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話題 2023.01.27

個人でもできる! お手軽フルトラッキングツール&アプリまとめ【2023年1月版】

全身の動きを取得し、アバターなどへ反映する技術、フルトラッキング技術は、バーチャル空間でアバターを自由に動かすために欠かせないもの。しかし以前は最低でも20万円以上の機材が必要で非常にハードルの高い技術のひとつでした。

ところが近年、フルトラッキングを安価に実現する手段が続々と登場しており、中には基本無料のスマートフォンアプリでできるものも登場しつつあります。

本記事では、比較的お手軽かつ安価に利用できる、フルトラッキングデバイスやアプリを紹介します。

目次

デバイス系
・HaritoraX 1.1
・mocopi
・Uni-motion
・VIVEトラッカー(3.0)
アプリ系
・TDPT
・ミチコンPlus
・ThreeDPoseTracker
・MocapForAll

HaritoraX 1.1

HaritoraX 1.1は、下半身のトラッキングに特化したフルトラッキングデバイスです。外部センサー不要で動作するため、少ないスペースでも扱うことができます。SteamVRに対応しているため、「VRChat」「cluster」「Virtual Motion Capture」といった幅広いアプリでも動作します。

汎用性の高さと運用難易度の低さをあわせもち、さらに価格は33,900円(税込)と比較的お手頃です。また、肘トラッキングと腰トラッキングを拡張する追加パーツも用意されています。

2023年1月現在、「HaritoraX」は1〜2月出荷分は完売済み。今後の販売日程については、公式Twitterにて告知予定です。

また、各センサーが無線接続となった「HaritoraX ワイヤレス」も発表されています。各センサーがより軽くなり、稼働時間も20時間に増加。スマートフォンアプリを経由することで「Meta Quest 2」とも接続可能になると告知されています。こちらは2023年3〜4月ごろに予約開始、6月に発送が開始される予定です。

使用用途

VRプラットフォーム

○(VRChat、cluster)

VRゲーム

○(対応タイトルのみ)

VTuber化

○(Virtual Motion Capture使用など)

スマホアプリからの配信など

公式サイト

https://ja.shiftall.net/archives/product_page/haritorax/

mocopi

mocopiは、ソニーより発売中のモバイルモーションキャプチャーです。小型で軽量なセンサー6つと身体に取り付け、スマートフォンアプリと接続することで、どこでも簡単にモーションキャプチャーを行うことができます。

とにかくセンサー1つ8gという軽さが持ち味で、装着時の重さはほぼ無いようなもの。最低限の動作はスマートフォン1台あれば成り立つため、これまで高価な機材をそろえたスタジオなどがスタートラインだったモーションキャプチャーを、自宅や屋外でも行うことができます。

連携アプリケーションも「Virtual Motion Capture」に加えて、「VRChat」はPC版とQuest版の双方で利用することができ、VTuberからソーシャルVRまで幅広い使い道が考えられます。価格は49,500 円(税込)。対応機種はこちらをご確認ください。

使用用途

VRプラットフォーム

○(VRChat)

VRゲーム

○(対応タイトルのみ)

VTuber化

○(Virtual Motion Capture使用など)

スマホアプリからの配信など

△(専用アプリでモーションの録画は可能)

公式サイト

https://www.sony.jp/mocopi/

Uni-motion

Uni-motionは、胸(1個)、腰(1個)、両足(各2個ずつ)の計6個のセンサーで構成されるフルトラッキングデバイスです。外部センサー不要で単独動作し、ジャンプや逆立ちまでトラッキングできます。SteamVRに対応するため、VRヘッドセット併用で「VRChat」「Virtual Cast」「Neos VR」「Virtual Motion Capture」などとも連携できます。

新機能追加のお知らせです!
Vtuberなどの配信向けにUni-motionのみで上半身が動くモードを追加しまし

た~!

これも、Uni-motionです! pic.twitter.com/HmV9fjDoJq

— Uni-motion (@uni_motion) August 6, 2021

またVRヘッドセットと併用せず、「Uni-motion」単体でも使えます。上半身にのみセンサーを取り付けることで、VTuber配信などにも利用可能です。

多機能かつ運用難易度は低め。乾電池で動作するため、「ENELOOP PRO」を使えば最大24時間動作するとのことです。価格は49,500円(税込)。ただし本記事執筆時点(2023年1月)では在庫切れとなっています。

使用用途

VRプラットフォーム

○(VRChat、Virtual Cast、Neos VR)

VRゲーム

○(対応タイトルのみ)

VTuber化

○(配信ソフトで切り抜いて動画化可能)

スマホアプリからの配信など

公式サイト

https://www.uni-motion.com/

VIVEトラッカー(3.0)

VIVEトラッカー(3.0)」は、VRヘッドセット「HTC VIVE」シリーズのオプションデバイスの1つです。身体や物体に取り付ければ、SteamVR対応コンテンツに人や物の動きを持ち込めます。

フルトラッキング目的で使用する場合は、最低でも3台(腰に1台、両足に1台ずつ)、最大では7台(腰に1台、両足、両膝、両肘に1台ずつ)が必要となります。1個の販売価格は19,000円(税込)で、さらに運用には外部センサーやVRヘッドセット(※Lighthouse規格対応のもの)、VRヘッドセットが動く高性能なPCが必要となります。

個人で3基以上そろえた上で、上記のようなコストのかかる環境を整える必要がありますが、そのハードルに見合った精度の高いトラッキングを実現できます。動きのクオリティを追求したい方にオススメの選択肢です。

使用用途

VRプラットフォーム

○(VRChat、Virtual Cast、Neos VRなど)

VRゲーム

○(対応タイトルのみ)

VTuber化

○(Virtual Motion Capture使用や、配信ソフトで切り抜いて動画化可能)

スマホアプリからの配信など

公式サイト

https://www.vive.com/jp/accessory/tracker3/

TDPT

TDPTはスマートフォンで使用できるモーションキャプチャアプリです。スマートフォンのカメラ映像か動画ファイルをもとに、アバターへ全身の動きを反映させることができます。基本使用は無料です。

スマホで動作するモーションキャプチャアプリとしてはトラッキングの精度が高めです。有料の追加機能として、VRoid Hubとの連携によるアバター変更、モーションデータの送信・書き出し(VMD、BVH形式)なども行えます。iPhone専用アプリとなっており、iPhone11以上が動作対象となっています。

使用用途

VRプラットフォーム

VRゲーム

VTuber化

○(プレミアム版はYoutubeのエンコーダライブなどで配信可能)

スマホアプリからの配信など

○(プレミアム版はReplay Kitでミラーリング配信可能)

公式サイト

https://digital-standard.com/tdpt_lp/

ミチコンPlus

ミチコンPlusは、スマートフォンで使用できるモーションキャプチャアプリのひとつ。こちらも「TDPT」同様に、スマートフォンのカメラ映像か動画ファイルでアバターへ動きを反映できます。

また、AR機能でアバターを現実の上に合成もできます。基本利用は無料ですが、有料でVRoid Hubとの連携によるアバター変更、モーションデータの書き出し(CSV形式)が行えます。iPhone専用アプリとなっており、iPhone XS以上からが動作対象です。

使用用途

VRプラットフォーム

VRゲーム

VTuber化

○(配信ソフトで切り抜いて動画化可能)

スマホアプリからの配信など

公式サイト

https://www.next-system.com/michicon

ThreeDPoseTracker

ThreeDPoseTrackerはWindows10用のモーションキャプチャアプリです。USBカメラか動画ファイルをもとにアバターへ動きを反映できます。

トラッキング精度は高めで、無料で自由にVRMアバターを読み込むことができます。ただし動作保証となっているマシンスペックはやや高め。また非営利利用のみである点には留意が必要です。

使用用途

VRプラットフォーム

VRゲーム

VTuber化

○(配信ソフトで切り抜いて動画化可能)

スマホアプリからの配信など

☓(iOS向けのアプリケーションも開発中)

公式サイト

https://digital-standard.com/tdpt/

MocapForAll

MocapForAllは、Windows専用のモーションキャプチャアプリです。Webカメラを最低2台(最大100台)を用いてトラッキングを行い、高い精度で全身の動きをトラッキングできます。また、「Virtual Motion Tracker」を介せば、SteamVR上でもフルトラッキングを反映できるとのことです(VRヘッドセットは別途必要)。

Webカメラを2台以上用意する点や、ミドルクラスのマシンが必要な点、そのほか導入面などで多くの準備が必要になりますが、そのハードルに見合った精度を発揮します。価格は9,999円(税込)ですが、無料体験版で動作の検証ができます。

使用用途

VRプラットフォーム

○(VRChat)

VRゲーム

○(対応タイトルのみ)

VTuber化

○(配信ソフトで切り抜いて動画化可能)

スマホアプリからの配信など

公式サイト

https://vrlab.akiya-souken.co.jp/product


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