ・アバターを自作するには?
 ・アバターづくりができない場合は?
 ・アバターを動かすにはどうする?
 ・動画投稿や配信を行う方法は?
 ・プラットフォーム選択と収益化の方法
VTuberになる方法2.企業所属タレントを目指す
 ・オーディションはどうやって合格する?
 ・オーディション以外の所属方法は?
まとめ

VTuberになる方法1.自分で全て用意する

VTuberデビューを最も早く達成する方法は「アバターや機材など、すべて自分で用意してYouTubeなどの動画サイトに投稿する」です。

自分のなりたい姿や動画でやりたい企画を自由に決められるのがメリットで、やり方次第では今日からでもデビュー可能です。

VTuberになるために必要なものは、大まかに

・アバター(自分のなりたい姿)
・キャプチャーツール(自分の現実の顔の表情や動きをアバターと連動させるツール)
・録音撮影機材(マイク、Webカメラなど)
・動画サイトのアカウント(YouTube、ニコニコ、Twitchなど)

の4点です。それぞれのポイントについて簡単に紹介していきます。

アバターを自作するには


(画像はVRoidサンプルアバター)

VTuberデビューする上で最も重要なのが「アバター」です。自分のバーチャル世界での姿となるため「どんな姿で活動したいか」「視聴者にどう思われたいか」によって容姿を決めることになります。


(左が「Live2d」の2Dアバター、右が「VRoid」の3Dアバター)

大別すると2Dアバターと3Dアバターの2タイプがあり、どちらを選択するかで活動できる内容が変わってくる場合があります。

3Dアバターは文字通り3D空間上に存在する立体的なモデル。場の選択や動きの表現の自由度が高い傾向にあるスタイルです。「VRChat」や「cluster」などのバーチャルSNSで利用できるのもポイントです。

一般的に3Dアバターの制作はハードルが高いイメージがありますが、「VRoid」や「Vカツ」など各種アバター制作ツールを使えば、未経験でも比較的楽に作成できます。

またイチから制作せずとも、顔のパーツを選ぶだけで簡単に制作できるアプリやツールもあります。有名なものではスマートフォンアプリの「REALITY」や「カスタムキャスト」です。

もちろん、見た目をこだわりたい方や特殊なモデルを作りたい方のための本格的なツールも多くあります。メジャーなものの一つはオープンソースの3DCGソフト「Blender」。技術的な知識が必要ですが、その分自由度の高い制作が可能です。制作した3Dモデルはゲームエンジン「Unity」を用いて別途動かすための設定も必要です。


(画像は神吉李花さんの2Dアバター

対して2Dアバターはイラストをもとにした形態で、一枚絵が自在に動くいわばアニメーションのような表現が特徴。こちらの制作では身体のイラストを用意し、「Live2D」等の技術(ソフト)で動きを設定するのが基本となります。

一見は気軽に製作できそうに思えますが、制作するには3Dとは異なる技術が必要で、細かな表情の変化などを作り込むのは上級者向け。はじめのうちはYouTubeなどで公開されている初心者向け講座などをチェックしてみると良いでしょう。

取り上げた以外にもさまざまなVTuber制作ツールがリリースされているので、詳しくは下記の記事をご覧ください。

アバターづくりができない場合は?

自作だけでなく、他人にアバターの制作を依頼するのも一つの手です。

例としては創作物マーケット「BOOTH」でのモデル販売があります。クリエイターの方々が販売している2Dや3Dのアバターを入手し、それをVTuber活動に利用するというものです。購入するだけですぐにVTuber活動できる点が何よりの魅力でしょう。

この場合、制作元のクリエイターさんや企業側が「VTuberとして活動することを許可しているか(配信で収益を得たり、グッズを販売したりできるか)」をしっかり確認する必要があります。勝手にアバターを改造したり、別の商品として展開したりしようとする場合、規約違反になる可能性もあるので注意が必要です。

またスキルマーケット「ココナラ」で、クリエイターの方に制作依頼を送るという手段もあります。この場合、クリエイターさんに「どんなモデルを制作したいか」「納期はいつまでか」といったことを丁寧に伝える必要があります。クリエイターの方々によって出来ることの範囲は変わってくるので、事前にプロフィールをしっかり確認しましょう。もちろん、あらかじめ予算を見積もっていくのも重要です。

また特に2DのVTuber制作などの場合「イラストレーターに直接依頼する」という方法もあります。イラストレーターさんがSNSなどでお仕事の募集をかけていたり、問い合わせ窓口を設置していたりする場合は、直接連絡して相談するのもアリでしょう。

ただし直接依頼の場合、上記サービスを利用する以上に連絡時にトラブルが起きてしまう危険性が高まります。「予算に見合わない仕事を要求していないか」「アバターのイメージをしっかりと伝えているか」「仕事の応答がスムーズに可能か(スケジュールを確保できそうか)」といった点を踏まえて相談するようにしましょう。事前にアバターの権利に関する規約の確認もお忘れなく。

他にもアバターの顔と身体だけを自分で制作して、ファッションを「BOOTH」で購入するという方法もあります。「VRoid」のアバターであれば、様々なクリエイターの方のファッションアイテムを購入してカスタマイズ可能です。

アバターを動かすにはどうする?


(画像はスマホアプリ「TDPT」)

VTuberとして活動を行うためには、用意したモデルを動かすプロセスも必要です。モデルの操作は基本的に自身の体の動きを読み取って反映させる「トラッキング」と呼ばれる手段で行います。その主な方法は「VR機器を用いる」「Webカメラやスマートフォンのカメラで読み取る」といったものです。


(Webカメラで自分の表情をアバターと同期できるツールもあります)


(「HaritoraX」のような下半身のトラッキングが可能なツールも)

VR機器の場合は頭に装着したヘッドセットや両手のコントローラ、その他専用トラッカーなどを用いて人体の動きを読み取ります。カメラの場合はレンズ越しに人の表情や頭の動きなどを読み取り、モデルに反映させます。

詳しい設定方法や操作方法は各ツールの説明をよく確認してください。その際、自分のアバターがそのツールに対応しているのかも重要です。どんなツールがあるのかは下記の記事を確認ください。

また、必要に応じてマイク等の録音機材やキャプチャーボード等の録画機材も準備します。

動画投稿や配信を行う方法は?

モデルの動かし方が分かったら、次は実際に活動を行う段階に入ります。生配信を行う場合、PCでは録画・配信ソフトを通して配信サイトに接続を行います。

具体的なソフトとしては「OBS Studio」が一般的です。また、スマートフォンの場合は各プラットフォームのアプリ等を用いて配信を行うこととなります。

動画作成にあたっては録画作業と編集作業があります。録画方法は使用するソフトの録画機能を使う、クロマキー映像をOBS Studio等の録画ソフトに出力するなど様々な方法が考えられます。編集ソフトは「AviUtl」「DaVinci Resolve」「Filmora」といった様々なものが用いられています。

また活動の宣伝や日常的な発信のため、Twitter等のSNSのアカウントも並行して用意しておきます。いわゆるファンアートタグや「推しマーク」等を設定したり、活動開始までの期間に「#VTuber準備中」といったハッシュタグを利用したりするVTuberも多いです。自分の活動方針に合わせて設定すると良いでしょう。

プラットフォーム選択と収益化の方法

自身の望むスタイルに合わせ、利用するプラットフォームを選びましょう。最も一般的なものはYouTubeですが、他にも「Twitch」「SHOWROOM」等をはじめとする各種配信サイト、「REALITY」「Mirrativ」等の配信アプリなどが選択肢としてあります。これら複数を利用するVTuberも一定数存在します。

また、使用プラットフォームでの収益化の条件も事前に理解しておくことが望ましいです。例として、YouTubeの収益化審査を受ける条件は「登録者数1000人」かつ「合計再生時間が4000時間」となっています。

ほとんどの場合これらはすぐに達成できる条件ではないため、収益化のためにはある程度長期的な見通しや活動方針の明確化が求められてくるでしょう。

VTuberになる方法2.企業所属タレントを目指す

もう一つのメジャーなデビュー方法は、各企業が募集しているVTuberオーディションに応募するというもの。昨今では大手事務所だけでなく新しいVTuberグループの設立なども盛んであり、応募先の選択肢も日々広がりつつあります。

企業所属のメリットは、動画制作や企業案件、経費関連の処理などを企業側がサポートしてくれる点です。特にグッズや音源制作といった手間のかかる作業への支援はメリットが大きいと言えます。アバターを企業側が用意してくれている場合もあるため、上記で紹介したようなアバター制作の手間もかからないかもしれません。

一方で、企業に所属したことで自分の活動の幅に制限がかかったり、収益の配分で不満が出てしまうといったデメリットも場合によっては起こりえます。事前に「自分はどういった活動をメインにしたいのか」「どういった収益形態であれば満足できるのか」を考えた上で、それに見合う事務所を探してみるのがおすすめです。

オーディションはどうやって合格する?

選択基準はそのVTuberのコンセプトやグループとしての雰囲気などさまざま。あらかじめVTuberの設定が決まっているものから「姿のみが決められている」「合格後に自身に合わせた形で制作を行う」など多種多様なスタンスがあります。

重要なのは「自分のやりたい活動と企業の方針が一致していること」「企業が提示しているオーディション条件を満たしていること」といった点です。また自分の強みである部分をアピールできるかも大事な要素と言えるでしょう。

オーディションでは、自身に配信経験や歌い手経験がある場合は有利に働くこともあります。また昨今では英語などの外国語で会話できることや海外留学経験があることなどが有利になる場合も少なくありません。ただし、何が有利に働くのかは最終的には分からないものなので、さまざまな分野に広く興味を持っていることも重要と言えるでしょう。

オーディション以外の所属方法は?

その他のデビュー方法として、自身の他分野の活動等をきっかけとして企業側から直接スカウトを受けるといったことも考えられます。この場合は相手方の団体に信用が置けるかをよく吟味し、条件についても相談を重ねる必要があるでしょう。

また最初に個人でVTuberとして活動をはじめて、後々企業所属を目指すという方法もあります。この場合、VTuberとしての活動実績がそのまま企業へのアピールに繋がることになります。

まとめ

今回の記事では実際にVTuberとしてデビューするまでの大まかな流れについて説明を行いました。現在はツールの発展などもあり、一口にVTuberデビューといっても様々なルートが考えられます。あらかじめ自分の活動スタイルをイメージしたうえで、手軽さ、機材、使うプラットフォームなど好みに合った手段を選択するのが良いでしょう。

執筆:うぇるあめ


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