株式会社オカムラが、自社製品の3Dモデル「オカムラデジタルコレクション」を発売しました。「VRChat」や動画配信の背景、SNS投稿などに利用できます。価格は860円〜2300円(税込)。「BOOTH」のオカムラ公式ページから購入できます。
今回は、オフィスチェア「Sabrina(サブリナ)」「ContessaⅡ(コンテッサ)」とゲーミングチェア「STRIKER(ストライカー)」の3種が発売されます。価格はリアル製品の1/100に設定され、オフィスチェアは14色、ゲーミングチェアは3色のカラープリセットで提供されます。
主要なゲームエンジンに対応、商用利用もできる高品質モデル
オカムラによれば、「オカムラデジタルコレクション」はリアル製品の製造過程で用いる3Dデータをメタバース向けに最適化しています。また、背・座・肘の調整機能(シェイプキー)を搭載するなど、リアル製品の細部を忠実に再現。購入者は自作のマイルームやバーチャルオフィスなどに3Dデータを配置でき、配色・質感・陰影などのカスタマイズも行えます。
3Dデータは、Unity、Unreal Engine、Autodeskに対応しています。個人・法人問わず商用利用でき、調整・加工などの改変も行えます。ただし、諸権利はオカムラに帰属しており、センシティブな表現への利用や、再配布・転売は禁止されています。オカムラによれば、クレジット表記は「不要ですがあると嬉しいです」とのこと。利用規約はこちら(Google Drive)から確認できます。
ゲームやアニメ、メタバース制作に利用可能な3Dモデルは多数出品されていますが、家具メーカーが独自の3Dデータを一般販売するのは珍しい試みです。
VRChatで「試座会」も開催
また、今回の発売にあたり、3種の3Dデータを試用できる試座会イベントも開催されます。開催日時等は以下の通りです。
日時 | 2023年11月2日(木)22:00~23:00 |
場所 | VRChat内指定ワールド(Friend+形式インスタンス) |
対象デバイス | Meta Quest(単体)、パソコン(デスクトップモード、PCVR) |
参加方法 | 1. VRChat公式サイトにログインし、以下のURLからAdd Friendを押してください。
【なだっち】 2. VRChat内でMENUからSocialを開き【なだっち】が表示されていればフレンド登録完了になります。 3. 当日は指定の時間にスタッフ 【なだっち】にFriend+でJOINしていただければ参加可能になります。 |
(出所:オカムラをもとにMogura VR News編集部が作成)
「3Dモデル」の配布・売買事例は増加中
クリエイターや企業、自治体が3Dモデルを配布・販売する事例は国内で増えており、市場規模も拡大しています。ピクシブによれば、BOOTHの「3Dモデル」カテゴリは、2022年に取引件数148万件、取扱高24億円に達しています。
自社による3Dモデルの公表・販売には、ユーザーのブランド認知を高めるだけでなく、正規品の所在を明らかにし、海賊版の流通を抑える効果があるとされます。先行する都市開発やファッション分野に加えて、今後はインテリア分野でも、企業による有料3Dモデルの提供が増える可能性があります。
オカムラはプレスリリースで、「メタバース空間を人が活きる環境と捉え、多様性のある環境づくりをサポートします。今後は市場のニーズや提供価値を検証し、先端のデジタル技術を活用した新規ビジネスの創出を目指します」とコメントしています。